3月号 栽培のコツ 試し読み 野菜・草花 2026年 ショウガの保存と発芽 濡れ新聞で包んだまんま芽出し植え 2026-02-13 ショウガ栽培の課題の一つが、種ショウガの保存。種代も高価なので、失敗は避けたいですよね。今回は、滋賀の海老原豊さんに種ショウガの保存法から定植までの流れをご紹介いただきました。 執筆者:海老原 豊(滋賀県甲賀市) 『現代農業』2026年3月号「ショウガの保存と発芽 濡れ新聞で包んだまんま芽出し植え」より 保存の成功率が100%に 種ショウガは保存が難しく、失敗してあきらめている方も多いかと思います。私もその一人で、土に埋めたりモミガラで保温したりといろいろな方法を試みましたが、失敗の連続でした。 そこでショウガの特性や保存方法を書籍やネットで調べ、試行錯誤の末、新聞紙に包んで水で湿らせて保存する方法にたどり着きました。独自の工夫もプラスすることで成功率100%を達成しました。 ショウガは、定植から芽が出るまで1カ月くらいかかるので、心配性の人には心労が絶えない作物です。でもこの保存方法なら発芽ぞろいも格段によくなります。 11月上旬、ヒツジ堆肥(2頭飼育)の効果も相まって、たっぷり収穫できた。筆者は元・滋賀県勤務、農業革新支援専門員として畜産を担当していた(2025年1月号p236) 猫が居眠りする場所で保存 保存のポイントは適正な温度と湿度を維持することです。ショウガは冬に食べることが多いので低温に強いと思いがちですが、じつは南方系で寒さに弱い植物です。低温が数日続くと傷んでしまうので、できるだけ13℃以下にならない場所に保存します。 真冬でもエアコン等で暖房ができ、暖気がたまる部屋の上部が保存場所に向いています。わが家は猫を飼っており、冬場に猫達が常駐している居間が一番暖かいので、そこを保存場所にしています。エアコンを切っても10℃以下にならないので安心です。 新聞紙に包んでしっとり湿らせる 種ショウガは乾燥させてしまうと発芽しなくなります(水で戻してもダメでした)。そのため保存期間中(11~4月の6カ月間)は90%程度の湿度を保つ必要があります。湿度を長期間保つ最適な方法が、新聞紙で包んで濡らす方法です。 用意するのは水道水、アルコールスプレー、新聞紙、保存用の段ボール箱とポリ袋。作業手順は次の通りです。①収穫したショウガを水洗いし、茎と根を切り取ります。②アルコールスプレーで切り口を簡単に消毒し、新聞紙で包みます。握りこぶし大の種ショウガなら、新聞紙は4分の1サイズで十分です。 段ボール箱の内側にポリ袋(種ショウガの容積の2倍程度の大きさ)を入れます。③②の種ショウガの上からヤカンなどで水をかけて一つずつ湿らせます。ここで重要なポイントは水をかけすぎないこと。さっとかけて水が下まで回りきらないところでストップし、すばやくポリ袋に入れていきます。水をかけすぎて箱の底に溜まらないように注意します。 ④箱が8割ほど埋まったら投入完了。最後に袋の中をアルコールスプレーで軽く消毒します。⑤袋の口を軽く閉じます。密封すると蒸れて腐敗するのでフワッと畳むだけです。 ⑥段ボール箱の蓋を閉じて作業は終了。ここでも蓋は密閉しません。通風できる状態にしておきます。保存場所に並べる時は箱を積み重ねないようにします。 箱の中で2~3cm芽出し 保存期間中は1カ月に1回程度、乾燥していないか観察します。新聞紙の表面が乾いていれば軽く水で濡らします。水分が多すぎると蒸れて茎の部分が腐敗し、ショウジョウバエが発生することがあるので、その場合は蓋を開けて適度に乾かします。ショウジョウバエは、段ボール箱の蓋の裏側に殺虫剤を少量スプレーするだけでいなくなります。 慣れてくると新聞紙を湿らせる加減がうまくなり、追加の加湿やショウジョウバエの発生もなくなります。私はいまでは春までに1回チェックするだけです。 4月になると、ショウガの芽が新聞を破いて出てきます。根も脇から出てきます。芽の長さが2~3cm程度になる4月中下旬~5月上旬が定植の適期です。 4月中旬頃に箱の中で芽を出し始めた種ショウガ 新聞紙ごと、ずぼら定植 植え付けまでに畑を準備します。ショウガは肥料と水でつくるので、土づくりが重要です。私はヒツジの糞でつくった堆肥を1m2当たり20kg程度施用しています。 種ショウガを箱から取り出し、大きいものは半分に折って20cm間隔で植え付けます。以前は新聞紙をはがして植えていたのですが、誤って芽を折ったり、植えるまでに毛根が乾燥したりしてしまうので、今はそのまま植えています。 植え付けの深さは10cmくらい、芽の先が…… この続きは『現代農業』2026年3月号または「ルーラル電子図書館」でご覧ください。 2026年3月号の特集「植え方無限大 イモとショウガの増収術」には、以下のショウガ関連の記事も掲載されています。本誌または「ルーラル電子図書館」でぜひご覧ください。サトイモとショウガは育苗栽培、ジャガイモは切り分けで収量アップ 東山広幸 【図解】イモとショウガの正体 それって塊茎、塊根? ルーラル電子図書館は、年額制の有料会員向けサービスです。 ルーラル電子図書館の会員になると… 『現代農業』の最新号が電子書籍ですぐ読める 便利な検索機能で、『現代農業』の過去の記事が読み放題 動画で農機具のメンテや栽培のコツを分かりやすく解説 豊富な写真から、園地で病害虫をサッと特定、 登録農薬もすぐわかる ルーラル電子図書館についてもっと詳しく見る 現代農業 2026年3月号特集:植え方無限大 イモとショウガの増収術定価1,100円 (税込) 3月号を注文する 定期購読する Tags: ショウガ, 植え方, 芽出し, 発芽, 保存