広島・井藤文男
2003年、絶滅危惧種のダルマガエルの生息地がなくなったので、里親を引き受け、田んぼに放すことにしました。ダルマガエルが好むのは、農薬を使わず、水を長く張っている田んぼです。そこで、品種を倒伏しにくくて収穫時期の遅い「あきろまん」に替えたり、化学肥料と農薬をやめたりしました。こうして生まれたのが「ダルマガエル米」です。
草も生ゴミも生かす
田んぼの土づくりで、地元のダムの水質保全のために植えてあるヨシを利用しています。刈り取って粉砕したものを2tトラック20台分ほどもらい、1年寝かせると、とてもよい堆肥になります。切り返すとき、カブトムシの幼虫がたくさん出てきます。このヨシ堆肥を毎年、イネ刈り後の田んぼに入れています。
4年ほど前、近所の方にメタン菌で発酵させる生ゴミ液肥のつくり方を教わりました。種菌をもらい、家庭の生ゴミ以外にも、畑でつくったカボチャの小さいのを入れたり、冬はエサが足りないので、砂糖を加えたり……。そうしてメタン菌の増殖を待ちました。メタンガスが発生しているか確かめるために、火を近づけると、ボッと燃えました。
できた液肥は田んぼの水口にポトポトと落ちるように流し込んでいます。また、100倍に薄めて、野菜に与えると、葉の色が違ってきます。
メタン菌で生ゴミ液肥
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うねゆたかの田んぼの絵本2 田んぼの動物
宇根豊 作/小林敏也 絵
カエルやトンボ、タイコウウチ、イモリやメダカ、カヤネズミなど、田んぼに生きる様々な動物たち。益虫でも害虫でもない「ただの虫」という分類によって、これまで見えなかった豊かな生きものの世界が見えてくる。
田んぼの生きものたち カエル
福山欣司 文/前田憲男 写真
俺様はトノサマガエル。アマガエル、ツチガエル、ダルマガエル、アカガエル、ヒキガエル、俺たちカエル族は昔からずっと田んぼにすんでいる。でも、最近の田んぼは、暮らしにくくなってきた。圃場整備とかでできたコンクリート水路が苦手だ。落ちたらはい出せない。その点、アマガエルは吸盤があって、どこでもよじ登れるからいいな。人間諸君よ。田んぼにアマガエルしかいないのは、危険信号だぞ。これから俺様たちの春からの1年の暮らしぶりを、377枚の写真を使って紹介するから、すみやすい田んぼになるよう力を貸してくれ。