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やめられない! ラッキョウ暮らし

現代農業2023年7月号の巻頭特集は「ニンニク&ラッキョウ」です。ニンニクと並んで夏の需要が高まっているラッキョウ。収穫・調製に手間がかかり、国産は完全に品薄状態だそうです。栽培の記事の一部を公開します。

静岡・ 吉村英治

ラッキョウを収穫する筆者と妻。ダイコンやタマネギなども つくり直売所で販売、JA出荷 (写真はすべて依田賢吾撮影)
ラッキョウを収穫する筆者と妻。ダイコンやタマネギなども つくり直売所で販売、JA出荷 (写真はすべて依田賢吾撮影)

手がかかるけど、売れる

 ラッキョウは、はっきりいって売れます。7~8年前から少しずつ伸びてきましたが、コロナ以降、より伸びていると思います。完全に品薄状態です。

 私がつくっているのは、普通のラッキョウのほか、タマネギと交配した「越のレッド」、ネギと交配した「越のパール」など。面積は7~8a。たくさんつくって、たくさん売ればいいのですが、根も茎もきれいに切り、薄皮1枚残した状態で販売するので、商品にするまでに多くの手間がかかります。これ以上の増産は無理です。

 お客さんにとっても、例えば甘酢漬けをつくる際、薄皮1枚とるのも大変です。それに、食べる状態になるまで時間をかけて待たないといけません。今は「すぐ」「簡単」がキーワードですが、ラッキョウを買うお客さんは根性があります。

ラッキョウが人気なワケ

 売れ行きが伸びているのは、次のような背景があると思います。

①ラッキョウは1年で2~3カ月しかとれない季節ものであること。このチャンスを逃すと、翌年まで食べられないという希少性がある。

②スーパーなどで販売しているラッキョウは中国産が多く、しかも価格が上がっているので、国産が求められている。反面、栽培する人は減っている。

③食物繊維が多く、血液サラサラ効果がある。

 このようにラッキョウはつくるほうも大変、お客さんも大変ですが、まだまだ買っていただける状態なので、今年は1㎏あたり50円値上げしようと思っています(750円→800円)。

美味「極細ラッキョウ」

1年掘りは大粒で、2年掘りは小粒(極細ラッキョウ)をたくさん収穫できる。極細ラッキョウは身が締まり、歯切れがよい
1年掘りは大粒で、2年掘りは小粒(極細ラッキョウ)をたくさん収穫できる。極細ラッキョウは身が締まり、歯切れがよい
極細ラッキョウ、ニンジン、塩昆布などの和え物。極細ラッキョウは白い部分だけでなく、葉も使う
極細ラッキョウ、ニンジン、塩昆布などの和え物。極細ラッキョウは白い部分だけでなく、葉も使う

ポイントは種球

主に在来種を栽培。「越のパール」「越のレッド」(いずれも福井シード)はハイブリッドラッキョウ。パールは球が細長い。レッドはパールに比べて1球重が重く、分球数が少ない。どちらも病害虫に強く、栽培しやすい
主に在来種を栽培。「越のパール」「越のレッド」(いずれも福井シード)はハイブリッドラッキョウ。パールは球が細長い。レッドはパールに比べて1球重が重く、分球数が少ない。どちらも病害虫に強く、栽培しやすい

 ラッキョウは砂地の畑が向いています。それも目の粗い砂地だと、より大物がとれるようです。私の住む静岡県御前崎市も砂地で、昔からラッキョウがつくられていました。

「ふっぱぎ 」のやり方

❷自作した道具を使って、「ふっぱぎ」の左右に2条ずつ溝を掘る(条間20㎝)。その溝に株間15~20㎝で種球を植え付ける
❷自作した道具を使って、「ふっぱぎ」の左右に2条ずつ溝を掘る(条間20㎝)。その溝に株間15~20㎝で種球を植え付ける
❷自作した道具を使って、「ふっぱぎ」の左右に2条ずつ溝を掘る(条間20㎝)。その溝に株間15~20㎝で種球を植え付ける
❷自作した道具を使って、「ふっぱぎ」の左右に2条ずつ溝を掘る(条間20㎝)。その溝に株間15~20㎝で種球を植え付ける

 栽培するときの最大のポイントは、いい種球の確保です。草とり、土寄せなどは必要ですが……

2023年7月号は、以下のラッキョウ記事も掲載しています。ぜひ本誌でご覧ください。

  • 米ヌカ でラッキョウの皮がスルッとむけた!  森光潔 
  • 図解 ラッキョウで健康

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