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【映画『百姓の百の声』に登場した農家】高橋博さん 接ぎ木 えひめAIで野菜苗のカビがまったくなくなった

山形・高橋博

映画『百姓の百の声』は、2022年11月の公開以降、各地で自主上映会や視聴者交流会が開催され、話題となっています。本映画に登場した農家が過去に現代農業に掲載された記事を紹介していきます。

高橋博
筆者(64歳)。後ろの温室で、冬春の約半年間、50品種以上の野菜苗をつくる

接合部から病気に

 山形県寒河江市で、主にトマトやキュウリ、ナスなどの接ぎ木苗を年間30万本ほど生産し販売している高橋育苗です。

 二十数年前、セルトレイの普及に伴い、従来の割り接ぎや断根挿し接ぎから幼苗接ぎ木に全面的に切り替えました。接ぎ木後の馴化養生が小さい面積でも大量にでき、省力的な育苗が可能となり、年々生産本数を伸ばして規模拡大を図ってきました。

 ところが、このやり方のスタート時から、接ぎ木して2日目、3日目、4日目と日を追うごとにカビ系の病気に悩まされ続けました。症状としては、台木と穂木の接合部がカサブタのようになり、黒ずんできます。馴化中の気温25~28℃、湿度90%以上、光2000ルクス(接ぎ木後3~4日)という条件は、接合部の癒着には絶対必要ですが、それが同時にカビの発生しやすい環境でもあるのです。また、幼苗接ぎ木はたくさんのセルトレイをまとめて管理するので込みやすく、あっという間に病気が広がってしまいます。苗に使える農薬は限られていて、耐性菌も出てきたりして、農薬代が年々高額になっていきました。

キュウリの接ぎ木苗(チューブ接ぎ)。馴化が終わり、これから鉢上げ。湿度確保を兼ねて、毎日えひめAIを散布しているので病気が出ない
キュウリの接ぎ木苗(チューブ接ぎ)。馴化が終わり、これから鉢上げ。湿度確保を兼ねて、毎日えひめAIを散布しているので病気が出ない

温室内にいい菌がすみつく!?

 そんなとき、『現代農業』2013年1月号のえひめAI特集で、作物が病気にかかりにくいという記事を読み、さっそく地元のスーパーで材料を購入し作ってみました。100倍に希釈して、ミストノズルで馴化中の苗の湿度を保つように連日散布。鉢上げから定植までの期間も7~10日間隔で散布しました。すると、まったくといっていいほど病気が出なくなりました。

接ぎ木前のトマト苗にえひめAIを散布する息子の祥(36歳)。マスクなしで防除できる
接ぎ木前のトマト苗にえひめAIを散布する息子の祥(36歳)。マスクなしで防除できる

 えひめAIを使い始めて8年ほどになりますが、わが家の2000坪の温室には、造り酒屋に酵母菌がすみつくように、納豆菌と乳酸菌と酵母菌がすみつき、カビ系やウイルス系の病原菌から植物を守るバリアを張り巡らせているのを実感しています。現在は経営の中心を息子夫婦が担っていますが、私と同様、えひめAIのよさを実感しているようです。

 また、わが家はシャインマスカットも35a栽培しており、えひめAIの100倍液を10~14日おきにスピードスプレーヤで散布しています。殺菌剤の散布回数が従来の半分ほどになり、経営的にもコスト削減に大きく貢献しているのではないでしょうか。

 全国の農家の皆さんもぜひ、えひめAIを使って、農産物の出来のよさや食味のよさを実感していただきたいと思います。

えひめAI

 納豆、ヨーグルト、イースト、砂糖、水が原料の手作り発酵液(菌液)。汚れ落としや消臭などの生活利用のほか、農業利用では作物の育ちをよくしたり、病気を抑えたりする効果がある。

DVDブック『えひめAIの作り方・使い方』好評発売中。

*月刊『現代農業』2021年4月号(原題:えひめAIで野菜苗のカビがまったくなくなった)より。情報は掲載時のものです。

DVDブック えひめAIの作り方・使い方

農文協 編

材料はすべて食品。納豆・ヨーグルト・イースト・砂糖から、誰でも簡単に手作りできる発酵液。中には微生物や酵素がいっぱい。田畑では「病害虫が減って農薬も減って、野菜がおいしくなる」「土着微生物が殖えて土がふかふかになった」と農家に好評。台所やトイレやペットのニオイ消し、油でギトギトの換気扇掃除、お肌つるつるになる入浴剤、川や配水管の浄化など、暮らし場面でも大活躍。月刊「現代農業」の特選記事に、新しい取材記事も加えて再編集。DVD50分付き。