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【農機のあるあるトラブル】第4話:トラックでの荷崩れ、荷滑り

群馬・久保田長武

 ふだん農機具を使っていて、ヒヤリとした体験はありませんか?農機は農家の手足ともいえる大事な道具。安全に、快適に、長く使いたいですよね。現代農業2019年から2年間にわたって連載され、好評だった「農機のあるあるトラブル」全17回分を、毎週一話ずつ期間限定で公開していきます。

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サイドミラーだけでは荷崩れに気付かない

 農作業中のヒヤリ・ハットでよく経験するのが「荷崩れ」や「荷滑り」です。

 パレットに大量に積んだ肥料などを、トラックで畑まで運搬する時は特に注意しています。肥料袋は積んだ時は整然としていますが、滑りやすい素材なので、移動中の横からの力と走行中の振動で簡単に崩れてゆきます。

 対策としては、ラップできつく巻いて、さらにトラックのフックにロープをかけて縛っています。それでも畑に着く頃には肥料の山が崩れてしまい、ヒヤッとしたという経験があります。

 従業員の方に肥料の運搬をお願いする時は、「サイドミラーで見て大丈夫でも、安全な場所があったら途中で一度車から降りて、目視で確認してください。もし少しでも異変を感じたらそのまま走らず、すぐに停車して縛り直してください」と伝えます。

 サイドミラーで見ただけでは形が崩れていなさそうでも、実際に車から降りて一周してみると、思わぬ方向にずれていたり、ロープが緩み始めていることがあります。長い距離を運搬する時は、何事もなくても中間地点で一度降りて安全確認するようにしています。

 万が一、交通量の多い交差点などで、鶏糞の袋が落ちて破けでもしたら悲惨です。片付けも大変だし、なにより後続車や歩行者にとって大変危険。停車して確認するのはほんの1~2分ですが、散乱した肥料の後始末となると、時間のロスは大きい。

「すぐそこまでだから、ゆっくり走れば大丈夫」なんて気が緩んだ時に、失敗が起きやすい気がします。

鉄コンテナは荷台で滑りやすい

 コンニャクを出荷するための、鉄製の1tのメッシュコンテナでも、ヒヤリ・ハットがありました。

 トラックの荷台は鉄製なので、鉄製の荷物を積んだ時は摩擦抵抗が少なくなり、とても滑りやすくなります。特に圃場の中は地面が軟らかいので、ブレーキを踏むとタイヤが埋まり、急ブレーキをかけたのと同じような状態になります。ハンドルを切った時も同じです。遠心力で外側のタイヤが沈み、舗装道路よりローリングが激しくなります。

 自分が就農したての頃、坂のある畑で作業していて、ブレーキをかけた途端、荷台の1tの鉄コンテナが滑り出し、運転席側まで滑ってきてガツンッとぶつかった時は、本当にヒヤリとしました。収穫中の人の上に危うく落ちそうになったこともあります。ハウスのパイプや単管など、金属の長い棒状の物を運ぶ時も注意が必要です。

 特に運転に慣れていない方が畑の中で運転すると、地面が軟らかい分、急発進や急ブレーキになりやすく危険です。

 よく縛ったつもりでも、後ろに滑っていったり、横に動いてしまうことも多くあります。やはりこまめに車から降りて、目視で状態を確認し、ロープが緩んだら縛り直すのがよいと思います。

*月刊『現代農業』2019年5月号(原題:トラックでの荷崩れ、荷滑り)より。情報は掲載時のものです。

【農機のあるあるトラブル】公開予定

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