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〈ジャガイモ〉北の大規模多品種農家より 消費者・バイヤー・農家が 求める3品種

現代農業2023年2月号の巻頭特集「ジャガイモ&サツマイモ」の中から、編集部イチオシの記事を公開します。北海道で46種のジャガイモをつくりこなす高橋さんが、今後期待できる3品種を紹介する記事です。ご覧ください。

北海道・高橋朋一

2019 年に栽培した約50 品種の種イモ。この年は4 日間で6ha に植え付けた
2019 年に栽培した約50 品種の種イモ。この年は4 日間で6ha に植え付けた
コロナ前の展示会でズラリ72 品種を並べた
コロナ前の展示会でズラリ72 品種を並べた。通りかかる人みな足を止め、1 日40 人5 日で約200人のバイヤーと商談。うち1 割ほど成立した

 私は北海道の道北、剣淵町で多品種のジャガイモを栽培・販売しています。約15年前から多品種栽培にハマっています。国内で流通する品種は約80種といわれるなか、これまで仲間3人でのべ72品種を栽培。現在は、どれもがナンバーワンプレーヤーになれる46品種に数を絞っています。

個性派のニーズが高まる

軽トラマルシェ
軽トラマルシェでは栽培したイモ品種をすべて並べる。コロナ前は年間20 回ほ ど開いていたが、現在は1、2 回

 私が多品種栽培を始めた理由は、市場開拓へのチャレンジでした。ジャガイモといえば男爵、メークイン。消費者の頭に浮かぶ、その他の品種は5品種程度ではないでしょうか。そもそも、スーパーで流通しているのも15品種ほど。でも、おいしい品種はまだまだあるんです。
 流通量の少ない個性派品種は価格が高く、平時はなかなか売れません。しかし近年、ジャガイモ価格の高騰が数年に一度来ています。価格差が縮まり、ここぞとばかりに個性派品種を取り扱うバイヤーさんが増えていると感じます。私たちが直接販売する軽トラマルシェ(2020年2月号p34)でも、初めて見た品種に感動し、多品種を購入する方が増えてきています。
 ただし、おいしくても栽培が難しい、棚もちが悪い、値段が高いとなるとなかなか需要は増えません。消費者には、おいしくて、調理が簡単で、煮崩れしにくくどんな料理にも使えるもの。バイヤーには、貯蔵性が高く、ある程度安価で販売でき、付加価値をつけられるもの。生産現場では収量性が高く、容易で安定的に栽培できるものが求められます。
 これらの観点から、今後期待できる3品種をご紹介したいと思います。

貯蔵で甘みがのる「きたかむい」

きたかむい
きたかむい

 10年に品種登録。形が丸く、味がよく、肥大性も高いので、収量性が抜群。シストセンチュウ抵抗性もあり、私の圃場でも年々栽培量が増えています。ただし、大きくなりすぎるので、栽培には早めの茎葉処理(収穫前にチョッパーで細断)が必要です。
 味は男爵ほどホクホクしていませんが、貯蔵により糖化が進み、甘みがのる品種です。

男爵・メークインのいいとこどり「ピルカ」

 栽培も難しくなく、収量性がとても高いうえ、芽の動きが遅く棚もちもよい。私のイチオシの品種です。芽の数が少ないので、浴光育芽(強い光と低温に当てて芽の生長を抑制し、出芽揃いをよくする)はしっかりしたほうがよいでしょう。

どんな料理にも相性よし「シンシア」

シンシア
シンシア

 「シンシア」は03年に品種登録。近年スーパーで見かけるようにもなりましたが、とにかくどんな料理にも相性がよく、貯蔵性も高いため流通向きの品種です。シストセンチュウの抵抗性がないのは残念ですが、収量性がとても高く種イモも出回っており使い勝手もよいので消費者ニーズは増えると思います。
(北海道剣淵町)

この記事のほか、2023年2月号では農家イチオシの色品種、人気急上昇品種「サッシー」、全国の在来種についての記事も掲載しています。ぜひ本誌でご覧ください。

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