現代農業WEB

〈油の買い方〉自分でやれば300万円弱 農園の専用ガソリンスタンドを作った

静岡・森島恵介

近所のスタンドが営業終了

 私は静岡県浜松市で簡易ハウスのコマツナ3ha(現代農業2021年11月号)、水稲30ha、露地野菜5ha、サラダ野菜6aで複合経営をしています。部門ごとの分業制の経営をしており、従業員数は30名ほどです。

 小型のトラクタから大型のコンバインまで、軽油を使用する機械が二十数台、ガソリンを使用する軽トラなどが10台以上になり、いちいち給油に行くのが大変になりました。近年、日本中でガソリンスタンドが減少していくなか、当農園でも500m、1kmほどの距離にあったスタンドが相次いで営業終了となり、それじゃあ、会社内に作ってみてはと考えました。

 いろいろ聞いてみると、タンクの容量や設置台数、業者によって建設コストはさまざまですが、ガソリン用と軽油用を2台設置するのに700万〜800万円もかかるとのこと(5年ほど前の相場)。そこで、自分でできるところはないか?と調べていくうちに、なんとかコストを抑えられそうなメドがつき、とりかかることにしました。

森島農園の専用スタンド
コンクリート下地の地中には600Lタンク2個と、4分割の油水分離槽が設置されている。計量器の設置以外はほとんどの作業を自社で行なった(依田賢吾撮影)

2mの穴を掘って油水分離槽を設置

 ガソリンスタンドを設置するには、①油の流出を防ぐための排水設備(油水分離槽)を埋め立てたり、②ガソリン計量器を地上設置するためのコンクリート下地を作る必要があります。

油水分離槽の構造

連続型の4分割槽。油は水より軽い性質を利用し、浮いた油は留め置いて水だけを次の槽に流すように設計されている。油を施設外に流出させない

 油水分離槽は業者が県外から取り寄せてくれました。油が水に浮く性質を利用した4分割の分離槽で、万一事故があっても油が施設外に流出しない構造になっています。これを埋めるのに、深さ2mほどの穴を掘る必要があります。自社のバックホーでは間に合わず、2t程度のものを借りて作業しました。

 コンクリート下地作りは・・・

この記事の続きは2022年11月号をご覧ください

農家が教える 農家の土木

農文協 編

砂利道に轍ができて通りづらい、竹の根が物置にどんどん侵入してきた、大雨で田んぼの土手が崩れた……。むらの中にはそんな悩みが尽きないが、全部を業者に直してもらうとお金はいくらあっても足りない! そんなとき農家は自分たちで直して乗り切ってきた。農家のコンクリートやバックホーの使い方から砂利道のコンクリ舗装、水路の水漏れ補修、小さい田んぼをつないで大きくする方法、大雨に備えるむらのワザまで収録。ちょっとした補修は、自分でやった方が安い、早い、使い勝手がいいし、自分たちでつくって直すから愛着もわく。