日本の発酵食品にこうじは欠かせません。こうじと米があればなんでもできる。それなのに今の日本人は米を食べない。米をつくる農家もどんどん減っている。それに比例して小麦アレルギー、不妊、ガン、鬱など身体の不調に悩む人はどんどん増えています。
みんなにもっと米を食べてほしい。こうじのすばらしさを知ってほしいーーそんな思いが募るなか、パンづくりを学びに来た人が自家製酵母づくりや味噌づくりにハマり、発酵を日常に取り入れ始めています。
そしてじつはドブロクを本格的に醸したがっている人も多く、昨春より、ついに地元で「どぶろくを醸す会」を開催。初回から農家の娘さんや子育てママがたくさん集まりました( 2022年7月号p222)。
ドブロクは、同じ日に同じ場所、同じ材料で仕込んでも、おのおの持ち帰ったものがみんな同じ味になることはありません。すごく甘くなる、辛口になる、旨みがすごい、酸味が強い……などなど、まったく違うドブロクができあがります。
ドブロクを醸す会では毎回「どぶりんぴっく」なるものも開催し、前回仕込んだドブロクや、あらかじめドブロク経験者が仕込んだものを持ち寄って、みんなで飲み比べをします。初めて参加する方は、人によってこんなにも味が変わることにびっくりされています。先日は「持ち帰ったドブロクを混ぜるとき道具を消毒するのが面倒で、毎日素手で混ぜちゃった」という人のドブロクを飲ませてもらった、すごくおいしかった!今度試してみます。だから、ドブロクはおもしろい。