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干しイモのような焼きイモ? 規格外のイモも「アグリいもっこ」に

愛媛県・野田文子

焼きイモの写真

干しイモ作りは手間がネック

 町内の農家の母ちゃん20人ほどが集まり、2001年に発足したのが、加工グループ「内子アグリベンチャー21」です。さまざまな農産加工に取り組み、道の駅にある直売所で販売したり、農家レストランを運営したりしています。

 グループには菓子部、製麺部、惣菜部、素材部の4部門があります。私は素材部で、直売所に出荷されるさまざまな素材を使った加工品開発に取り組んできました。サツマイモの加工品は、最初に天日干しでの干しイモ作りに挑戦しました。ただ、干している間の虫よけやイタズラをする猫よけの手間がたいへんで、他の加工作業と一緒に取り組むには向いていませんでした。

オーブンを使って短時間で作れる

著者
アグリいもっこを作る筆者。使うイモの品種はさまざま

 そこで考えたのが茹でたイモを焼きイモにする「アグリいもっこ」です。作り方は次ページのとおり。外はパリッとしながら中はしっとり、干しイモのような焼きイモになります。

 普通の焼きイモは熱々でないとお客さんには喜ばれず、冷めてしまうと売れなくなってしまいますが、アグリいもっこは冷めてもおいしく食べられるので、販売しやすい。また、オーブンで短時間焼き上げるだけなので、他の加工作業と並行して作れます。値段は1袋(200g)税込300円。これが女性や子ども、お年寄りまで幅広い世代に喜ばれるヒット商品となりました。

時給もアップ、やる気もアップ

 今では、地域の農家にアグリいもっこ用にサツマイモを1tほど栽培してもらい、全量買い上げています。また、直売所で売れ残りがちな大きすぎるイモも、1kg120円で買い取って材料にしています。毎年9月頃から作り始め、年内に使う分のイモは倉庫で保管しますが、それ以外は悪くならないようにモミガラに埋めて保管します。

 以前は売り上げ不足で苦しんでいた素材部でしたが、アグリいもっこのおかげで採算が見込めるようになり、スタッフの時給も100円アップ。少しでしたが昨年はボーナスも払うことができました。毎日の売り上げ報告を聞くのも楽しくなり、農産加工へのやる気がますますわいています。

アグリいもっこの作り方

*月刊『現代農業』2020年12月号(原題:干しイモのような焼きイモ? 規格外のイモも「アグリいもっこ」に)より。情報は掲載時のものです。