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令和7(2025)年
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旧4月15日

あああ

【作ってみた! 手作りバイオスティミュラント】タンニン鉄

バイオスティミュラントは、植物の成長を促進する画期的な農業資材(液体資材)として注目されています。肥料や農薬とは異なるこの資材のなかには、酢酸カルシウムや光合成細菌など、自分で手作りできるものもあります。今回は「タンニン鉄」の作り方を解説します。

タンニン鉄

タンニン鉄
右は鉄釘を入れる前、左が完成したタンニン鉄

自然界では循環しにくい鉄分を、植物が吸収しやすいようにしたのが「タンニン鉄」。タンニン鉄を収穫1週間前の野菜の株元にかん注すると、不思議なことに葉っぱや果実にツヤが出て、渋味やエグミは消え、甘味と旨味、シャキシャキ感が生まれるそう。

夏野菜の収穫前に、タンニン鉄を仕込んでおきたい!

今回の実験は、現代農業2020年1月号特集「見えてきた鉄を効かせる方法」より、「鉄ミネラル液なら手軽に野菜が変わってしまう」(p.31~35)由良 大さんの方法などを参考にしました。

バイオスティミュラントってなに?

今世界中で大注目の農業資材「バイオスティミュラント」。直訳すると「生物刺激剤」のこと。腐植質、海藻、アミノ酸、鉄、ビタミン、微生物資材などまで幅広く、いわゆる肥料でも農薬でもなく、植物になんらかの刺激を与えて収量・品質をよくする資材のこと。まったく新しい資材というわけではなく、例えば、これまで現代農業で取り上げてきた光合成細菌や、酢、酢酸カルシウム、タンニン鉄などもバイオスティミュラントといえる。

準備するもの

材料(約1L分)

・鉄釘 2~3本

・お茶パック 1つ

・水 1L

あると便利なもの

・ペットボトル容器(保存する入れ物)

作り方

①材料をすべてペットボトルに入れる

ペットボトルに、水(1L)、鉄釘(2~3本)、お茶パック(1つ)を入れる

②数分後、色が変化する

数分後、色がモヤっと紫色に変化してきました。そのまま一晩放置し、真っ黒になるのを待ちます。

③完成!

左がタンニン鉄、右が比較用(お茶のみ)です。中身が見えなくなるくらい、真っ黒になりました。

タンニン鉄は原液で散布ができますが、希釈する場合は10倍くらいが上限です

タンニン鉄で貧血予防!?

タンニン鉄
うーん、鉄の味のあとお茶のかおりが フワッときた!

植物と同様に、貧血の人がタンニン鉄を飲んで、体調が改善された例があります。ただし、体力不足の人が飲むと代謝の上昇に栄養補給が追い付かず、逆に体調悪化する危険も。その場合、アミノ酸豊富な出汁や、市販のプロテインなどでタンパク補給して体力をつけてから、タンニン鉄を飲むのがよいようです。

タンニン鉄による「鉄ミネラル野菜」づくりを提唱する野中鉄也先生によると、「2週間ほど飲み続けると、貧血改善効果が期待できる」そうです。(実際にやる場合は、漬物用の鋳鉄を数分漬けるだけでOK)

あわせて読みたい

現代農業2024年8月号の「タンニン鉄―根張りアップ」コーナーでは、本実験のほか、タンニン鉄に関する以下の記事も掲載されています。

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