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【作ってみた! 手作りバイオスティミュラント】タンニン鉄

現代農業2024年8月号は、「バイオスティミュラント」大特集! 本誌で紹介したバイオスティミュラントのうち、家庭でも作れそうな4種について実際に作ってみました!

現代農業WEBでは、本誌で載せきらなかった詳しい手順をお届けします。

タンニン鉄

左が完成したタンニン鉄

自然界では循環しにくい鉄分を、植物が吸収しやすいようにしたのが「タンニン鉄」。

タンニン鉄を収穫1週間前の野菜の株元にかん注すると、不思議なことに葉っぱや果実にツヤが出て、渋味やエグミは消え、甘味と旨味、シャキシャキ感が生まれるそう。

夏野菜の収穫前に、タンニン鉄を仕込んでおきたい!

バイオスティミュラントってなに?

今世界中で大注目の農業資材「バイオスティミュラント」。直訳すると「生物刺激剤」のこと。腐植質、海藻、アミノ酸、鉄、ビタミン、微生物資材などまで幅広く、いわゆる肥料でも農薬でもなく、植物になんらかの刺激を与えて収量・品質をよくする資材のこと。まったく新しい資材というわけではなく、例えば、これまで現代農業で取り上げてきた光合成細菌や、酢、酢酸カルシウム、タンニン鉄などもバイオスティミュラントといえる。

今回の実験は、現代農業2020年1月号特集「見えてきた鉄を効かせる方法」より、「鉄ミネラル液なら手軽に野菜が変わってしまう」(p.31~35)由良 大さんの方法などを参考にしました。

準備

材料(約1L分)

・鉄釘 2~3本

・お茶パック 1つ

・水 1L

あると便利なもの

・ペットボトル容器(保存する入れ物)

①材料をすべてペットボトルに入れる

ペットボトルに、水(1L)、鉄釘(2~3本)、お茶パック(1つ)を入れる

②数分後、色が変化する

数分後、色がモヤっと紫色に変化してきました。そのまま一晩放置し、真っ黒になるのを待ちます。

③完成!

左がタンニン鉄、右が比較用(お茶のみ)です。中身が見えなくなるくらい、真っ黒になりました。

タンニン鉄は原液で散布ができますが、希釈する場合は10倍くらいが上限です

実験のようすは動画でも公開中!

現代農業2024年8月号の取材ビデオでは、今回の「手作りバイオスティミュラント」の手順を動画で公開しています!

画像をクリックすると動画ページにジャンプします(ルーラル電子図書館)

(おまけ)タンニン鉄で貧血予防!?

うーん、鉄の味のあとお茶のかおりが フワッときた!

植物と同様に、貧血の人がタンニン鉄を飲んで、体調が改善された例があります。ただし、体力不足の人が飲むと代謝の上昇に栄養補給が追い付かず、逆に体調悪化する危険も。その場合、アミノ酸豊富な出汁や、市販のプロテインなどでタンパク補給して体力をつけてから、タンニン鉄を飲むのがよいようです。

タンニン鉄による「鉄ミネラル野菜」づくりを提唱する野中鉄也先生によると、「2週間ほど飲み続けると、貧血改善効果が期待できる」そうです。(実際にやる場合は、漬物用の鋳鉄を数分漬けるだけでOK)

「作ってみた! 手作りバイオスティミュラント」シリーズ

2024年8月号の「タンニン鉄―根張りアップ」コーナーでは、本実験のほか、タンニン鉄に関する以下の記事も収録されています。ぜひ本誌でご覧下さい。

  • 毛細根が数倍に 猛暑の夏、スイカ、トマトがバテずに復活 三並清継
  • 【激夏に耐えたヒミツ】タンニン

現代農業 2024年8月号

農文協 編

《特集》
激夏を迎え撃つ 農家の液体資材 手作りバイオスティミュラント!?

農家が教える 鉄 とことん活用読本

農文協 編

農家が考えたあっと驚くよもぎの活用法を紹介。摘み方や保存法、色をよく仕上げる下処理のコツから、よもぎ座布団などの健康利用、草もちなどのレシピ、野菜づくりへの利用や栽培法まで、よもぎの魅力が満載の一冊。