農家直伝!びっくり料理 栽培のコツ くらし記事一覧 試し読み 山・特産 2025年 5月号 しびれと香りの和スパイス 実山椒を一年中楽しむコツ 2025-04-15 取材対象者:白戸啓子さん(埼玉県ときがわ町) 『現代農業』2025年5月号撮影:依田賢吾 サンショウに取りつかれた 「緑のダイヤ」と呼ばれるほど色鮮やかで、香り高い実山椒。5~6月につくその実の収穫期間は7~10日間と短く、香りも収穫から時間が経つにつれてどんどん薄れてしまう。小さい実を外すのもなかなかの手間だ。 「でも、実山椒を上手に保存すればずっと色や香りを保てるし、粒外しもラク。気軽にさまざまな食材と合わせて一年中楽しめるんですよ」 そう語るのは、野菜料理研究家の白戸啓子さん。サンショウの新興産地・埼玉県ときがわ町(2023年8月号p177)に5年前に移住して以来、さまざまな食材との食べ合わせのよさにすっかり魅了され、いまやレシピは100以上。自称「サンショウに取りつかれた女」だ。 白戸啓子さん。料理教室「野菜の食卓」を主宰。ときがわ町山椒栽培協議会とともにサンショウの振興に携わる さっそく実山椒の保存の極意をうかがった。ポイントは二つあるという。 ポイント1 ゆで時間はたった50秒! 一つ目はゆで時間。収穫後の実山椒は、アクを抜くために下ゆでするのが一般的。けれども慣習的なゆで時間では長すぎて、香りが逃げてしまうのだと白戸さんはいう。 そんな白戸さんはなんとたったの50秒。しかも房ごとゆでてしまう。 「新鮮な実ならこれで十分。粒が大きいときや輸送されて日が経って硬い場合は1分以上ゆでる必要がありますけどね」 試しにゆで時間ごとに実山椒がどのように変わるのか、50秒、3分、6分で実験してみた。 まず香りを比べてみようと思ったのだが、すでに見た目から大きく違う。3分以上ゆでたものは、明らかに色あせているのだ。ゆで汁には実の色だけでなく、香りも移ってしまっていた。 「3分ゆでたものも6分ゆでたものも、注意して嗅がないと香りがわからないですね。フレッシュ感がない」と白戸さん。それに対して、50秒の房は色鮮やかで、遠くからでも香りがわかる。 「色も香りもすばらしい! 使うならやっぱりコレですね」 ゆでたあとの実は、すぐに冷水に1時間さらしてアクを抜ききってから水を切る。 ポイント2 房ごと冷凍で粒外しがラクに 二つ目のポイントは、房ごと冷凍すること。一般的には保存前に房から実を外すが、1粒ずつ取るのはすごく大変。そこで白戸さんは、キッチンペーパーで房の水分をとり、100gずつに分けてゆでた房ごとフリーザーバッグに入れて冷凍している。 「あとは使いたいときに冷凍庫から取り出して、バッグの上から手で揉むだけで房から実がポロポロ外れるんです。空気を抜くのがポイントです」 実際にゆでる前の実山椒を1粒ずつ房から外してみると、時間がかかるし指の力もいる。それに対して、冷凍したバッグを揉んでみると実が房から一気に外れて、残った房が浮き上がってくるのだ。 「これなら何kgでもできるでしょ! ラクだわー」と、バッグを揉み続ける白戸さんだった。 佃煮にしておけば幅広く使える 冷凍した実は、ちりめん山椒にしたりカレーに入れたりと大活躍。けれども白戸さんは………… この続きは『現代農業』2025年5月号または「ルーラル電子図書館」でご覧ください。 ルーラル電子図書館は、年額制の有料会員向けサービスです。7日間使い放題のおためしキャンペーンも実施中です。 ルーラル電子図書館の会員になると… 便利な検索機能で、『現代農業』の過去の記事が読み放題 動画で農機具のメンテや栽培のコツを分かりやすく解説 豊富な写真から、園地で病害虫をサッと特定、 登録農薬もすぐわかる 利用期間中は、雑誌『現代農業』が毎号サービス。郵送でお届けします 農文協のオンラインストア「田舎の本屋さん」の年会費がサービス ルーラル電子図書館についてもっと詳しく見る 現代農業 2025年5月号ナス、ピーマン、トマト、キュウリ つるちゃんの夏野菜完全攻略定価1,100円 (税込) 5月号を注文する 定期購読する Tags: サンショウ, 実山椒