祝単行本化! 現代農業の本誌2021年4月号~22年4月号および、現代農業WEBで2023年6月から1年間にわたってお届してきた連載記事が、『北の国から 家族4人で幸せ自給生活』三栗祐己・三栗沙恵 著(農文協)として発売が決定しました。発売は2024年7月18日頃、電子書籍も同時配信です。
北海道・三栗沙恵

はじめまして。雪国札幌の端っこで自給生活をしています、パーマカルチャー研究所の三栗沙恵と申します。
ここでの暮らしは、春の雪解けとともにシラカバの樹液の採取から始まり、春先は野草をいただき、夏秋は家族みんなで薪を割り、畑で野菜をつくり、冬はミシンを踏みつつこうじを醸し、お醤油やお味噌をつくります。日々うつろいでいく景色を眺められるこの場所が気に入っています。今回は、そんなわが家の夏の暮らしを中心にご紹介したいと思います。
春はヨモギの新芽をいただく

北海道の野草の季節は4月を過ぎてから。フキノトウから始まり、ヨモギが芽吹くのは5月。新芽が軟らかい7月の始めまではとり続け、年中食べられるように、乾燥ヨモギのストックもつくります。乾燥ヨモギは、すり鉢やミキサーで粉にして、うどんに練り込んだりバターと混ぜてハーブバターのようにして使っています。
夏はヨモギ染め、もぐさはお灸に
夏が近づくとそのまま食べるにはヨモギのアクが強くなってきますね。そんな季節は食べる以外のことでもいろいろ楽しめます。
たとえばヨモギを使った染め物。重曹とヨモギを一緒に煮て染液をつくります。そこにさらしを投入してお日様の当たる暖かいところで4時間放置。ときどきひっくり返します。最後にミョウバン液につけ媒染してできあがり。
他にも、ヨモギを使えばもぐさのお灸ができますよ。葉のきれいな部分を摘んで、お日様に当ててカラカラになるまで干します。粉にしたものをザルでふるうと、ヨモギの葉っぱの毛の部分が残ります。これがもぐさです。もぐさを円錐形に丸めて、スライスしたショウガの上に載せ、合ごう谷こくというツボに置いて火を付けます。側に水を入れた受け皿などを用意しておくと安心です。ふるい落としたヨモギの粉はもちろん料理に使えます。
もう一つおすすめなのはヨモギオイル。火傷や切り傷、乾燥肌やマッサージなどに。摘んだヨモギと太白ゴマ油を鍋に入れ、80℃を保ちながら20分ほど煮て、冷めたら小分けして容器へ。出先でも思い立ったら指のマッサージ。気分転換にもなりますよ。大きく育ったヨモギも使えるので、ぜひ生のヨモギでつくってみてくださいね。
ハーブたっぷりの自家製ソーセージ

ハーブガーデンを夢見て、畑にハーブを植えています。わが家の畑で育つのは、タイム、ミント、ローズマリー、セージ、レモングラス、ホーリーバジル、タイバジル、ターメリック、カモミールなど。夏になるとわんさか繁ってにぎやかになります。
わが家でよく使うのはハーブソルト。乾燥ハーブを粉にして、塩を混ぜてつくります。ホカホカご飯に混ぜておむすびに。マッシュしたジャガイモに混ぜて衣をつければコロッケになります。
フレッシュハーブはピザがおすすめ。生地にトマトソースを載せて焼いてから、好きなハーブをオン! ハーブはフレッシュなままいただきます。チーズがなくてもおいしくなります。
もう一つの大きなお楽しみがフレッシュハーブでつくったソーセージ! まとめてつくって冷凍保存も可能です。レシピは『これ、台所でつくれます。』(農文協)がおすすめです。
材料はバジル、レモングラス、ニンニク、トウガラシ、タマネギ。これらを石臼で潰してお肉と混ぜ、腸詰めにします。肉は豚の肩肉のブロックをフードプロセッサーで挽いたものを使うとおいしい。タイのチェンマイソーセージから思いつきました。
できたソーセージはパンにはさんでハンバーガーパーティーをしましたよ。
こんなものでも!? 野草納豆
野菜や野草でにぎわう夏は納豆づくりも楽しいんです。イナワラの代わりにいろいろな野草で納豆をつくります。使う野草によって糸の引き具合や、口に入れたときの香りが変わります。初めての方はイネ科の……
この続きは2024年8月号をご覧ください
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作ってみた!手づくりバイオスティミュラント
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住まい・水・電気・薪・衣食までぜんぶ
三栗祐己 、三栗沙恵 著
衣食住の生活技術や水・エネルギーの自給で、豊かで楽しい暮らし。プレハブの住まい、オフグリッド太陽光発電、薪ストーブ、野菜の貯蔵や保存食作り、衣類や石けんの手作りなど、「自給生活」を楽しむコツを大公開。