熊本・太田伸一

香りに癒されながらのクラフト作り
熊本県の有明海に近い場所にある30aの畑で、レモングラスをはじめ年間約60種類のハーブを有機・無農薬で栽培し、加工・販売しています。
当園で最も生産量が多いレモングラスは、一見するとススキのように見えますが、その葉に触れると爽やかな香りが漂い、私たちをリフレッシュし元気づけてくれます。このため、葉の部分はハーブティーやアロマテラピーに利用されます。茎の部分はインド料理やタイ料理、ベトナム料理などに多く利用され、私たちの食欲を刺激してくれます。
さらに、レモングラスは草丈が長く茎や葉の色もきれいなことから、イナワラの代わりにしめ縄や籠、リースなどのクラフトに利用することができます。加工する時は爽やかな香りに癒されながら、クラフト作りを楽しめます。

クリスマス飾りキットで販売
当園では栽培したハーブを使ったハーブティーやドライハーブなどをホームページで販売しています。ブログで栽培状況などをお知らせしていますが、4年ほど前にブログの読者から「しめ縄づくりに使用したいので長いままのレモングラスは作れませんか?」とお尋ねがあり、しめ縄用のレモングラス作りを始めました。
その後クリスマスリースやクラフト用にも利用されるようになり、飾り付けに使うハーブ(ラベンダー、ローズマリー、ダイヤーズカモミール、エキナセアなど)と一緒にしてキット販売を始めました。
レモングラス100gに、お好みに応じて飾り用のハーブ数種類をセットにして1100円前後で販売していますが好評で、年々注文が増え続け、今では全国からリース用、しめ縄用あわせて約500セットの注文をいただくようになっています。全国各地のハーブ・アロマ教室などでは、レモングラスを使ったクラフト作りが年末の行事として定着しつつあります。
葉をバラしてしっかり乾燥
リース台用には長さ1m以上の乾燥したレモングラスの茎葉が必要です。収穫したレモングラスは水洗いした後、葉鞘をむくようにして1本ずつにバラします。こうすると中までしっかり乾燥させられます。
食品用の乾燥機を使って2日間乾燥させますが、当園はこのほぐして乾燥させるまでの作業を地域の障害者施設に委託しています。施設にある大きな乾燥機なら、レモングラスを折りたたまずに乾燥させられます。
<リース用素材の用意>




飾りもリース台もお好みで
クリスマスリースを飾る由来は、新年の厄除けや豊穣の祈りで、キリスト生誕を祝うものといわれており、赤いリボン、常緑樹の葉、星を表す光るものが飾られることが多いですが、こだわらずお好みのものでいいと思います。
リース台の作り方も三つ編みにして輪にしたり、縄を編んでから輪にしてもいいですし、ふわっと柔らかく丸めるだけでも素敵です。みなさんもお好みのクリスマスリース作りにチャレンジしてみてください。きっと癒され、楽しめると思います。
(熊本県熊本市)
<リース作りの前の下準備>

<リース作り>
◆いちばん簡単 ふわっと巻き

◆三つ編みにして


◆縄を編んで

◆飾り付けのポイント


*月刊『現代農業』2017年12月号(原題「レモングラスで作るクリスマス飾り、キット販売も大好評)より。情報は掲載時のものです。
自然素材で楽しむ 手仕事&クラフト
農文協 編
稲わら・麦わら・ひょうたん細工、しめ飾り・正月飾り、ドライフラワー・花飾り、かご編み、ほうき作り、草木染め、柿渋塗りなど、農家・農村の手仕事&クラフトから、手軽にできる作品づくりを1冊に集大成。