栽培のコツ 肥料・土づくり 8月号 【作ってみた! 手作りバイオスティミュラント】タンニン鉄 2024-06-28 バイオスティミュラントは、植物の成長を促進する画期的な農業資材(液体資材)として注目されています。肥料や農薬とは異なるこの資材のなかには、酢酸カルシウムや光合成細菌など、自分で手作りできるものもあります。今回は「タンニン鉄」の作り方を解説します。 タンニン鉄 右は鉄釘を入れる前、左が完成したタンニン鉄 自然界では循環しにくい鉄分を、植物が吸収しやすいようにしたのが「タンニン鉄」。タンニン鉄を収穫1週間前の野菜の株元にかん注すると、不思議なことに葉っぱや果実にツヤが出て、渋味やエグミは消え、甘味と旨味、シャキシャキ感が生まれるそう。夏野菜の収穫前に、タンニン鉄を仕込んでおきたい! 今回の実験は、現代農業2020年1月号特集「見えてきた鉄を効かせる方法」より、「鉄ミネラル液なら手軽に野菜が変わってしまう」(p.31~35)由良 大さんの方法などを参考にしました。 バイオスティミュラントってなに?今世界中で大注目の農業資材「バイオスティミュラント」。直訳すると「生物刺激剤」のこと。腐植質、海藻、アミノ酸、鉄、ビタミン、微生物資材などまで幅広く、いわゆる肥料でも農薬でもなく、植物になんらかの刺激を与えて収量・品質をよくする資材のこと。まったく新しい資材というわけではなく、例えば、これまで現代農業で取り上げてきた光合成細菌や、酢、酢酸カルシウム、タンニン鉄などもバイオスティミュラントといえる。 準備するもの 材料(約1L分) ・鉄釘 2~3本・お茶パック 1つ・水 1L あると便利なもの・ペットボトル容器(保存する入れ物) 作り方 ①材料をすべてペットボトルに入れる ペットボトルに、水(1L)、鉄釘(2~3本)、お茶パック(1つ)を入れる ②数分後、色が変化する 数分後、色がモヤっと紫色に変化してきました。そのまま一晩放置し、真っ黒になるのを待ちます。 ③完成! 左がタンニン鉄、右が比較用(お茶のみ)です。中身が見えなくなるくらい、真っ黒になりました。 タンニン鉄は原液で散布ができますが、希釈する場合は10倍くらいが上限です タンニン鉄で貧血予防!? うーん、鉄の味のあとお茶のかおりが フワッときた! 植物と同様に、貧血の人がタンニン鉄を飲んで、体調が改善された例があります。ただし、体力不足の人が飲むと代謝の上昇に栄養補給が追い付かず、逆に体調悪化する危険も。その場合、アミノ酸豊富な出汁や、市販のプロテインなどでタンパク補給して体力をつけてから、タンニン鉄を飲むのがよいようです。タンニン鉄による「鉄ミネラル野菜」づくりを提唱する野中鉄也先生によると、「2週間ほど飲み続けると、貧血改善効果が期待できる」そうです。(実際にやる場合は、漬物用の鋳鉄を数分漬けるだけでOK) 光合成細菌 酢酸カルシウム(卵酢) タンニン鉄 フルボ酸 あわせて読みたい現代農業2024年8月号の「タンニン鉄―根張りアップ」コーナーでは、本実験のほか、タンニン鉄に関する以下の記事も掲載されています。毛細根が数倍に 猛暑の夏、スイカ、トマトがバテずに復活 三並清継【激夏に耐えたヒミツ】タンニン過去の現代農業の記事は「ルーラル電子図書館」からご覧いただけます。 ルーラル電子図書館は、年額制の有料会員向けサービスです。7日間使い放題のおためしキャンペーンも実施中です。 ルーラル電子図書館の会員になると… 便利な検索機能で、『現代農業』の過去の記事が読み放題 動画で農機具のメンテや栽培のコツを分かりやすく解説 豊富な写真から、園地で病害虫をサッと特定、 登録農薬もすぐわかる 利用期間中は、雑誌『現代農業』が毎号サービス。郵送でお届けします 農文協のオンラインストア「田舎の本屋さん」の年会費がサービス ルーラル電子図書館についてもっと詳しく見る 農家が教える 鉄 とことん活用読本農文協 編 注文する Tags: タンニン鉄, 手作り, やってみた, 農文協の日常, 実験, バイオスティミュラント, 液体資材, 激夏