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〔耕すのやーめた!〕時代は不耕起、物価高騰にも異常気象にもビクともしない

現代農業2023年1月号の特集「時代は浅耕・不耕起へ」の中から、編集部イチオシの記事を2本公開します。こちらは、東京都小笠原村で不耕起栽培に取り組む森本さんの、畑を耕さなくなったきっかけとその実際についての記事です。

東京・森本かおり

畑が粘土質で、ドロドロ、カチカチ

 先代の後を継いで、小笠原で本格的に専業農家を始めたのが1996年。当初は慣行栽培でした。先代の森本智道がやっていた通り、年に1回、1m以上伸びた雑草や幼木を湿地用ブルドーザーで掘り起こし、埋めていました。

 小笠原の土壌は、雨が降ると作業機が身動きできなくなるほど粘土質。乾くとロータリが跳ね飛ぶくらいカチカチです。亜熱帯ゆえに有機物がすぐに分解して、1年に1回の補給では間に合いません。堆肥を購入すると、とんでもない経費がかかります。

 畑を起こすための重機は、ブルドーザーを1台とバックホーをそれぞれ大小2台所有。もちろん、化学農薬と化学肥料も普通に使用していました。

耕すのやーめた!

耕すことに胸が痛む

 それでも、土壌改良のために有機物を入れて、少しずつ努力してきました。村や都の作業で出る刈り草やせん定枝チップを畑に敷き詰めたのです。分解した有機物を耕耘機ですき込む作業を繰り返しました。堆肥も油粕や鶏糞とともにすき込みました。赤かった土壌が黒々としてきて、土が団粒化。

 ただ、耕耘するたびに、せっかく増えたミミズがかわいそうなぐらいちぎれてしまいます。キノコの菌糸もバラバラに切断してしまい、胸が痛みます。年とともに作業がきつくなり、体力も限界!

 しかし、雑草を根絶やしにしなくては、作物の生長が悪くなると思い込んでいたので、耕耘はなかなかやめられません。端から端までせっせと耕して、ウネ立てをしていました。

思いきって、全部不耕起

 小笠原は10月から耕耘作業を開始し、露地野菜の農繁期が翌年の6月まで続きます。トマトやセロリ、トウモロコシ、インゲンなども冬期に露地で栽培できます。しかし、耕耘時期に雨がよく降るのです!

 豪雨のあとはひどいと10日間、畑に入れません。播種や定植が大幅に遅れることも多々ありました。条件が悪いなかで、無理やり耕耘、ウネ立て、植え付けをするのは重労働で、通路に板を並べて作業したこともあります。

 ある年、どうしても耕耘できず、苗が徒長してしまいました。仕方がないので、ウネに穴をあけて、苗をポイッと放り込んで植え付けましたが、耕耘したウネとなんら変わらず収穫できたのです。ブロッコリーでした。それまでも収穫の終わったセロリの株間にエダマメを直播していました。タネ播きだけでなく、苗の植え付けでも、不耕起で大丈夫かも、と思うようになったのです。

セロリを定植しているところ。
セロリを定植しているところ。移植ゴテで穴を掘り、苗をポトンと落とし、土を寄せてしっかり押さえる。大雨が降った直後なのに、水たまりができていない

 さすがに全面積(30a)で不耕起をやる勇気はなく、徐々に広げていきました。そして2022年、思いきって、すべての畑で「耕すのをやめちゃおう」と決めました。

不耕起栽培のセロリ

有機物マルチで草抑え

 不耕起の場合、肥料や堆肥はすき込みません。株間や条間に配合肥料をポンと置き、その上に堆肥をのせて、刈り草や木材チップなどでマルチします。

 木材チップは分解に・・・

この記事の続きは2023年1月号をご覧ください

楽々ズボラ菜園 コツのコツ

南洋 著

耕さず、土つくりはミミズや微生物パワーをフル稼働させる三層マルチ、果菜もペットボトルキャップの直まき栽培、病害虫はべたがけや植物エキスなどで忌避作戦、これなら金かけず無理、無駄せずに楽々悠々栽培。

これならできる!自然菜園

竹内孝功 著

家庭菜園では、無農薬・無化学肥料の有機栽培から、無農薬はもちろんのこと耕さず除草せず肥料もやらない、自然の理にかなった自然農や自然農法による栽培法に関心が高まっている。著者は自然農法や自然農、十草農業に学び、草は野菜が自立するまで刈って敷く草マルチ法、草に負けない野菜の根に根性をつける種まき・定植・水やり・施肥法、通路には緑肥をまいて草マルチに、コンパニオンプランツとの混植・輪作、生える草の種類から土のステージを判断した適地適作など、だれにもできる野菜37種の自然共存型の自然栽培法を提唱する。