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やさしい甘みふわっとひろがる ニンジン味噌ポタージュ

静岡・岡田涼子

味噌がマッチして味と香りが引き出される。皮ごと使って栄養もたっぷり

 寒さが続き、温かい料理が恋しい時期ですね。今月は温かいポタージュを紹介します。使う野菜はニンジンだけ。ニンジンのやさしい甘みや温かみのあるオレンジ色が楽しめる、冬にぴったりなポタージュです。

 寒さに当たったニンジンは甘みが増しています。塩を加えて弱火でコトコト煮込むことで、その甘みがさらに引き出されます。ニンジンが軟らかくなり、甘い香りが漂ってきたら、甘みが十分に引き出されたサイン。豆乳と味噌と塩を加えて、ブレンダーなどでなめらかにすれば完成です。ニンジンだけなのに甘さは十分で、やさしい味のポタージュになります。

 ニンジンに多く含まれているカロテンは、免疫力を高めて粘膜や皮膚を強くしてくれる働きがあるので、免疫力が低下しやすい冬に食べるとよい野菜の一つです。とくに表皮の下には多くのカロテンが含まれているので、コトコト煮込むことで皮まで軟らかくなり、丸ごと食べられるポタージュはおすすめです。

 味付けに味噌を使って和風に仕上げたのもポイント。ポタージュといえばコンソメなどを使った洋風の味付けが一般的ですが、違った味付けも面白いかなと思い、日本のスープといえば味噌汁だと味噌を入れて作ってみました。ニンジンの香りと味噌の風味が相まってとってもおいしいと、主人からも大好評。味噌を使うことで、フワッとまろやかな味に仕上がり、ニンジンの味や香りも引き立ちます。ただし、入れすぎると味噌の味が強くなり、ニンジンの香りも消えてしまうので、味の濃さを加減したい時は塩で調節します。

 ニンジンは当園で一番よく売れる野菜。品種は黒田五寸を育てていますが、ニンジンらしい味や香りが強く、最近主流のクセがなく食べやすい品種では物足りないお客さんに喜ばれています。寒い冬を乗り越えたニンジンのおいしさを、温かいポタージュでぜひ楽しんでみてください。

味と香り、温かみのある色を楽しんで

(静岡県富士宮市)


ニンジン味噌ポタージュ

【材料】

・ニンジン 250g
・水 150ml
・豆乳(無調整) 300ml
・味噌 大さじ1
・塩 適量

〈飾り用〉お好みでパセリ、ニンジンの葉などの緑色野菜を少々。乾燥野菜でもよい。

【作り方】

1.ニンジンは皮つきのまま小さめの乱切りにする。小さく切れば切るほど早く煮えてよい。

2.鍋にニンジンを入れ塩をひとつまみ振り、水を入れて中火にかける。沸いたら蓋をして弱火にし、約15分蒸し煮する。この時、火加減を調節するなど焦げ付かないよう注意する。

3.ニンジンが軟らかくなったら火を止め、豆乳・味噌・塩をひとつまみ入れてブレンダー(またはミキサー)にかける。なめらかになったら再度弱火にかけて、少しグラグラするまで混ぜながら温める。沸騰を続けると豆乳が分離してしまうので注意する。

4.火からおろして器に盛り、飾り用の野菜をあしらってできあがり。暖かくなってきたら、冷やして食べるのもおいしい。


月刊『現代農業』2018年2月号(原題:素材がグッと主張する 農家の食べごろ野菜レシピ(2)ニンジン味噌ポタージュ)より。情報は掲載時のものです。