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〈最強の刈り払い機〉切れ味バツグン 笹刃使いこなし術

宮城県栗原市・菅原実悦みえつさん

「下刈りもアゼの草刈りも、笹刃を使えばいいんですよ。どんな場所でもラクに刈れるんです。チップソーなんて、比べ物になりません。でもね、いろいろとコツもありますからね。それをご紹介したいんですよ」

 編集部に電話をくれたのは、和牛繁殖農家の菅原実悦さん。自身が住む栗原市金成かんなり地区は岩手県との県境の中山間地で、急な畦畔が多く、草刈りも難儀な土地だという。それにしても、笹刃についてずっと話し続ける菅原さんはなんとも楽しそうだ。さっそくその「コツ」を見せてもらいに行くことにした。

菅原実悦さんイチ押しの「笹刃」。上から、刃研ぎ前、刃研ぎ後、新品(田中康弘撮影)

「刈り刃」界の刺身包丁

 菅原さんが笹刃と出会ったのは20年以上前。以前は4枚刃や8枚刃、チップソーを主に使っていたが、山はもちろん畦畔からもどんどん生えてくるササには、「刃」が立たないことが多かった。太いササでも切れる刈り刃を探し続け、「これだ!」と一目惚れしたのが笹刃だった。「刺身包丁で刺身を切るようにササを刈れた」という切れ味は「衝撃的だった」とか。

 それから菅原さんは笹刃の魅力にどんどんのめり込んだ。地域の農家や森林組合が使い古した笹刃を安値で買い取り、自分で研いで使えるようにしてきた。「さすがにもういらない」と話す菅原さんがこれまで集めた笹刃の数は「70枚はいくんじゃないか」とのことだ。

菅原さんイチ押しは「305径笹刈刃」(ツムラ)。径が大きく一振りで広範囲を刈れるうえ、切れ味もいい。チップソーは好きじゃないが、「岩間式ミラクルパワーブレード」(日光製作所)は切れ味がいいので好んで使う

笹刃を研ぐ

目立てする前に刃の形を整える。刃研ぎ台に笹刃を置き、ディスクグラインダーで切り口を削ってへこみを復活させる

切れすぎて庭の草刈りには向かない

 そもそも笹刃とは、30〜40枚の刃がついていて、切り口がノコギリのように互い違いになっている刈り刃のこと。よく切れるので硬い枝や木を切りやすく、山での下刈りにも向く。一方で、チップソーのチップほど硬い材質ではなく、切れ味を維持するためには頻繁に研がなければいけない。その手間を踏まえたうえで、「なんでも簡単に刈れる笹刃が一番ラク」なのだそうだ。

 かくいう菅原さんも、頼まれて家周りや庭の草を刈るときはチップソーやナイロンカッターを使う。笹刃だとあまりに切れ味がいいので、庭木をかすめるだけで誤って切ってしまうことがあるからだ。また、高刈りするアゼと違って、庭や畑周りは地際まで刈ったほうが見栄えがいい。地際刈りだと石や土に当たって刃こぼれすることも多いので、・・・

あわせて見たい 編集部取材ビデオ

笹刃を研ぐ 「切れ味バツグン 笹刃使いこなし術」より
笹刃を研ぐ 「切れ味バツグン 笹刃使いこなし術」より(公開終了)

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