2021年 9月号 栽培のコツ 稲作・水田活用 サトちゃんのへの字稲作挑戦記〈6〉への字は刈るのもラクだった 2021-08-05 福島県北塩原村・佐藤次幸さん 対照区の枕地を刈るサトちゃん(写真はすべて依田賢吾撮影) ベッタリ一発肥料イネ、倒れなかったへの字イネ 耕作くん うわぁー、写真のサトちゃん、大変な田んぼを刈ってるね。ここ、去年の対照区の圃場でしょ。 サトちゃん ピンポーン。覚悟はしていたけど、その予想をみごとに上回ってきた。なびいた程度じゃなくて、全面が挫折型の倒伏だなんて……いや、まいったね。 耕 8月下旬(収穫約45日前、先月号参照)の時点でも丈が長くて、かなり危ない姿だったもんね。 サト そうなのよ。あの後さらに丈がヒョロヒョロ伸びて、収穫前の雨に打たれたらベッタリ倒れちまった。やっぱり、元肥一発肥料にまかせっきりだと怖いよね。去年はうちの周りの田んぼはみんな倒伏。作業にかなり遅れが出てたっけなぁ。そのほとんどが、一発肥料まかせで育てた圃場だったみたい。 耕 なるほどね。と、他人事みたいに言ったけど、去年はオレも一発肥料まかせで、同じ目にあったよ。イネが危ない姿しているのに、田んぼから肥料を取り出すわけにもいかない……もどかしいったらないね! 追肥型なら、イネを見ながら調節できるからいいよね。 サト お、その通りよ。だから、オレも実験以外のほとんどの圃場を半への字稲作でやってるわけ。調整しつつ追肥できたから、なびき倒伏程度だった。コンバインへの負担も少なかったから、収穫も順調に進んだね。それよりたまげたのは、への字区のイネ。多くの株が、最後までちゃんと自立してたのよ。近所に他にそんな圃場はないから、あの1枚はかなり目立ってたね。 昨年10月14日、収穫前日のへの字区。倒伏程度は小さく、なびいた程度。手前側は多くの株が立っている 同日の対照区。全面で完全に倒伏している 3区の標準的な株を並べてみた。対照区は株元から挫折。半への字区は倒伏したものの株元が少し浮いている。への字区は倒れずにしっかり自立した 続きは2021年9月号をご覧ください 2021年9月号を注文する 最新号から定期購読する 2021年9月号の試し読み 意外と簡単 せん定バサミの手入れ 2階保管庫のモミガラを一瞬で袋詰め 意外と簡単 せん定バサミの手入れ 新連載 儲かるイチジク 45段どり テント張りマルチで細根がびっしり サトちゃんのへの字稲作挑戦記〈6〉への字は刈るのもラクだった 写真集 井原豊のへの字型イネつくり(復刊・解説付) 井原豊 著 省力・減農薬・低コスト、しかもコシヒカリなど良食味米を倒さずつくれると大評判の井原流「への字イナ作」。従来のイネつくりとどこがちがうのか。豊富な写真で、生育の特徴とつくり方のポイントをわかりやすく解説。 DVD イナ作作業名人になる!第2巻 秋作業編 農文協 企画・制作 ■受託農家も日曜百姓も、時間と燃費が半分になるサトちゃんの機械作業術で大助かり。■“なんとなく こなしている” 作業を見直す視点(目的、時間、効率、機械の性能..)が盛りだくさん。 動画ならではの“実演”映像は、来年からの作業改善にインパクト大。 Tags: への字