
ミミズは偉大だ!
ミミズの役割が見直されている
みなさんはミミズにどんなイメージをお持ちでしょうか?農業をしていれば、土をよくしてくる頼もしい存在として、好感を抱く人も多いと思います。2025年3月号では、ミミズの実力をあますところなく伝える「ミミズは偉大だ!」という巻頭特集を組みました。近年は有機農業や耕さない農業への気運が高まり、ミミズの役割が見直されているようです。

北海道の大規模農業でも
現に、北海道の大規模畑作地帯でも「畑でミミズに出会うと、うれしくなる」と感じている農家が増えています。畑を耕さない「大地再生農業」を実践するレイモンド・エップさん(本誌で「レイモンドからの手紙」を連載中)もその一人。はじめはミミズがゼロでショックを受けたそうですが、トラクタでの耕耘をやめ、緑肥を栽培するようになって、状況が一変します。ミミズのみならず、さまざまな生きものが続々と現われ、肥料なしでも作物がよく育つようになったのです。上のほうにいる小さなミミズや虫、菌たちが有機物を分解して細かくし、それを太いミミズが食べて下のほうに運ぶ……チームを組んで硬い土をほぐし、団粒構造をつくる様子が観察できるようになったといいます。レイモンドさんの仲間の方々も、今まで気にも留めなかったミミズを意識するようになり、その新鮮な感覚をイキイキと語ってくれました。

ミミズの生態がよく分かる
福島大学の金子信博先生に解説していただいた「ミミズの気持ちがわかるかな?」も必見です。「大量の土を食べながら、有機物や微生物を消化する」「体に生えた剛毛を土に引っ掛けて前へ進み、トンネルを掘る」など、記事を読んでいるとまるで自分がミミズになったかのような気になれます。

図解「土をつくる 偉大なミミズの生態」では、より詳しくミミズの働きを紹介。「糞は肥料になるだけでなく、崩れにくい耐水性団粒になり、水はけも水持ちもよくしてくれる」「尿はチッソが豊富で、殺菌力もある」「死骸は極上の速効性肥料」「通り道の孔に微生物や小動物がすみつき、チッソ固定菌も殖える」など、ミミズ効果は計り知れません。
もちろん、ミミズを上手に増やす、実用的な方法も載っています。ミミズって、環境さえ整えれば、意外とカンタンにどこからか来てくれるんです。

イトミミズの働きにも注目!
畑だけでなく、田んぼのイトミミズだって負けてはいません。糞が土壌表面に積もって「トロトロ層」ができ、雑草を抑えることができるのです。イトミミズに活躍してもらうノウハウを研究者や農家に教えてもらいました。特集を読んでいくうちに、よりいっそうミミズに対する仲間意識が深まるはずです。
その他のコーナーも見どころ満載です。タイトルだけですが、ご案内します。



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