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【あの厄介な雑草とのたたかい方】「スギナ」クロレートSの秋処理で叩く

編集部

ぐんぐん伸びて作物・樹木を覆うつる性雑草、除草剤が効かない抵抗性雑草、ますます広がる外来雑草。放棄地の増加や温暖化の影響などで、雑草もどんどん手強くなってきているようだ。切り方、枯らし方、抑え方――これからのたたかい方を探る!

農文協が運営する農業情報サイト「ルーラル電子図書館」で、ユーザによく見られている記事(現代農業の過去記事)の中から、すぐにつかえそうな情報を期間限定で公開します。

*文中に出てくる18などの記号は、ローテーション防除に欠かせないRACコードです

(写真提供:浅井元朗)
(写真提供:浅井元朗)

スギナ 

トクサ科多年生

分布:全国

生育期間:4~11月

シダ植物。胞子茎であるツクシを形成する。根茎は地下1m以上深くに広がり、重量は地上部の5倍以上に及ぶ。ロータリをかけると根茎が細断されて、かえって増える。

 『現代農業』2021年7月号p70の「休耕田のスギナ 確実な叩き方がわかった」は、画期的な記事だった。

 ポイントは二つ。スギナの根茎がどんどん発達する秋から冬にかけて除草剤を使うこと。除草剤はラウンドアップ(グリホサート系)などではなく、塩素酸塩粒剤(「クロレートS」「クサトールFP粒剤」)を使うこと、である。

秋にクロレートSを散布後、12月の様子。除草効果は2カ月程度持続するため、作物を作付ける3カ月前に処理する。また非選択性除草剤なので、休耕田畑や田んぼのアゼなどでは使えるが、作物の近くでは使えない
秋にクロレートSを散布後、12月の様子。除草効果は2カ月程度持続するため、作物を作付ける3カ月前に処理する。また非選択性除草剤なので、休耕田畑や田んぼのアゼなどでは使えるが、作物の近くでは使えない

 スギナに覆いつくされた休耕畑でさっそく試した農家もいる。上の写真をご覧あれ。秋に散布するとスギナは枯れて真っ白な絨毯となり、今春の発生をかなり抑えることができた。ただし、スギナが群生した場所も一部ある。この畑では以前、スギナが出るたびに耕耘を繰り返していたそうで、掘ってみると根茎がかなり深い位置まで張っていたとか。薬剤の散布ムラがあったり、薬液量が少なくて深くまで届かなかった可能性もありそうだ。

* スギナが酸性土壌を好むというのはウソ。中性や弱アルカリ性の土でも旺盛に生育し、 強酸性土壌ではむしろ生育不良となる。
* スギナが酸性土壌を好むというのはウソ。中性や弱アルカリ性の土でも旺盛に生育し、 強酸性土壌ではむしろ生育不良となる。

*月刊『現代農業』2022年7月号(原題:スギナ クロレートSの秋処理で叩く)より。情報は掲載時のものです。

ルーラル電子図書館だより Web連載【あの厄介な雑草とのたたかい方】

多年生雑草

  • クズ
  • ヤブガラシ
  • スギナ
  • アレチウリ
  • キシュウスズメノヒエ

一年生雑草

水生植物

\スギナ、クズなど、厄介な雑草の生態と対策をまとめた本が出ました!/

農家が教える 厄介な雑草の叩き方

スギナ、クズなど、なるほど生態とかしこい対策

農文協 編

スギナ、クズなど、厄介な雑草たちの生態(「強み」と「弱み」)とかしこい叩き方、初期除草の知恵(芽生え段階での対策)、草刈りのコツ、除草剤を使いこなすワザなど、わかりやすく解説した雑草対策本の決定版。