取材対象者:山口由美さん(埼玉県越生町)
『現代農業』2026年7月号「青梅、黄熟梅、梅干しで 梅不二子流 夏の梅ドリンク&梅料理」より
おいしくて見た目も楽しい
ウメ産地、越生町の農家に嫁いで32年。夫は公務員で勤めていたので、農作業も梅干しづくりも、夫の両親に一から教えてもらいました。十数年前、自分が農園の栽培を担い始めた頃から、梅ファンを1人でも増やすべく、転んでもタダでは起きない峰不二子を目指して「梅不二子になる!」と宣言。プロポーション維持に努めながら、個人客相手に直売を始めたり(それまでも市場出荷主義のおじいちゃんたちがいないときにコッソリやってたりしたけど)、梅の加工や梅料理に取り組んだりしています(現代農業2026年2月号)。
青梅は、季節の果物やハーブ、スパイスを加えると、いろいろな「フレーバー梅ジュース」ができて、夏の外作業から帰って飲むのが楽しみになります。見た目もきれいで癒やされる~。ビンを見える所に並べておくだけで、「かわいい」「映え」好きの若い子も引っかけられます(笑)。
甘くない「ピクルス漬け」もおすすめ。しょっぱくないし酸っぱすぎないから、暑くて食欲がなくてもバクバク食べられます。
「もったいない」から考えた
私が加工を始めたきっかけは梅干しのペーストでした。おじいちゃんが脳出血で倒れて咀嚼が上手にできないとき、梅干しを叩いてペーストにしてご飯に載せたら「もっとつくっておいてくんな」と気に入ってくれました。ちょうど皮が破れた梅干しがB品扱いでもったいないと思っていたので、ペーストにして商品化。すると、加工中に梅干しのタネがたくさん出ます。そのタネから生まれたのが、「タネの出汁」です。タネにこんなに旨みが残ってたの!?って驚くほどのおいしさです。
B品の梅干しは「梅スカッシュ」に入れます。おかげでスポーツドリンクいらず。夏の草刈りのときなど熱中症予防でパートさんにも必ず飲ませます。
ウメ畑や庭先にウメがあるおうちで、熟れすぎた黄熟(おうじゅく)梅(完熟梅)が落ちたままになっているのをよく見ます。うちもおじいちゃんの時代は踏んづけて歩いていました。もったいない! 腐りかけだって大丈夫。いまは地元高校野球部の子たちにもお手伝いで拾わせます。「ウマイウマイ」って大部分食べられちゃうけど。果肉が軟らかいからすぐにペーストにできて、「梅ネクター」にするのも簡単ですよ。
今年は作業前に梅、一休みで梅、帰ったら梅、たくさん食べて猛暑を乗り切りましょう。
ここからは、『現代農業』2026年7月号に掲載されている山口さんの梅ドリンク&梅料理のレシピの中から、フレーバー梅ジュースのつくり方を紹介します。
果物、ハーブ、スパイスで フレーバー梅ジュース
つくり方
- 消毒済みのビンに梅を入れる。季節の果物やハーブやスパイスを加える。最後に、梅と同重量の氷砂糖を入れる。砂糖は氷砂糖かグラニュー糖がおすすめ。上白糖よりすっきりした味になる。
- 生の梅は2カ月ほどで果汁が出て完成。冷凍梅を使うと果汁が出やすいので2週間で完成。ビンではなく、保温ジャーで保温しながら仕込むと7時間で完成する。
Point
砂糖を梅の実の一番上に置くことが大事!砂糖で蓋をする感覚。やがて溶けて下に落ちてきます。ビンの底や梅の間に入れるやり方もあるけど、上に砂糖がまったくないとカビが生えたり、ブクブク発酵しやすい(とくに生の梅)。
もし発酵したら実を取り除き、液だけを鍋に入れて火にかけてアルコールを飛ばし、消毒したビンに戻します。実は煮てジャムなどに使えば大丈夫。
この記事には、フレーバー梅ジュースのほかに、さまざまな梅ドリンク&梅料理のレシピが登場します。ぜひ本誌でご覧ください。
・梅干しスカッシュ
・黄熟梅の梅ネクター
・ピクルス漬けと梅タルタル
・梅干しのタネの出汁
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