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【燃料代高騰対策2】シンプルな構造の格安・頑丈ハウスができた!(全文掲載)

静岡・河合正敏さん

原油価格の高止まりはこの先もまだまだ続きそうです。でもこんなときこそ「転んでもタダでは起きない」のが農家。機械作業を見直して、地域資源や身近なエネルギーを生かせば、経営も人の体もラクになります。ガマンの節約術ではなく、楽しい痛快なワザ。この連載は、月刊『現代農業』の過去記事もとに「燃料高騰緊急特集」として月に1本ずつ公開(期間限定)していきます。

格安ハウスと河合正敏さん。基礎を打たないため、借りた畑にも建てやすい(写真はすべて依田賢吾撮影)
格安ハウスと河合正敏さん。基礎を打たないため、借りた畑にも建てやすい(写真はすべて依田賢吾撮影)

大型ハウスを作る時代じゃない

 「これで悩みが解決できるじゃん、と思ったね」と話すのは、露地とハウス合わせて7ha以上で周年小ネギ栽培をする河合正敏さんだ。知り合いだった森島恵介さん(2021年11月号参照)が廃パイプで再建した雨よけハウスを見て、課題だった冬場と梅雨時期の対応策に気づいたという。

 年間通じての安定出荷は市場競争に打ち勝つうえで至上命題という河合さん。そのためには、ハウスを増やして、露地では安定しない冬場や梅雨時期の収量をアップしたい。ただ、この地域で一般的な軒高4m以上の鉄骨ハウスはコンクリート基礎も必要で坪当たりの経費も4万円以上。収支を考えると現実的ではなかった。

ハウスの中の様子(緑肥栽培中)。1列の長いウネを歩いて作業するため、作業効率は連棟や大型ハウスに及ばないが、天井まで2mほどあってトラクタでも入れる
ハウスの中の様子(緑肥栽培中)。1列の長いウネを歩いて作業するため、作業効率は連棟や大型ハウスに及ばないが、天井まで2mほどあってトラクタでも入れる

機能を絞って低価格で建てる

 そこで森島さんの手作り雨よけハウスを参考に考えたのが、必要最低限の機能だけを詰め込んだシンプルなハウスだ。業者と一緒に森島さんのハウスを何度も見せてもらい、構造を研究。

安価で使い勝手がいいのでどんどん増設。サイドに巻き上げ機を付けても坪当たりの単価は1万5000円以下
安価で使い勝手がいいのでどんどん増設。サイドに巻き上げ機を付けても坪当たりの単価は1万5000円以下

 その結果、間口は狭めの2.8mにして強度を保ちつつ、アーチパイプは広めの80cm間隔で設置して経費を節約。側面の梁は1本の直管パイプとビニペット。さらに、地下に1本直管パイプを埋め込む「根がらみ」という方法で、浮き上がりを防ぐ工夫もした。天井までの高さは2mほどあり、トラクタ作業も可能だ。

 奥行き70m以上のハウスも作ったが、強度は十分。台風の時期だけはビニールをはげば、あとは問題なし。小ネギの生育も露地より確実に安定した。坪1万~1万5,000円で作れるので、どんどん数を増やし、悲願だった冬場や梅雨時期の安定出荷もみごと実現できた。

左は父親の正博さん。ハウスには冬場の保温用に妻面もつけたが、ドアではなくフタ型にして経費節約。パイプを地面に挿したら、側柱にパッカーで留めて固定する。出入りが必要な時も簡単に外せる
左は父親の正博さん。ハウスには冬場の保温用に妻面もつけたが、ドアではなくフタ型にして経費節約。パイプを地面に挿したら、側柱にパッカーで留めて固定する。出入りが必要な時も簡単に外せる
妻面のビニールには切れ込みがあり、手を入れて中のコックをひねれば、妻面を閉じていてもかん水できる
妻面のビニールには切れ込みがあり、手を入れて中のコックをひねれば、妻面を閉じていてもかん水できる

*月刊『現代農業』2021年11月号(原題:シンプルな構造の格安・頑丈ハウスができた!)より。情報は掲載時のものです。

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