メナモミという植物を知っていますか?オナモミに似たキク科の植物で、日本でも古くから利用されてきた薬草です。目指せ健康、メナモミスト!
愛知・森山祐喜子
薬草メナモミで肌がきれいになる
はじめまして。メナモミが大好きな自称「メナモミスト」森山祐喜子です。野菜を育て、ニワトリやヤギを飼って、小さな循環がある暮らしを実践しながら生活しています。
みなさんはメナモミという草をご存じでしょうか。動脈硬化や脳出血の予防、手足の麻痺などに効果があるといわれている薬草です。今回はそのメナモミを生活に取り入れている私の体験をご紹介します。
私には「草の師匠」が2人います。愛知県小牧市の草のパン屋・ソラミミパン店主・鈴木健二さん(2024年4月号p228など)と、NPO法人「薬草で飛騨を元気にする会」理事長の北平嗣二さんです。お二人とも、薬草博士・村上光太郎先生から直に受け継いだ薬草魂を胸に、薬草を楽しくわかりやすく私たち一般人に伝えてくれる方です。
私がメナモミと出合ったのは、2020年3月のことでした。友人に誘われて、ソラミミパンの「草ってる会」に参加。「草ってる会」とは、ソラミミパン定休日の毎週火曜日を草の日として、師匠の鈴木さん(私たちはニラさんと呼んでいます)の元に野草好きな弟子たちが集う会。村上先生の『食べる薬草事典』(農文協)などを道しるべに、メナモミを栽培したり、近場で野草を摘んだりして遊ぶという趣味の集まりです。そこで「畑があるなら自分でも育てるといいよ」とニラさんからタネをもらったのです。
「草ってる会」と並行して、野草の知識向上のために、その年の6月から薬草コンシェルジュ講座を受けに飛騨市古川町へ通い始めました。そこでメナモミとトマトを毎日食べて、肌がきれいになったおばあさんがいるという話を北平さんに教えてもらいました。
肌が明るく、日焼けしなくなった!
私も自分の身体で試してみようと思い、その日にさっそくメナモミの葉を摘んで、家で育てているトマトとハチミツと一緒にミキサーでスムージーにして飲んでみました。
苦みのあるメナモミですが、ハチミツと合わせると飲みやすく、おいしくなります。トマトは身体を冷ましてくれるので、暑い時期にピッタリで、その日から私のメナモミ・トマトスムージー生活が始まりました。
その年は畑だけでなく、外で野草を摘む時間が増え、太陽の光をいっぱい浴びて夏を過ごしました。スムージーを毎朝飲んで2カ月が経った頃、久しぶりに会った友人から「肌が前より明るく、白くなったね」と言われたのです。その頃から「毎日畑に行くのに日焼けしていないのはなぜ?」とよく聞かれるようになりました。自分では気が付かないうちに、肌がワントーン明るく、くすみやシミも気にならなくなっていたのです。思い当たるのはスムージーしかありません。
この4年間で周りの友人もこのスムージーを試してくれて、肌がきれいになるほかにも「眠りが深くなった」「片頭痛が改善された」「生理痛が軽くなった」など、うれしい感想をもらっています。
トマトとハチミツも肌にいい
このスムージーが美肌に導いてくれた理由を自分なりに考察してみました。
まずトマトについて。トマトのリコピンの抗酸化作用と、ビタミンCのおかげで、くすみ、シミのもとであるメラニン色素の沈着が抑えられます。コラーゲンの生成を促してお肌を整えてくれる効果もあるそうです。
次にハチミツ。ハチミツには優れた抗炎症作用があるようで、肌の炎症である日焼けを鎮静してくれます。また、新しい肌の細胞を生み出すことで肌を明るく健康的に保ってくれる効果もあるそうです。また、村上先生によると、メナモミの生葉はハチミツと合わせてペーストにすると、薬効が高まるのだそうです。
メナモミパワーで相乗効果!?
そしてメナモミ。メナモミは血液の流れをよくして代謝を上げます。紫外線に当たったり、代謝が促進されたりすると血液内に「活性酸素」というものがつくられます。これが過剰になると、細胞を傷つけてシミやシワが増えたり、免疫力が低下してしまったりするのですが、メナモミは、代謝をよくすると同時にこの活性酸素を除去する作用も持っているのです。つまり、「代謝アップで肌の細胞を更新」「活性酸素除去でシミやシワの原因に対抗」が同時に叶うのです。薬やサプリではこうはいきません。
というわけで、トマト、ハチミツ、メナモミにはそれぞれ単体でも美肌効果がありますが、三つを一緒にとることで相乗効果でより強く効果を実感できたのだと思います。メナモミの血液サラサラ・代謝促進効果で、トマトとハチミツの栄養素も身体の隅々まで届いたのではないでしょうか。まさに日焼け対策にピッタリな、美肌になれる最高の組み合わせです。
私は4年間、夏はこのスムージーのおかげで日焼け知らずです。身体の中から健康的に紫外線対策。本当におすすめです!
(愛知県岩倉市)
森山祐喜子さんが所属する「草ってる会」に関連した現代農業の過去の記事はこちらです📕
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