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ホーム » くらし記事一覧 » 農家直伝!びっくり料理 » 「どぶろくを醸す会」が大盛況

この記事は、現代農業2023年1月号の特集「今、ドブロクがアツい」から選んだ試し読みです。千葉でパンや味噌づくりなどの発酵教室を主宰する、千葉みずたまさん(仮名)によるドブロクづくりを一部公開します。

千葉・千葉みずたま

「どぶろくを醸す会」で、蒸した米をゴザ に広げて冷ましてい る様子。この後こうじと混ぜ合わせる

パン教室を入り口に

 はじめまして。千葉みずたま(仮名)と申します。私は千葉県で、パンや味噌づくりなどの発酵教室を主宰しています。

 私の生まれた家は専業農家で、幼い頃から畑や田んぼが遊び場でした。父の代になってからは有機野菜を東京へ出荷していました。妹の小児喘息がきっかけで両親が玄米食を始め、私も高校生の時に父の縁でマクロビオティック料理を学びました。結婚し子供ができると、まわりにアレルギーやアトピーの子が多く、何か自分にできることはないかと考え、発酵教室を始めました。

 いきなり「発酵」といってもハードルが高いので、まずは入り口として自家製酵母のパン教室を開催したところ、子育て中のママたちに「卵・乳製品を使わなくてもおいしい」「子育て中でも続けられるほど簡単」と大好評。パン教室は今年で8年目。今では
市内の小中学校で子供たちとパンづくりを通して食の大切さ、発酵の不思議をお伝えしています。
 この「おいしい」「簡単」なパンづくりに欠かせないのが、ドブロクです。

ご飯&こうじの酵母液が最強

 ドブロクは、物心ついた頃から父が趣味でつくっていましたが、興味を持ったのは私自身が自家製酵母パンをつくり始めてからです。

 自家製酵母は果物やレーズンから起こすやり方が主流ですが、パン生地をうまく発酵させるにはいったん「中種」をつくるなどの手間がいる、万人が使うには難しいと感じていました。


 ところがドブロクを使ってみると、材料に直接混ぜるだけで簡単にパンの膨らみがよくなり、旨みが増してバツグンにおいしくなることを知り、発酵がますます楽しくなりました。こうじの力はすごい! この方法なら教室ができる!と思い立ったわけです。教室では「空きビンに、子供が一口食べ残したご飯(カピカピでもいい)と、一つかみのこうじ、水を入れておけば、酵母液ができますよ。ときどき材料を足してください」と伝えています。(筆者のドブロクのつくり方は本誌で紹介しています。)

みんな醸したがっている

 日本の発酵食品にこうじは欠かせません。こうじと米があればなんでもできる。それなのに今の日本人は米を食べない。米をつくる農家もどんどん減っている。それに比例して小麦アレルギー、不妊、ガン、鬱など身体の不調に悩む人はどんどん増えています。
 
 みんなにもっと米を食べてほしい。こうじのすばらしさを知ってほしいーーそんな思いが募るなか、パンづくりを学びに来た人が自家製酵母づくりや味噌づくりにハマり、発酵を日常に取り入れ始めています。
 
 そしてじつはドブロクを本格的に醸したがっている人も多く、昨春より、ついに地元で「どぶろくを醸す会」を開催。初回から農家の娘さんや子育てママがたくさん集まりました(2022年7月号p222)。
 
 ドブロクは、同じ日に同じ場所、同じ材料で仕込んでも、おのおの持ち帰ったものがみんな同じ味になることはありません。すごく甘くなる、辛口になる、旨みがすごい、酸味が強い……などなど、まったく違うドブロクができあがります。
 日本の発酵食品にこうじは欠かせません。こうじと米があればなんでもできる。それなのに今の日本人は米を食べない。米をつくる農家もどんどん減っている。それに比例して小麦アレルギー、不妊、ガン、鬱など身体の不調に悩む人はどんどん増えています。

 みんなにもっと米を食べてほしい。こうじのすばらしさを知ってほしいーーそんな思いが募るなか、パンづくりを学びに来た人が自家製酵母づくりや味噌づくりにハマり、発酵を日常に取り入れ始めています。

 そしてじつはドブロクを本格的に醸したがっている人も多く、昨春より、ついに地元で「どぶろくを醸す会」を開催。初回から農家の娘さんや子育てママがたくさん集まりました( 2022年7月号p222)。

 ドブロクは、同じ日に同じ場所、同じ材料で仕込んでも、おのおの持ち帰ったものがみんな同じ味になることはありません。すごく甘くなる、辛口になる、旨みがすごい、酸味が強い……などなど、まったく違うドブロクができあがります。

 ドブロクを醸す会では毎回「どぶりんぴっく」なるものも開催し、前回仕込んだドブロクや、あらかじめドブロク経験者が仕込んだものを持ち寄って、みんなで飲み比べをします。初めて参加する方は、人によってこんなにも味が変わることにびっくりされています。先日は「持ち帰ったドブロクを混ぜるとき道具を消毒するのが面倒で、毎日素手で混ぜちゃった」という人のドブロクを飲ませてもらった、すごくおいしかった!今度試してみます。だから、ドブロクはおもしろい。
「どぶりんぴっく」で飲み比べ。1 番人気の ドブロクをモトに使うこともある

保温バッグでこうじづくり

 ドブロクをつくったら当然、こうじづくりにもみなさん興味が湧きます。そこでーー・・・

この記事のほか、2023年1月号ではドブロクがよくわかる以下の記事も掲載しています。

  • なぜ自分で酒をつくってはいけないの? 三木義一
  • 飲んで素肌美人、浸かってあったか ドブロクは最高の発酵食品! 今西美穂
  • お手軽版 ドブロクのつくり方
  • これぞ農家のドブロク 珠玉の工夫集
  • 世の中では、ドブロク愛、上昇中 山口・右田圭司さん
  • あわせて読みたい ドブロクの指南書ここにあり

ぜひ本誌でご覧ください。

農家が教える どぶろくのつくり方

農文協 編

「どぶろくの農文協」がお届けする、どぶろく、ワイン、ビール、焼酎など、秋の稔りをさらに楽しく彩る自家醸造のすべて!麹づくり、もとつくり、仕込みの技のいろいろ、酒粕の活用法までを集大成。月刊『現代農業』をベースに、「聞き書 日本の食生活全集」、「食品加工総覧」から選りすぐりの記事を収録。

趣味の酒つくり

笹野好太郎 著

1982年刊の名著復活。ほんものの酒を手造りで楽しむ。蜂蜜酒など入門編からワイン・ビール・濁酒・清酒など中級編、ブランデー・焼酎・ウオツカなど高級編まで、造り方の実際を図解・写真を豊富に使った決定版。

諸国ドブロク宝典

貝原浩 編著

1989年、1998年刊行の名著を合わせて復活。全国各地に伝わるドブロクつくりの秘伝を訪ねて3年、その後も国内海外の様々な手づくり酒の取材を加えて、酒を肴に現地の人びととの交流も綴った痛快な図解文集。