現代農業WEB

令和6(2024)年
4月28日 (日)
卯月
 仏滅 壬 戌
旧3月20日

あああ

ホーム » 2021年 » 2月号 » タネの本が出ました!

タネの本が出ました!

『現代農業』誌上タネ交換会 2021

 今、「タネ」に再び関心が集まっている。そのきっかけとなった種苗法や種子法をわかりやすく解説する本、そしてタネに興味を持った人が、自家採種(タネ採り)やタネ交換に挑戦するのを後押しする本が出ました。

ー 種苗法の本-

 消費者をも巻き込んで大論争を巻き起こした種苗法改定。農水省の改定案は国会審議を通過、2021年4月に施行されることになった(登録品種の自家増殖が許諾制になるのは22年4月)。出たばかりの農文協ブックレット『どう考える?種苗法 タネと苗の未来のために』では、種苗法とはいったいどういう法律で、改定のねらいはどこにあるのかをわかりやすく解説している。

 本誌で繰り返し紹介したように、焦点となったのは日本の新品種の海外流出防止と農家の自家増殖の制限。ブックレットではその論点を整理し、両者を分けて考えることで、農家の自家増殖の権利を守る道をさぐる。

 執筆陣には梨木香歩さん、塩野米松さん、藤原辰史さんら気鋭の作家の他、農家育種家の石綿薫さん(長野県)、林重孝さん(千葉県)、農水省OBの西尾敏彦さん、大川雅央さんら豪華な顔ぶれが並ぶ。元農水省種苗課長・松延洋平さんによる「種苗法誕生秘話」も掲載。本誌で読み逃した方は、ぜひ購読してほしい。

どう考える? 種苗法(農文協ブックレット22)

農文協 編

2020年12月発売。 農文協編、税込990円 種苗法改定案を巡って錯綜する議論を整理。品種の海外流出防止と農家の自家増殖原則禁止を分ける視点を提示。品種は単なる知的財産ではなく共有材であるという視点から育成者の権利と農民の権利を共に守る道を示す。

ー 種子法の本-

 ちなみに、2018年に廃止された種子法(主要農作物種子法)については、同じ農文協ブックレットのシリーズから出ている『種子法廃止でどうなる? 種子と品種の歴史と未来』(税込990円)が詳しい。ぜひ、併せて読んでほしい。

種子法廃止でどうなる?(農文協ブックレット18)

農文協 編

稲、麦、大豆などの種子生産を都道府県が責任をもつ法律が廃止された。稲の品種育成や種子生産の実態はどうなっていて、種子法廃止でどうなるのか。日本の食料の根本となる種子を公共財という観点から改めて見直す。

ータネ採り・タネ交換の本-

 農家不在で決まった種苗法の改定や種子法の廃止。しかし、それがきっかけでタネに改めて関心を持った、という農家や消費者もいそうだ。本誌で2019年にスタートした「誌上タネ交換会」の参加者にも、そんな人が少なくない。「初めて自家採種にチャレンジしてみました」「近くでタネ交換会があるのを知って、参加してみました」といった手紙も届く。

 そこでぜひ手に取ってもらいたいのが『農家が教える タネ採り・タネ交換の本』。こちらは「別冊現代農業」シリーズで、本誌のタネ採り、タネ交換の記事をベースに新たな記事を加えてまとめた実用本だ。基礎知識のQ&Aに始まり、タネ採りの具体的なやり方を、作物別に詳しく解説。一般的に難しいとされるジャガイモも、問題なく自家採種できる品種を挙げて紹介している。

 また、自分で採ったタネを交換しあう全国のタネ交換会も一覧で紹介するほか、タネ交換できる農家の連絡先リスト、タネ屋推薦の自家採種向き品種のリスト、作物別さくいんも収録している。(編)

農家が教える タネ採り・タネ交換

農文協 編

「どんな野菜でも採れるの?」「タネはいつ採ってもいいの?」「交雑してヘンな品種ができてしまうのでは?」などといったタネ採り初心者の疑問や不安にやさしく答える。強いタネが採れて、タネ交換もできる。

≪別冊現代農業2021年1月号「農家が教える タネ採り・タネ交換」を単行本化したものです≫