〈兵庫から〉ひじきの煮汁をイネの苗に
南あわじ市に住む福岡國男さんは、鳴門海峡の潮が一年でもっとも引く、一~二月の新月の深夜零時を狙って、沖で渦に揉まれた絶品のひじきをたくさん採ってくるそうです。
とってきたひじきは、大釜で煮て食べるのですが、残った茶色の煮汁がなにかに使えないかと考えた福岡さん、以前市販の海藻エキスを水稲の苗にかけたところ根張りがよくなったことを思い出し、この煮汁も五〇〇倍くらいに薄めて、育苗中三回ほど苗にかけてみたそうです。
するとビックリするくらい根張りがよくなり、葉色もよくなりました。そうしてできたお米の食味は、なんと淡路島で三番に入るほどおいしくなったそうです。
福岡さんいわく「ひじきじゃなくても海藻ならなんでもいいはず」。海の近くの方はぜひお試しください。
*月刊『現代農業』2010年5月号(原題:ひじきの煮汁をイネの苗に)より。情報は 掲載時のものです。