現代農業WEB

令和8(2026)年
1月21日 (水)
睦月
 友引 乙 未
旧12月3日

あああ

特集 動き出した!耕さない農業 ちょこっと不耕起のすすめ(2025年10月号)読みどころ

動き出した!耕さない農業 ちょこっと不耕起のすすめ

自給菜園から大規模畑作農家まで、全部の畑でなくとも、一部で楽しみながら始める「ちょこっと不耕起」を試す農家が増えてきました。また、海外発の段ボールと堆肥のマルチを使った不耕起栽培「ノーディグ(No-Dig)」や、「ライムギ押し倒しダイズ栽培」の魅力と難しさも見えてきました。

「ただどり栽培」にチャレンジ!

これから始まる秋野菜づくりでおすすめなのが、アブラナ科野菜の「ただどり栽培」ともいえそうなやり方です。

愛知県で不耕起農業を実践する松澤政満さんの技術を、大阪の吉村さんが「実際にやってみた」と報告してくれました。

露地よりラク!? ハウストマトで耕さない農業 吉村次郎
「露地よりラク!? ハウストマトで耕さない農業」(吉村次郎)より

夏草がぼーぼーに茂った草むらみたいな畑に、アブラナ科野菜のタネを花咲かじいさんのように播いていき、その後にモアで草を粉砕するだけ。比重の重いタネが地面に落ち、その上に草が被さって覆土の替わりをしてくれる。放っておくだけでダイコンなどがただどりできるという痛快なワザです。

いいものがたくさんとれる

直接的な動機はいろいろですが、「なんとかラクをしたい」というのも一つでしょう。

歳をとると「作業一つひとつがこたえる」と古希を迎えた長野の牛久保さんが始めたのが、ウネや支柱を連続利用するキュウリ後のスナップエンドウ栽培や、ウネと通路を入れ替えるだけの「ちょこっと不耕起」です。

不耕起といえば、草ボーボーで見た目が悪く、雑草に栄養をとられて野菜なんて育つはずがない、と思われがちですが、それがどっこい、いいものがたくさんとれる!

各記事の作物の姿にもぜひ注目してください。5月半ばに黄色くなるはずのスナップエンドウが6月でも青々と育つ写真や、不耕起・無肥料なのに、大玉トマトがまるでミニトマトのようにわっさわっさと茂り、玉太りしたトマトがたくさんぶら下がっている姿は圧巻です。

不耕起30a 草の中で育つ野菜にビックリ 小林美保子
「不耕起30a 草の中で育つ野菜にビックリ」(小林美保子)より

大規模でも「ちょこっと不耕起」

また、大規模畑作農家が挑戦する「ちょこっと不耕起」にも注目です。

アメリカのロデール研究所が開発した、「ライムギ押し倒しダイズ不耕起栽培」を挑戦する農家からも興味深い報告が集まりました。

冬越ししたライムギを春に粉砕せず、押し倒して敷きワラ代わりにして、ダイズのタネを播き、肥料なし、中耕・除草もなしで収穫してしまうという画期的な方法ですが、高温多湿で雑草の生育が半端ない日本ではまだ、「成功した!」といえる事例は見つかっておりません。でも、「晩播狭畦密植」と組み合わせたり、ライムギ押し倒しやダイズ播種のタイミングを試行錯誤しながら、一歩ずつ前へ進んでいる模様を紹介しています。きっと近い将来、続々と成功する農家が現れる未来が訪れそうな予感がします。

ローラークリンパーで緑肥(カバ ークロップ)を押し倒し、ダイズを 播種する方法は、アメリカのロデー ル研究所で開発され、本誌では20 23年1月号で初めて紹介した。以 来、各地で実践が進んでいるが、完 全に無農薬(除草剤なし)で成功し た事例はまだ日本ではなさそうだ。 しかし、各地の実践から、課題解決 のヒントもいろいろ見えてきた。
ローラークリンパーで緑肥を押し倒し、ダイズを播種する方法を実践する事例を紹介。「各地で続々挑戦中! ライムギ押し倒しダイズ栽培をうまくやるには?」より

「不耕起なんて難しい」と思うことなかれ。発想を転換して、畑の一部で「ちょこっと不耕起」してみれば、草や作物、土の力を味方にして、ラクして楽しく、気候変動の時代を生き抜く知恵がきっとみつかるはずですよ!

その他の巻頭特集以外のコーナーも見どころ満載です。一部ご案内します。

🟢もっと自由に太陽熱処理

今や当たり前の技術になりつつある太陽熱処理。有機物や水をたっぷり入れて、太陽熱で蒸し込むと、病害虫や雑草を防除できる。おまけに微生物の働きで土がフカフカに!「こうじゃなきゃいけない」という決まりはないので、農家独自のやり方が生まれ、進歩し続けています。

今や当たり前の技術になりつつある!? 有機物や水をたっぷり入れて、 太陽熱で蒸し込むと、病害虫や雑草を防除できる。 おまけに微生物の働きで土がフカフカに! 「こうじゃなきゃいけない」という決まりはないので、 農家独自のやり方が生まれ、進歩し続けている。 太陽熱処理中の畑。透明マルチを張って地温を上げる(田中康弘撮影)
太陽熱処理中の畑。透明マルチを張って地温を上げる(田中康弘撮影)

🟢いいぞ! 竹チップ・竹パウダーマルチ

竹チップを畑のマルチとして使ってみた実験や、竹林で利用するコツなど。

🟢虫の糞は最強の肥料

小さな体で有機物をせっせと分解。出てきた糞には養分も微生物もたくさん含みます。カブトムシ糞、ミズアブ糞、ミールワーム糞、ミミズ糞など紹介。

🟢バイオスティミュラント製品の最新動向

作物の葉に共生して、空中のチッソを固定する細菌資材が話題を呼んでいます。最新情報と実践農家のリアルな声を集めました。

作物の葉に共生して、空中のチッソを固定する 細菌資材が話題を呼んでいる。 実際に使った農家は効果を実感しつつも、 使いこなしにコツがいるという。 最新情報と実践農家のリアルな声を集めた。

🟢農家の手作りバイオスティミュラント!?

🟢光合成細菌・酵母菌液肥で、増収・減肥

🟢お手軽 土壌のセルフ診断

見たり触ったりするだけで土の状態がわかっちゃう。そんな手軽な方法をご紹介します。

🟢ネギのウネ間緑肥に本気で挑戦

🟢果樹のチッソ施肥、秋はやめるべき!?

近年、秋のチッソ施肥をやめた果樹農家から「翌年の発芽がよくなった」「減肥につながった」などの声が届いています。各地の動きと農家の実践を追ってみました。

近年、秋のチッソ施肥をやめた果樹農家から 「翌年の発芽がよくなった」「減肥につながった」 などの声が届く。各地の動きと農家の実践を追う。

🟢化成肥料の今を調べてみた、ほか

現代農業 2025年10月号

特集:動き出した! 耕さない農業 ちょこっと不耕起のすすめ

定価
1,100円 (税込)

『現代農業』の最新号の電子書籍や過去の記事がすぐ読める「ルーラル電子図書館」もぜひご利用ください↓

ルーラル電子図書館は、年額制の有料会員向けサービスです。

ルーラル電子図書館の会員になると…