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SNSで日々発信 ブロッコリー農家の当たり前が大バズり!

現代農業2024年9月号は「ブロッコリー」大特集。その中から、ブロッコリーを大規模につくる農業法人がSNSに投稿して、大バズりしたというネタをご紹介します。花蕾だけでなく茎や葉も使う「ブロッコリーは捨てるところなし!のレシピ」など、今すぐ試してみたくなる食べ方が満載で、消費者にアピールすれば売り上げアップ間違いなし!?

石川・土田龍之介

ブロッコリー
筆者(35歳)。最近はブロッコリー柄のネクタイと帽子(どちらも自作)を身に着けて活動中

生き残りをかけて広報課を設立

 ブロッコリーを主力とする農業法人「有限会社安井ファーム」の広報担当です。会社の知名度向上とブロッコリーの消費拡大を掲げ、レシピやお役立ち情報などをSNSで発信しています。ブロッコリーに興味がない方へのアプローチも試みていて、SNS上で遊べるミニゲームの制作や、ブロッコリーをイメージしたシングル曲のリリース、11月26日(いいブロッコリーの日)の記念日制定の企画立案など、日々ブロッコリーの可能性と向き合っています。

 私が入社した2015年当時、企業間取引を主体とする弊社は消費者との接点が乏しい状態でした。国内におけるブロッコリーの生産量が右肩上がりで増える中、消費量も増えなければ豊作の際に供給過多に陥ります。会社の知名度の低さは、企業として成長するうえでネックになるかもと考え、社長に広報課の設立を提案し、自らが責任者となって情報発信を始めました。

X(旧Twitter)の投稿画面。ブロッコリーの保存方法は定期的に発信していて、その都度反響がある
X(旧Twitter)の投稿画面。ブロッコリーの保存方法は定期的に発信していて、その都度反響がある

保存方法がまさかの大反響

 これまでSNSで反響をいただいた投稿を振り返ってみると、一つはブロッコリーの保存方法について書いたものでした。生産者にしてみればブロッコリーの最適保管温度が0°Cというのは常識ですが、消費者側に耳を傾けると「野菜だから冷蔵庫の野菜室(5°C前後)に入れる」との声が多くありました。

 そこで、より低温のチルド室のほうが保存に向いているとの内容を投稿したところ……、たくさんの反響をいただいて驚きました。じつは情報発信を始めて1年経った頃、何を投稿したらいいのかわからなくなってしまったことがあります。そのときある方から「農家の当たり前は消費者の当たり前じゃないから、それを発信してみては?」とのアドバイスをいただき、試しに日頃からやっていることを投稿しただけなのです。

消費者の気持ちがわかってきた

 このアドバイスが転機となり、普段の業務から意識的に「当たり前」を探すようになりました。加えて世間の関心を調査するために、図書館に通って新聞各紙がどのような切り口で農業を取り上げているかを調べたり、インターネットの質問共有サイト内のブロッコリーに関する質問内容を調べたりしました。

 ただし、ネット上の情報は真偽がわからないものもあります。鵜呑みにせず、『現代農業』や『農業技術大系』の記事が検索閲覧できる「ルーラル電子図書館」も利用して、世間の関心や疑問に対する私なりの回答を蓄積していきました。その蓄積を投稿に活かし始めると、次第に反響も大きくなりました。

茎も葉も捨てずに食べる

 とりわけ反響がある投稿は、レシピに関するものです。世間的には「野菜のおいしい食べ方は農家が知ってる」とのイメージがあるので、私も定期的にオリジナルレシピを発信するようにしています。

ブロッコリー

▼茎は生のまますりおろす

 ブロッコリーのレシピといえば、森めいた部分(花蕾)を使ったものが主ですが、最近は「茎も食べてます」との声をよく聞くようになりました。茎レシピのメジャーどころは、きんぴら風、ザーサイ風にすることで、私の最近のお気に入りは、生のまますりおろした茎になめ茸を和えて、仕上げにゴマ油をかけるレシピです。社長の母から「すりおろしたキュウリをそうめんに入れるとおいしい」と教わり、それをヒントにしました。

 「さすがに、茎のまわりの硬い部分は捨ててますよね?」なんて聞かれることもしばしば。こちらは細かく刻んでからバター醤油&カツオ節とともに炒めればオッケーブロッコリー。ちゃんとおいしく食べられます。

▼葉柄と葉身は細かく刻む

 「葉っぱまで食べてます」との声は、まだそこまで多くない印象です。たしかに枝っぽい部分(葉柄と葉身)がスーパーの売り場に残されている、あるいは備え付けのゴミ箱に入れられている光景はよく目にします。

 葉柄と葉身はそのまま食べると繊維が口に残るので敬遠されがちですが、細かく刻んだものをきんぴら風にしたり、お味噌汁に入れたりするとおいしく食べられます。ダイコンの葉っぱのような使い方をイメージしていただくとわかりやすいかと思います。

「ブロッコリーは捨てるところなし!」のレシピ
「ブロッコリーは捨てるところなし!」のレシピ

見た目が悪くても食べてPR

 ブロッコリーって意外と捨てるところがないんですよね。もちろんレシピを紹介する際は、必ず自分で試してからにしています。百聞は一見にしかず。「花は食べられる?」と聞かれて菜の花と化したブロッコリーを揚げて食べたこともあります。

 巷ではしばしば悪者(病気)扱いされる、花蕾が黄化したブロッコリーや花茎空洞症のブロッコリーも・・・

この記事の続きは現代農業2024年9月号をご覧ください

「ブロッコリーは捨てるところなし!」のレシピを動画で公開中!

ブロッコリー
画像をクリックすると動画ページにジャンプします(ルーラル電子図書館)

試し読み

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取材動画(期間限定)

動画は公開より3カ月間無料でご覧いただけます。画像をクリックすると「ルーラル電子図書館」へ移動します。

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そだててあそぼう

ブロッコリー・カリフラワーの絵本

藤目幸擴 編

杉田比呂美 絵

2つは形はそっくりなのに味も香りも食感もちがう。でも、もともと同じキャベツの仲間だ。いったいどこがちがうのだろう。この不思議な野菜のことを育てて調べてみよう。サラダから天ぷらなどさまざまな食べ方も紹介