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イチゴの炭疽病を抑えた納豆液

茨城・細谷勇一

重大な危機を乗り切った

 納豆液のことは『現代農業』2011年6月号「納豆菌で減農薬」特集で知りました。また、先輩からも「納豆は効く」と教わりました。その先輩はトマト農家で、『現代農業』でもたびたび記事になっている茨城県鉾田市の伊藤健さんです。

 本格的に使い始めたのは一昨年の夏からです。それまでは物は試し程度で、「なんか、うどんこ病に効くようだ」と感じていました。一昨年の夏は7月下旬まで梅雨寒で、梅雨明け直後から35℃の猛暑が続き、順調に育っていた苗が炭疽病にかかり、重大な危機に陥りました。

 対策として、発病した苗の葉やランナーを除去し、農薬散布を徹底。そして、納豆液を思い出し、農薬に混ぜて使いました。その後、除去しきれずに残っていた炭疽病のピンクの胞子が乾いたようになったので、効いたのを実感しました。もちろん、その葉やランナーなどは除去しました。

 定植後に発病して植え替えることもありましたが、納豆液と農薬のおかげか、当初予想したほどではなく、予備苗が不足している仲間に譲ることができました。

納豆と水を混ぜた納豆液。納豆1パック(50g)に対して300mlの水を加えてミキサーにかけ、二重にしたストッキングで濾したもの。これを希釈して100Lにする。農薬に混用し、10a当たり200L散布

炭疽病もうどんこ病も極めて少ない

 さて、昨年の話。

 前年の失敗を教訓に、育苗初期から納豆液と農薬の散布を徹底しました。夏は同じように梅雨寒のあと猛暑となったので・・・

2021年3月1日の様子。病気はほとんど出ていない

この続きは2021年6月号または「ルーラル電子図書館」でご覧ください

*月刊『現代農業』2021年6月号(原題:イチゴの炭疽病を抑えた納豆液)より。情報は掲載時のものです。

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