連載記事一覧 栽培のコツ 果菜の作業コツのコツ 【目からウロコ 果菜の作業コツのコツ 】Vo.1 ナス類はバラまきでも大丈夫! 2022-12-01 元宮崎県総合農業試験場・白木己歳 みなさん、今年の果菜の出来はいかがでしたか?いまごろは次期作の計画を立てているところでしょうか。さて、今回は、現代農業に2004年から14回にわたり連載した人気連載「果菜の作業コツのコツ」を週1回(全14回)期間限定でお届けします。キュウリの大産地、宮崎県の研究者だった著者の経験と観察、農家との付き合いの中でつかんだ果菜つくりの極意が満載です。ぜひご覧ください。 並べまきは面倒だ 果菜のタネを箱にまく場合、きちんと並べるのが普通になっているが、どの品目もそうする必要はない。バラまきでよい品目もある。 そもそもタネを並べる理由は、発芽をそろえるためである。かたまってまかれた場所ができると、光が十分当たらない苗がでてふぞろいになってしまうので、間隔をちゃんととっておこうということである。だから、かたまらないようにまくことさえできれば、特に並べる必要はなく、バラまきでよい(下図)。 ナス類はバラまきで省力を、ウリ類はきちんと並べ てまく ナス類は、もしかたまっても陰になりにくい バラまきのしやすさは品目で差がある。ナス類(ナス科)のトマト、ピーマン、ナスなどはやりやすく、ウリ類(ウリ科)のキュウリやメロンはむずかしい。 ナス類の小さな丸っこいタネは指先で扱いやすく、かたまらないようにバラまくコツがつかみやすい(写真)。もしタネのかたまった場所が少しぐらいできても、まき箱の中で過ごす期間のナス類の苗は小さく、気になるほど陰になることはない。それに何といっても、ナス類の小さなタネを並べてまくのは労力を食う。ナス類はぜひ、バラまきに切り替えてこの労力を省くべきだ。 ナス類は簡単、ラクなバラまきで大丈夫 ピーマンバラまき(200粒まき) いっぽう、キュウリやメロンのタネは、大きいうえに細長く、しかもスベスベしているので手先であやつりにくく、バラまきがむずかしい。それに、ウリ類は発芽後の生長が早く、箱の中で過ごす期間にかなり大きくなるので、タネがかたまる場所を作るわけにはいかない。だから、並べてまく方法が主流になる。ただしウリ類であっても、ひところのカンピョウのように、発芽勢のとぼしい種類をまく場合や、発芽率の低下が予想される古ダネをまくときにはバラまきがよい。せっかく並べてまいても、並んで発芽してこないので意味がないからである。 ウリ類は、やっぱり並べてまいたほうがいい カボチャを並べて70粒まきしたところ タネを数えないでまく方法 さて、バラまきする場合の一箱当たりのタネの数は、並べてまく場合と同じである。しかし、いちいち数えていたのでは手間がかかる。そこで、最初の一箱分だけを数え、その盛りの大きさにならって他の箱もまけばいいだろう。あるいは、袋に入っている粒数がはっきりしている場合、いったん全部を袋から出し、めざす粒数になるように大まかに分けるのがよい。たとえば一箱に二〇〇粒まきたいとき、一〇〇〇粒入りの袋なら、大まかに五分の一に分けるのである。 *月刊『現代農業』2004 年1月号(原題:ナス類はバラまきでも大丈夫!)より。情報は掲載時のものです。 【果菜の作業コツのコツ】公開予定 ナス類はバラまきでも大丈夫! 12月1日ウリ類は列をそろえてタネをまく 12月8日(公開終了)まき箱での湿害の防ぎ方 12月15日(公開終了)かん水のハス口は上向きか、下向きか 12月22日(公開終了)苗に水を均一にかけるには? 12月29日(公開終了)ポット床土の土粒は不均一がいい 1月5日(公開終了)床土の肥料は流れるのがあたりまえ 1月12日(公開終了)液肥は濃いめのものを回数少なく 1月19日(公開終了)液肥は播種時にかけるべし 1月26日(公開終了)接ぎ木直後はしおれたほうがいい 2月2日(公開終了)断根接ぎ木は当日までの天気で決まる 2月9日(公開終了)鉢上げは苗を寝かせろ 2月16日(公開終了)「よい苗」はポットとセルではちがう 2月23日(公開終了)定植後からの防除では遅すぎる!(最終回) 3月9日 農業情報サイト「ルーラル電子図書館」個人会員の方は、全話を【閲覧期限無し・まとめて】お読みいただけます。≪果菜の作業コツのコツ(準備中)≫ ★お申込みは田舎の本屋さんより受付中!期間限定で、お得な「現代農業」セットプランを販売中! ★いきなり申し込まずにまずは試したい…という方は、「ルーラル電子図書館 無料お試し版」がオススメ!利用開始より期間は3日間、30ページ(30ポイント)まで無料でご覧いただけます。契約の自動更新はありません。 \\詳しいご説明はコチラ// Tags: 果菜, 果菜、白木己歳、ナス類