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くん炭を株元にたっぷりまいたらアブラムシが激減

滋賀・冨永篤史

筆者(41歳)。野菜はタンニン鉄栽培(現代農業2022年10月号p159)(依田賢吾撮影、以下Y)

 2017年に就農し、田んぼや耕作放棄地を徐々に畑地化してきました。現在、2haほどで野菜や野菜苗をつくり、地元の直売所や飲食店へ卸しつつ、移動販売車で引き売りをしています。

アブラムシで全滅することも……

 就農当初は、アブラナ科の野菜やレタス類の生育初期に、アブラムシなどの害虫がたくさん発生していました。小さいので防虫ネットを張っても侵入は防げず、野菜の生育が悪くなったり、ひどい場合には全滅したりと、毎作悩んでいました。

 そんな折、『現代農業』18年1月号の特集で「モミガラくん炭の独特のニオイを嫌って、アブラムシが寄ってこない」と書かれていました。「これや!」と思い、さっそく苗の定植時に株元へくん炭をまきましたが……、とくに効果は感じられませんでした。というのも、当初は知り合いからくん炭を購入していて、コストを考えるとたくさんは使えず、株元にちょろっとまく程度でした。

くん炭で被害が1、2割に

 自分で大量に作って使えるように、20年にくん炭製造器を導入。それからは、下の写真(右)のように株元にたっぷりとまけるようになりました。すると、あら不思議。あんなにひどかったアブラムシたちは、それ以降はほとんど見かけなくなりました。

写真左:くん炭製造器導入前に、株元にまいていたくん炭の量。少ないのでアブラムシよけの効果がなかった(写真はレタス)
写真右:くん炭製造器導入後。マルチの上に載るほど、たっぷりとくん炭をまく

 まれに生育途中の野菜についていますが(チッソ過多のせい?)、生育初期の被害は激減。たとえばケールの場合、以前は7割近くアブラムシにやられていましたが、今では多くても1、2割の被害で済んでいます。

育苗時や作付け前の圃場にもいい

 現在、くん炭は苗の定植時だけでなく、育苗時や作付け前の圃場にも使っています。それぞれの使い方と実感している効果についてまとめました。

 

▼育苗時

 床土を作る際は、タネ播き培土1袋(40L)に対して1割ほどくん炭を混ぜます。くん炭の量がそれ以上だと、育苗後半で肥切れが発生して苗が弱ってしまうので注意が必要。

 くん炭は、覆土としても使います。以前はバーミキュライトを半分ほど混ぜていましたが、コスト削減のために今年の春からは100%くん炭にしました。

 床土にくん炭を混ぜることで、茎が太くて根張りのいい、ガッチリした野菜苗がつくれている気がします。試しにペーパーポットから苗を抜いてみると、ポットの形のまま土が崩れないので、たくさん伸びた根が土をつかんでいることがわかります。

 また、くん炭覆土のおかげで発芽も良好。冬場や春先など気温が低い時期でも表面から太陽熱を吸収し、地温を保ってくれます。面白いことに病気も一切発生しないので、安心して苗をつくれます。

 

▼作付け前の圃場

 有機物の補給と土壌改良を目的として、作付け前の圃場にもくん炭をまきます。反当1000〜2000Lほどまいてからトラクタで耕耘し、ウネを立ててマルチを張ります。とくに、新しく手に入れた水稲からの転作畑や耕作放棄地には、少なくとも2000L以上はまくようにしています。

 

▼定植時

 定植後は、すべての野菜の株元にくん炭をひとつかみまきます。株元にまくことで、アブラムシに対する忌避効果はかなりあります。定植直後に寄せ付けなければ、その後の生育は間違いなくよくなります。

 私の場合、くん炭をまいたらすぐ・・・

この記事の続きは2022年12月号をご覧ください

現代農業 2017年6月号

農文協 編

特集:減農薬大特集 アブラムシかしこく叩く/系統を知ってピシャっと効かせる ローテーション防除/農薬を上手に混ぜて効かせる ほか

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p90『モミガラくん炭でアブラムシが寄ってこない

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