栽培のコツ 2022年 1月号 野菜・草花 カラスウリから酵母菌を、ムギワラから納豆菌を採る 2021-11-29 佐賀県唐津市・ラマ カンチャさん 手に持っているのはカラスウリ(写真はすべて赤松富仁撮影) ネパール生まれの39歳。2007年、経済を学ぶために来日。2013年、奥さんの出身地である佐賀県唐津市に移住。その後、農業を始め、現在はトマト60a、イチゴ60a、アスパラ20a、ミカン80aを減農薬・減化学肥料栽培。『現代農業』2021年10月号「有機農業ってなに?」特集にも登場。 ネパール出身で、今は日本で農業をしているラマ カンチャさん。土着菌には日頃から慣れ親しんでいて、自らせっせと培養しては、かん水と一緒に流し込んだり、「太陽熱養生処理」に利用したり、発酵液肥をつくったりしている。 「人間がつくりだした微生物なんて、一匹もないですよ。もともと自然界にいるものなので、それを捕まえて殖やして使うんです。カラスウリからは酵母菌、ムギワラからは納豆菌、とかね。簡単に採取できるし、金もかかりません」 酵母菌といえば、なんとなくリンゴとかブドウとか、甘い果物によくいるイメージだが、ネパールでは伝統的にカラスウリから採った種菌で酒づくりをする文化があるそうだ。納豆菌のほうはムギ栽培が盛んな地域ならではの材料を使っている。 それぞれ培養するところを見せてもらった。(編) カラスウリ探し ①11月初め、ミカンハウスの裏山を探索。するとラマさん、さっそくカラスウリの気配を感じたようだ。 ②あー、でも残念、まだ熟していない。青い実からは酵母菌が採りにくいという。 ③「微生物は紫外線に弱いので、日陰になる実がベストです」と言って、ラマさんは険しい獣道をずんずん進み、山に入ってしまった。こちらは置いてけぼり。 ④ハプニング発生! 戻ろうとするラマさんが足を滑らせ、豪快に転んでしまった。 ⑤手には真っ赤に熟れたカラスウリ。これなら、酵母菌がいる可能性が高いという。 ⑥その後も「あそこの斜面にもビッシリなってる、メチャクチャ大きな実が」とカラスウリを次々と発見。そして、最後のオチ。ハウスの近くの道沿いにもあった(矢印)。 酵母菌の培養 ①今回、集めたカラスウリ。本当はもう少し秋が深まってからとるほうがいい。カラカラに干からびて、表面に白い粉が吹いた状態が理想。 ②酵母菌の培養には皮を使う。今回の実はナイフを使って皮をむいたが、カラカラの実なら、手でペロッとはがれる。 ③表面を下にして皮をご飯の上にのせ、フタをして、電気マットなどで約35℃に保つ。ご飯の代わりに、小麦粉を湯で練ったものでもよい。 この続きは2022年1月号または「ルーラル電子図書館」でご覧ください *月刊『現代農業』2022年1月号(原題:カラスウリから酵母菌を、ムギワラから納豆菌を採る)より。情報は掲載時のものです。 1月号の目次をみる 1月号を注文する 最新号から定期購読する 今月号のイチオシ記事 2022年1月号の試し読み カラスウリから酵母菌を、ムギワラから納豆菌を採る カキの二本主枝・一文字仕立て 『現代農業』100年のあゆみ 今月号のオススメ動画 1月号の読みどころをみる 今号のオススメ動画は画像をクリックするとルーラル電子図書館へ移動します。動画は公開より3ヶ月間無料でご覧いただけます。 身近な素材でつくる ボカシ肥・発酵肥料とことん活用読本農文協 編生ごみ、くず、かす、草、落ち葉など捨てればごみでも、発酵させれば貴重なボカシ肥や発酵肥料・堆肥に変身。身近な有機物を宝に変える知恵を満載。バイオガス活用、天恵緑汁も。日々の暮らしのなかで実践するゼロエミッション,有機物循環社会に向けての技。 発酵利用の減農薬・有機栽培松沼憲治 著土着菌による手作り発酵資材で、減農薬・有機40年連作の農家技術を公開。土中発酵の土つくり、土着菌ボカシ、堆肥、モミ酢、乳酸菌液、黒砂糖液などの作り方・使い方を詳解。ハウスキュウリ、露地野菜、水稲栽培も Tags: 菌液, 酵母菌, 納豆菌