通用しない従来の暦 品種と播き時、本気で見直すしかない
『現代農業』2025年2月号は1冊まるごと「品種選び大特集」。
今回は巻頭特集で「品種と播き時、本気で見直すしかない」という企画を立てました。近年は春と秋が一瞬で通り過ぎ、「激夏」が常態化。しかも、暖冬傾向。そのせいで、通常ではありえない時期に病害虫が発生したり、作物の生育のリズムが乱れたりと、今までの品種と播き時では立ち行かなくなってしまいました。しかし、農家は一歩先を行っています。タネ袋やカタログの栽培暦がずれてしまったことにいち早く気づき、修正力・適応力を発揮するのです。
ブロッコリー
たとえば、茨城県の山間地に住む布施大樹さんは、信じられないことに夏秋の害虫だったハスモンヨトウが平気で越冬するようになったと実感。世代交代してのちのち大発生……とならないように、初夏どりブロッコリーの栽培期間を1カ月前倒して早々と片付けることにしたそうです。いっぽうで温暖化を逆手にとって、従来は寒すぎて不可能だった年内どりや春どりといった新作型を生み出しています。
キュウリ
『現代農業』誌上タネ交換会で話題の「魚住キュウリ」は暑さをものともしません。「広まれ! こぼれダネからど根性野菜」を連載中の圓城寺とく子さんも毎年栽培していて、そのたくましさを大絶賛しています。
ネギ
鳥取県園芸試験場の研究者によると、ネギには「水を溜めこむ品種」と「水を溜めすぎない品種」があるそうです。「水を溜めすぎない品種」を遅植えすれば、安定して夏越しできることがわかってきました。
果樹、イネ
野菜以外に果樹やイネでも高温障害が問題です。「ナシの晩生品種『新高』は果肉が腐る煮え果の被害がひどいので、猛暑に負けない『甘太』と『王秋』に切り替えた」「『コシヒカリ』に苦戦しているが、高温と倒伏に強い『にじのきらめき』に期待」など、全国の農家から生の声が届いています。
その他のコーナーも見どころ満載です。タイトルだけですが、ご案内します。
・今どきの直売でキテる品種
・あこがれのバナナ品種
・2025ミックス緑肥元年!/心ときめくサツマイモ品種
・異常気象時代 自家採種で乗り越える
・有機栽培に向く 攻める茶の品種選び
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・タネ交換会開催します! ほか
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