「タケノコのアク抜き」といえば「米ヌカ」必須と思いがちですが、実は「ツバキの葉」でもできちゃうんです。美味しくて、簡単、片付けもスムーズなやり方。ぜひお試しください。
島根・石口信子

JAに20年勤めていましたが、夫の病気のため退職し、地元のスーパーに再就職。その後、夫が亡くなったりお母さんの病気があったりして、数年前にまた退職。どうしようかと思っていました。
そんな折、家の周りを見るとお母さんがしていた畑がたくさんあるので、野菜をつくることにしました。一角には竹やぶもあり、タケノコもゆでようと思いつきました。いまでは野菜やタケノコの水煮などを、JA直売所や朝市に出荷しています。
米ヌカがない!

ある日、タケノコをゆでる時に使っていた米ヌカがないことがありました。困りましたが、『現代農業』(2005年4月号p291)に、ツバキの葉でアクが抜けると書いてあったのを思い出し、やってみました。
ツバキは竹やぶに自生しているものを使いました。まさにヤブツバキです。
葉付きの枝を鍋に入れる
タケノコは皮のまま鍋に入れます。ツバキの枝は葉付きのまま鍋に入る大きさに切り、タケノコと一緒に1時間ほどゆでます。
材料

ゆでる


タケノコを針金で刺してスッと通ればゆであがり。水にとって冷ましてから皮を取り、もう一度水にさらします。味見をするとアクが感じられないので、大成功だと思いました。
いろいろ試した結果、私の鍋でハチクを10本ほどゆでる場合、50cmほどのツバキの枝を2本入れるのがよいようです。一度ツバキを入れれば、同じお湯で2回ほどアク抜きできます。3回目からは同じお湯に、新しい枝を2本追加します。
モウソウチクの場合はとくにアクをしっかり抜く必要があるので、3~4本ずつ入れるほうが無難だと思います。
なぜツバキでアクが抜ける?
ツバキの葉を入れることでお湯がアルカリ性になり、灰(アルカリ性)を入れてアクを取り除く原理と同じ効果がある
片付けがラク

米ヌカでゆでると、タケノコについて水で洗い落とすのが大変で、洗い場も米ヌカだらけになります。でもツバキの枝葉を使うと、洗い残しがなく、片付けが早くすみます。
水にさらす

水煮の完成

以前は塩漬けしたタケノコを販売したこともありましたが、いまどきはアク抜きしただけのもののほうがよく売れます。お客さんがの顔を思い浮かべながら、ゆでるのが元気のもとです。
(島根県浜田市)
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