【家族4人で幸せ自給生活】第21話:服作り(後編) 子ども服はリメイクで 好きが高じてマルシェに出店
2024-06-24祝単行本化!2023年6月から1年間にわたってお届けしてまいりました本連載が、このたび、一部書き下ろしを加えたうえ編集され、『北の国から 家族4人で幸せ自給生活』三栗祐己・三栗沙恵 著(農文協)として発売されました。
現代農業で2021年4月から1年間掲載されていた人気連載「北の国から、幸せ自給生活」が、新しい要素を盛りだくさんに加え、現代農業WEBで復活しました! 住まいや電気(太陽光発電)、水道などを自分たちでつくりながら、働きすぎず、穏やかに、豊かに暮らしている三栗さん一家のお話です。毎月お届けします。*今回の執筆は三栗さんの奥さんの沙恵さんです。
北海道・三栗祐己
今回は、「服作り」のお話の後半です。
リメイクや端切れから子ども服を作る
服を作る場合、ふつうは生地を買ってきて、そこから服のパーツを切り取りますよね。でも子ども服なら、サイズが小さいので、着なくなった大人の服からパーツを切り取って作ることができるのです。わざわざ生地を買わなくてもリメイクするような感覚で色々な種類が作れます。
これまで仕立ててきたものをいくつかをご紹介します。
トレーナー
大人のトレーナーを作りかえました
まずはトレーナー。大人用のトレーナーをベースに作り替えたものです。フードと袖のリブは、端切れ(他の服を作ったときの生地の余り)を合わせました。最後に、アイロンシートでくまちゃんを貼るだけでまるで既製品のような仕上がりに。
家庭用ミシンでも、ミシン針を「ニット用」に変えてやれば、ほつれやすい布端(ぬのはし。生地の端っこ)をジグザグ縫いにすることができます。
ショートパンツ
ジーパンの端切れで作ったショートパンツ
100サイズくらいまでなら、ズボンでもシャツでも古着から仕立てることができますが、120サイズを過ぎた頃から、生地が足りなくなることも……。
でも、ショートパンツくらいならパーツが細かいので140サイズでも端切れで十分作れてしまうんですよ。こちらのショートパンツは、パパ用に作ったジーパンの端切れのみで作りました。
キャミソール
キャミソール
女性用のスカートからキャミソールに作りかえるのもさほど難しくないので、おすすめです。
パンツ
大人のTシャツを仕立てた後の端切れで子ども用パンツを作りました。
Tシャツ
端切れを組み合わせて子ども用Tシャツも作ります。着なくなった大人の服の一部を切り取って、それを袖に使っても可愛く仕上がりします。
トランクス
我が家で端切れの有効活用といえばトランクス(笑)。色んな生地を組み合わせしやすいので、端切れ整理にもおすすめです。
自分用のシャツ
お次は、自分用。端切れのなかから、柔らかい生地を3種ほど組み合わせて、肌着にもノースリーブにもなるシャツを仕立てました。
人形のお洋服
こちらは娘の愛するぽぽちゃん人形たち。ぽぽちゃんたちが着ているお洋服もぜーんぶ端切れでできているんです。
好きが高じてマルシェに出店
7年の間に200枚以上の洋服を縫いました(笑)。独学ではじめた服作りでしたが、今では洋服やエプロンのオーダーや、年に数回のマルシェへの出店のお声がけをいただくようになりました。
好きなことを続けていると、その楽しさがまわりの人にも伝わって、自然と外へ出る機会が増えていくんですね。少しずつですが、布ナプキン(前回の記事参照)を愛用してくださる方が増え、最近ではさらに布ナプキンと一緒に締め付けの緩い女性用下着「ふんどしパンツ」(下の写真)もリクエストがあるとマルシェに並べます。
これらの布物に加えて、春先はハーブの苗、秋には麹屋さんから取り寄せた麹など、我が家の暮らしの一部をお裾分けするような気持ちで毎回マルシェを出店しています。
タイの山岳地帯で使っていた穀物袋でできた農作業バッグを真似て作りました。畑道具や水筒をこれに入れて畑に出かけ、帰りは今日の収穫物が入ります。
マルシェは井戸端会議の場所でもあります。お客さんの好きなことのお話を聞いたり、お互いの興味の話をしたり、こういう時間もいいものですね。
「好きな服、心地いいものを身につけて過ごすと元気が出るよ。」
「野菜を育ててみると、日々の変化が楽しくて毎日が潤うよ。」
「毎日の食卓に自家製のお味噌が加わると、食事がもっと楽しくなるよ。」
そんなお話をしながら、マルシェの時間を楽しんでいます。
次回は、石けん作りです。お楽しみに。
- 第1話(6月12日) 私のパーマカルチャー
- 第2話(6月26日) 極寒のマイホーム
- 第3話(7月10日) 雨漏りとペンキ塗り
- 第4話(7月24日) トイレを手作りする
- 第5話(8月21日) お風呂を手作りする
- 第6話(8月28日) 断熱のお話
- 第7話(9月18日) 我が家の電力自給
- 第8話(9月27日) 北海道大停電 頼りは太陽光発電と人のぬくもり
- 第9話(10月13日) 水を自給する
- 第10話(10月25日) 暖房を自給する(前編)
- 第11話(11月9日) 暖房を自給する(後編)
- 第12話(11月28日) スーパーで野菜を買わない実験
- 第13話(12月15日) みんなで畑づくり 柵の設置、定植
- 第14話(1月5日) ニワトリ小屋づくり(前編)
- 第15話(1月22日) ニワトリ小屋づくり(後編)
- 第16話(2月20日) 食の自給① 梅干し&納豆
- 第17話(2月29日) 食の自給② 麹、味噌、醤油
- 第18話(3月15日) 食の自給③ 冬を乗り切るための漬け物づくり
- 第19話(4月9日) 食の自給④ 薪ストーブを使ってつくる干し野菜&おやつ
- 第20話(5月16日) 服作り(前編)
- 第21話(6月24日) 服作り(後編)
- 第22話(9月13日) 石けん作り
- 第23話(10月予定) 暮らしから学ぶ
\祝単行本化!/
1年間にわたり現代農業WEBで連載してまいりました本連載が、単行本になりました!
北海道札幌市の山奥で「パーマカルチャー研究所」を運営。パーマカルチャーとは、持続可能な暮らしのこと。家族4人で自給自足の暮らしをしながら、その暮らしから得られたパーマカルチャー的価値観を伝えることを仕事としている。著書『北の国から 家族4人で幸せ自給生活』(農文協)が発売中。
(写真提供:金本綾子)
住まい・水・電気・薪・衣食までぜんぶ
三栗祐己・三栗沙恵 著
衣食住の生活技術や水・エネルギーの自給で、豊かで楽しい暮らし。プレハブの住まい、オフグリッド太陽光発電、薪ストーブ、野菜の貯蔵や保存食作り、衣類や石けんの手作りなど、「自給生活」を楽しむコツを大公開。