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2023年3月号の読みどころ案内

特集

土壌診断が楽しくなる

今さら聞けない pHと石灰の話

肥料の値上がりが止まりません。ムダな肥料を減らすため、土壌診断を受ける農家が増えているようです。そこで、今回は土壌診断の初歩の初歩。土づくりでまず最初にチェックしければならない、pHにテーマを絞ってみました。

pHは誰でも手軽に測れる

まず、pH5とpH6の差ってどんなものでしょう? 数字が1違うだけで、たいして変わらないように思えますが、土中の根っこにとっては劇的な違いがあるみたいです。3月号ではこれを図解でわかりやすく解説しました。pHは誰でも手軽に測れる土壌診断項目です。小学生の頃に使ったリトマス試験紙、あれです。水溶液に浸けて、赤になれば酸性、青ならアルカリ性。それをもうちょっと詳しく、pH5.5とか6.0とか、およその数値がわかる簡易pH計がかなり使えます。三重の吉川文さんは、黒ボク土でホウレンソウや西洋野菜がなかなか育たなかった畑の改善に成功、測り方の実際も紹介してくれました。吉川さんのおすすめは農業用に開発されたキット「みどりくん」(チッソやリン酸、カリも測れる)ですが、その他、編集部でも市販の簡易pH計の種類を調べ、使い方のコツをメーカーの担当者に聞いてみました。

土壌診断
土壌診断キット「みどりくん」で測るようす

必ずしも「その作物に最適なpHならば安心」というわけではない

pHが整っていないと、肥料が吸われにくくなります。例えば、酸性が強いとチッソ、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウムといった主要な肥料分の吸収が悪くなり、アルカリ性で鉄やマンガン、ホウ素などの微量要素欠乏が起こることがあります。そのことをハウスのアスパラ栽培でもろに経験した中尾太輔さんの失敗談も併せてご覧ください。中尾さんは現在、苦土石灰の追肥でpHを調整していますが、「pHが下がり出すと、秀品率が上がる」と実感されています。カルシウムが順調に吸収されている証拠であり、必ずしも好適pHが維持されていれば安心、というわけでもないのですね。

土壌や資材の種類によって適正な投入量がある

石灰質資材
石灰質資材にはたくさんの種類がある。それぞれ特徴があるので、上手に使い分けたい(現代農業2023年3月号より「代表的な石灰資材の特徴」)

pH調整に関わる石灰の投入量についても、興味深いです。今号では土壌診断に基づく投入量の計算方法も紹介していますが、一般に強酸性だからといって、一気に大量投入すると土壌団粒が壊れて土が硬くなったりする弊害があるので、厳に慎むようにいわれています。土壌や資材の種類によって、適正な投入量があるのです。ただ、土の「緩衝能」といわれる固有の力を徹底的に調べることによって、一度に大量投入し、たったの一作で改善して味も抜群の野菜を収穫している事例も紹介しています。

春からの農繁期を前に、もう一度土づくりの基礎を見直してみませんか?

この他、2023年3月号は、以下の記事などがございます。ぜひ本誌をご覧ください。

野菜・花コーナー「極上トルコギキョウの水やりの極意」(兵頭衛)より
野菜・花コーナー「極上トルコギキョウの水やりの極意」(兵頭衛)より

【稲作・水田活用】 注目度上昇! 温湯処理をバッチリ決める
【野菜・花】 極上トルコギキョウの水やりの極意
【果樹】 ナシ 老木でも3tとれるナシづくり 圧巻の成りっぷりを見た
【山・特産】 ピーカンナッツ、またの名をペカン、全国でつくれるよ
【畜産】 発情発見、人工授精、分娩介助…… スタッフ全員で牛の観察力を磨くには?
【くらし・経営・地域】 春いちばん 梅の花で楽しむ

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