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〈安くてカンタン お手軽畑診断〉土が健康だとボロボロに!? 畑に埋めたパンツで微生物の量が見えた

山形・鈴木将道

畑に埋めたブリーフパンツを掘り起こした鈴木将道さん。これだけボロボロになれば、土に微生物がたくさんいる証拠!?(田中康弘撮影)

パンツ診断、おもしろそう!

 2018年に就農し、キャベツ、カボチャ、サツマイモなどを1haほどの面積で栽培しています。

 今年の春、たまたまテレビを見ていたところ、NHKの番組で、土の中に綿100%のブリーフパンツを埋めている様子が放送されていました。埋めたパンツがどれだけボロボロになるかで土壌の微生物量を確認し、畑が健康かどうかを診断する実験です。

 綿は微生物に分解されますが、パンツの縫い目やゴムは分解されずに残るので、どこに埋めたのかわからなくなることもなく結果が目に見えるのがいいとのこと。興味が湧いてきて、その日のうちにパンツを買ってきました。

 実験1

休んだ畑ほど健康的?

 5月1日から6月1日までを調査期間として、空いている2枚の畑で実験することにしました。
 選んだ畑はそれぞれ、

A:借りて4年目。前作にカボチャを栽培した畑(約10a)
B:借りて4年目。前年に何も作付けせず、雑草が生えたらすき込む程度の管理で、余っていた鶏糞堆肥を今年の4月に30kg散布した畑(2a)

です。各圃場の真ん中あたりに深さ10〜15cmの穴を掘り、そこに新品の綿100%のパンツを1枚ずつ埋めてみました。
 1カ月後にパンツを掘り起こすと、

A:少しボロボロになった
B:かなりボロボロになった

という結果になり、Bの畑のほうが微生物量が多いことがわかりました。

綿100%のブリーフパンツ
(田中康弘撮影。以下、記載がないものすべて)
2枚の畑にそれぞれ同じブリーフパンツを埋めた。よりボロボロになったBの畑のほうが微生物量が多いようだ(筆者撮影)

 Bに散布した堆肥が少量だったので、畑全体の微生物に影響があるとは思えず、このときは仮説として、圃場を休ませると微生物が殖えるのだろうと考えていました。


 実験後にこの診断方法について調べてみたところ、どうやら発祥はカナダらしいのですが、盛り上がっているのはフランスで、国を挙げて多くの農家が取り組んでいるようです。

 実験2

 その後、今度は条件を変えて、別の畑で実験してみることにしました。選んだ畑は、

①借りて2年目。サツマイモを栽培している水はけのよい畑
②借りて4年目。カボチャを栽培している畑
③借りて4年目。今年レタスを栽培していた畑
④借りて1年目。水はけが悪そうだったので、土づくりのために緑肥を栽培している畑

です。予想では、栽培の条件がいい①の畑が一番ボロボロになり、④の畑のパンツの形が残ると考えました。しかし約1カ月後の結果は、・・・

筆者(29歳)と①のサツマイモ畑。果たしてパンツの具合は……?
②のカボチャ畑。野菜はよく育つがネズミ害が多く、収量はそれなり

はたして、どの畑のパンツが一番ボロボロになったでしょうか? この記事の続きは2022年10月号をご覧ください。

この記事の著者・鈴木将道さんのYouTube動画
「しゃんくすろーどの農業チャンネル」

現代農業2022年10月号
2022年10月号

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