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【目からウロコ 果菜の作業コツのコツ 】Vo.8 液肥は濃いめのものを回数少なく

みなさん今シーズンの果菜の出来はいかがでしたか?いまごろは次期作の計画を立てているところでしょうか。さて、今回は、現代農業に2004年から14回にわたり連載した「果菜の作業コツのコツ」を週1回(全14回)期間限定でお届けします。キュウリの大産地、宮崎県の研究者だった著者の経験と観察、農家との付き合いの中でつかんだ果菜つくりの極意が満載です。

元宮崎県総合農業試験場・白木己歳

液肥は濃いめのものを回数少なく
液肥は濃いめのものを回数少なく

一〇〇〇倍では薄すぎる、三〇〇~五〇〇倍の濃いめを回数少なくかける

 前回の九月号では、床土の肥料は流れるのがあたりまえだから、安い床土を買って、液肥を上手に使おうと書いた。今回は次回とあわせてその液肥の上手な使い方について。

 苗に液肥をやるとき、何倍でかけるのがいちばんよいだろうか。厳密には製品の肥料(主にチッソ)の含有率で変わるのだが、多くの製品が一〇~一五%くらいのチッソ含有率におさまるので、どれも同程度の倍数で使用してよいし、実際、そうされている。筆者の知る限り、たいてい一〇〇〇倍で使用されている。しかし、充実した苗にするにはこれでは薄すぎる。

 一〇〇〇倍液の一l中のチッソは、含有率一〇%のものでは一〇〇mg、一五%のものでは一五〇mgになる。これは養液栽培で果菜を作るときにちょうどよいレベルである。つまり、根がしょっちゅう浸っている場合にちょうどよいレベルである。苗作りに引きつけると、一〇〇〇倍は水やりのたびにかけるのにちょうどよいレベルということになるが、水やりのたびに液肥をかけるのは手間である。

 しかも、手間のかからない自動の希釈装置を使ったとしても、液肥をかけたあとに葉水を打って葉上の液肥を洗う作業は欠かせない。葉に付いた液肥は乾燥すると濃くなり、葉の縁を傷めることがあるからだ。一〇〇〇倍液でもこの恐れはある。

 充実した苗にするためには、液肥は三〇〇~五〇〇倍で、これを水やりのたびでなく、ときどきかけるのがよい。

苗にかける液肥の倍率
苗にかける液肥の倍率

生育をいくぶん抑えて充実した苗に

 だから購入床土では、保証された肥料濃度がちょうどよくても途中で足りなくなる。特に、育苗期間が長くなるポット育苗でそうだ。育苗期間の短い播種用やセル用の床土の場合は、肥料が流れてしまう前に、必要な量をあらかた苗が吸い込むので、目立った問題は起こらない。しかし、肥料の効いたきりっとした苗にしようと思えば、これらの床土の場合も、肥料を補給して濃度が下がり過ぎないようにしたほうがよい。

濃いめの肥料濃度レベルで吸水と生育を抑える

(赤松富仁撮影)
(赤松富仁撮影)

 さて、土中の肥料濃度と生育の関係は、濃度が高いと生育が旺盛になり、低いと悪くなるという図式が定着している。このため、充実した苗にするには、肥料は少なめがいいように思いがちだ。しかし、少肥で充実した苗を得ることはできない。いっぽう、最も旺盛な生育をする濃度では、生育がよくて大きいだけという苗になってしまう。

 充実した苗にするための濃度レベルは、最も旺盛な生育をする濃度よりちょっと高いところにある。そのレベルでは苗の吸水が抑えられ、生育も抑えられる。その結果、肥料の効いた充実した苗にすることができる。三〇〇~五〇〇倍の液肥をときどきかけることでこのレベルにもっていくことができるのである。キュウリはとくにこの傾向が強い。

 イチゴのように育苗後半に葉内のチッソ濃度を落とさなければならない品目の場合でも、草姿は充実させる必要があり、育苗前半は三〇〇~五〇〇倍の液肥で育てるのがよい。

1000倍は肥料的効果が低いうえに地上部の葉水も必要
1000倍は肥料的効果が低いうえに地上部の葉水も必要

*月刊『現代農業』2004 年11月号(原題:液肥は濃いめのものを回数少なく)より。情報は掲載時のものです。

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