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【家族4人で幸せ自給生活】第15 話:ニワトリ小屋づくり(後編)―野生動物対策

北海道・三栗祐己

現代農業で2021年4月から1年間掲載されていた人気連載「北の国から、幸せ自給生活」が、新しい要素を盛りだくさんに加え、現代農業WEBで復活しました! 住まいや電気(太陽光発電)、水道などを自分たちで作りながら、働きすぎず、穏やかに豊かに暮らしている三栗さん一家のお話です。半月に1回お届けします。

生コン投入

ニワトリを野生動物から守る

いつもアドバイスをしてくださる山家さんによると、ニワトリは、とくに野生動物に襲われやすいとのこと。野生動物はニワトリをねらって、小屋のわずかな穴や、すき間から、地面を掘って侵入してきます。

前回のお話したとおり、我が家のニワトリ小屋はプレハブなので大丈夫だろうと思っていましたが、このプレハブは、よく見ると古いこともあって、床にはところどころ穴が。これでは安心してニワトリを迎えられません。そして、このような状況を見た、山家さんから、

「床をコンクリートにしてしまおう」

という提案をいただきました。確かにコンクリートがうってあれば、野生動物に侵入されることはありません。

山家さんに教えていただいた「コンクリート作戦」の大まかな手順は、以下の通りです。

① 腐りかけていた床板をすべて剥がす

まずは床板剥がしからです。床板は見た目以上に腐っていて、床の穴が空いたところに手を入れて持ち上げると、次々に簡単にはがれていき、あっという間に地面がむき出しになりました。

② 床に砂利を敷く

なぜ床に砂利を敷くかというと、投入するコンクリートの量を減らすためです。コンクリートは買わなくてはいけませんが、砂利は山家さんが敷地に保管してあるものをいただけました。

いつものように、重機を使って豪快な作業を行なう山家さん
いつものように、重機を使って豪快な作業を行なう山家さん。砂利をダンプに積み込む

豪快な(重機を使った)作業はここまで。ここからは、スコップで砂利をすくって小屋の中にひたすら敷き詰めていく、地味な作業です。全部で数百kgはあろうかという砂利を、ひたすらひたすら小屋の中に入れていきます。 汗だくになりながら、1時間以上かけて、ようやく砂利敷きが終わりました。

③ 床にコンクリートを流す

と、ここで山家さんから、新たな指示が……。

「いつも行っているホームセンターの隣に、生コン業者あっただろう。そこに頼んで、生コン運んできてもらってくれ」

えぇ!?

確かにそこに生コン業者がありますが、いかにもプロの土木業者の事務所といった感じで、素人が、注文できるのだろうか。不安でも行くしかないので、恐る恐るドアを開けて近くの人に話しかけてみました。

「すみません、生コンって、僕のような個人でも発注できるのでしょうか……?」

門前払いされることもなく、もしろ丁寧に対応していただき、無事、トラック1台分の生コンを注文できました。(料金は約15,000円でした)

コンクリートミキサー車がやって来た!

コンクリートミキサー車
やってきました!コンクリートミキサー車

よく見かける車ではありますが、いざ自分たちのために来てくれたと思うと、「本当にこんなことをしてよかったのか!?」と、ビビってしまいます。

小屋の窓を外して、コンクリートミキサー車をギリギリまで近づけます。

生コン投入
いざ、投入!生コン投入のようす
動画
【動画】窓から生コンを投入する

この動画は、一番最初に、少しだけ生コンを入れてみたときのものです。実際には、もっとドバドバと大量に流し込むので、顔にも生コンが飛び散ってきます。この生コンが固まる前に、急いで床全面に均等にならさなければなりません。

ちなみに、生コンの扱いは、一見簡単そうですが実際は相当重く、「ならす」という表現からは想像できないほどの重労働です。生コンをスコップですくって、小屋の隅々まで送っていき、最後はコテでならします。やっている時は大変でしたが、トータル30分ほどの作業で完了しました

無事、生コン投入完了-2
無事、生コンの投入完了

大量の砂を手作業で入れる

翌日、コンクリートが乾いて、頑丈な床が出来上がりました。これならばどうやっても野生動物は侵入できません。けれど、まだ作業は終わりではありません。ニワトリは、体をきれいにするために「砂浴び」をするのです。そこで、コンクリートの床の上に、さらに砂を敷くことになりました。

生コンを入れる前に砂利を敷いたときのように、今度は砂を手作業で床全面に敷いていきます。 小屋入口付近まではダンプで運搬してこれますが、ここからは手作業です。

砂運搬
砂を小屋の入口付近までダンプで運搬する。このあとは手作業となる……
砂まき
コンクリートの床の上に、さらに砂を敷く
砂まき
砂を均平にする

今回も1時間以上かかる作業でしたが、砂は、砂利やコンクリートに比べればよほど軽くて扱いやすく、雪かき程度の労力でした。

こうして完成したニワトリ小屋ですが、5年以上経った今にいたるまで、一度も野生動物に襲われたことはありません。

ニワトリ、ついにキター!

後日、20羽のニワトリをAさんのところから運んできて、小屋に放ちました!

わが家へ引っ越し直後のニワトリ
梅も梅酢もお天道様パワー充電。干すのは日中のみで丸3日(奥の梅は小梅を干したもの【合っていますか?】)

この動画では、引っ越し直後ということもあり落ち着かなかったのでしょうか、ニワトリが鳴きまくっているようすが写っています。その後はとてもおとなしくなりました。

この日は、息子と娘がニワトリをまだ見守っていたいと、まだトイレもない未完成の状態の家(プレハブ)にお泊りしたのでした。

そして、翌朝――

初タマゴ

初めてのタマゴ!
初めてのタマゴ!

キター! 初タマゴ、ゲーット。

大変な思いをして迎え入れたニワトリでしたが、この1個で全てが報われた気がしました。

こうして、ニワトリのいる我が家のパーマカルチャーライフが始まったのでした。

ニワトリ小屋掃除の話 by息子

(ここからは、息子のYが書いた文章です)

一夜漬け器(即席漬物器)
一夜漬け器(即席漬物器)

はじめまして、Yです。 お父さんから面白い手伝いを頼まれたのでご紹介します。

うちでは、ニワトリを20羽飼っていますが、その小屋を掃除するのが、結構大変なんです。

巣箱の上を掃除
まず、巣箱の上を掃除

掃除は、月に2〜3回くらい(もう少しやったほうがいいで、やるのは主にふん掃除です。

まず、巣箱の上からやります。ニワトリのフンが巣箱にくっついてるので、それをスコップではがしていきます。

その後、巣箱の中に敷いてある古いモミガラを捨て、新しいモミガラを入れます。

卵発見
掃除をしていると……卵ありましたー!
えさ
エサやり。野菜クズや配合飼料(トウモロコシ・魚粉)などをバランスよく毎日あたえる

最後は、床に落ちている羽根を片付け、エサをあげたら終了です。

ここまでやって、おおよそ30分くらいです。掃除は大変だけど、美味しい卵のため、ニワトリたちが快適に過ごせるようにこれからも頑張ります!

三栗祐己
三栗 祐己(みつくり ゆうき)

北海道札幌市の山奥で「パーマカルチャー研究所」を運営。パーマカルチャーとは、持続可能な暮らしのこと。家族4人で自給自足の暮らしをしながら、その暮らしから得られたパーマカルチャー的価値観を伝えることを仕事としている。(写真提供:金本綾子)

三栗さんも執筆している単行本「自分で地域で 手づくり防災術」が2023年11月1日に発行予定です!

自分で地域で 手づくり防災術

農文協 編

手づくり防災術とは、国や公共のインフラ(公助)に頼りすぎず、自給の力(自助)や地域の力(共助)で自然災害に備える工夫のこと。自然に逆らうのではなく、自然の力を生かしたり、回復させたりしながら災害を小さくする知恵や技が農村にはある。オフグリッドソーラーやロケットコンロによる小さいエネルギー自給や、スコップと草刈り鎌を使い空気と水の流れを回復させる「大地の再生」、水田の貯水機能を活かした「田んぼダム」、早期避難のための手づくり防災マップなど、土砂災害や豪雨災害、地震から地域を守る40のアイデアを収録。

↓こちらの本にも三栗さんの記事「オール電化から電力自給開始で、電気に愛着のある暮らし」が掲載されています。ぜひご覧下さい。

小さいエネルギーで暮らすコツ

太陽光・水力・薪&炭で、電気も熱も自分でつくる

農文協 編

輸入任せのエネルギー問題を再考!ミニ太陽光発電システムや庭先の小さい水路を使う電力自給、熱エネ自給が楽しめる手づくり薪ストーブなど、農家の痛快なエネルギー自給暮らしに学ぶ。写真・図解ページも充実。

パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン

ビル.モリソン 著
田口恒夫 訳
小祝慶子 訳

都市でも農村でも、自然力を活かして食物を自給し、災害に備える農的暮らしの環境調和型立体デザイン。農地、家まわりの土地利用、水利用、家屋の建て方まで具体的に解説。経営システム全体で環境への適応をめざす。

過去に月刊『現代農業』で連載された「北の国から、幸せ自給生活」は、「ルーラル電子図書館」でまとめて見ることができます。

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