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【ビーツ】蒸す、ペーストにする ビーツをもっと気軽に楽しむアイデア

北海道・中村良子

ビーツ 世界各地で栽培されてきた健康野菜で日本でも生産者が増えてきた。健康や美容に役立つビタミンとミネラルが豊富で別名「食べる輸血」。赤い色素はベタシアニンというポリフェノールの一種で強い抗酸化作用がある。カブに似ているがホウレンソウと同じヒユ科(依田賢吾撮影)

わが家の生活に彩りをくれた野菜

 非農家の育ちですが、結婚を機に子供の頃から憧れていた農村生活をスタート。それから30年以上経ちました。大規模な畑作専業農家で、非常に単調な農作業の続く時期もありますが、2006年から始めたビーツ栽培のおかげで農場の生活に彩りが加わりました。

 ビーツ栽培を始めてからは、母親や主婦の感覚でこの魅力を広めたいと思い、さまざまな普及活動に取り組んでいます。大学で美術を専攻していた私には、深紅のビーツを料理にどう活かすかが、非常に興味深い。しかも栄養豊富な健康野菜ということでやりがいを感じています。

参加型キャンペーンが大盛り上がり

 昨年来、コロナ禍の自粛続きで、家で料理を作る人が増えました。ちょうど各地で感染が広がり始めた頃、ビーツが大豊作となり、売れ残る分を大量廃棄する必要に迫られました。これをムダにせずにビーツの宣伝に使えないか、と希望者を募って無料でプレゼントするキャンペーンを思いつきました。希望者にはプレゼントの代わりに、SNSで自分なりのビーツ活用法を発信してもらいます。

 「日本全国ビーツ普及キャンペーン」と名付け、参加者をフェイスブックやツイッター、新聞で募集したところ、なんと330名ほどの申し込みがありました。参加者の大半は一般の市民。写真や動画でそれぞれのビーツの活用法を紹介してくださり、私にとって大きな感動と励みになりました。

 そして、このキャンペーンでもビーツ活用の課題にあがったのが、調理に時間がかかる点です。そこでおすすめなのが、蒸したりペーストにしてから保存しておくこと。あらかじめ下ごしらえしておくことで、日々の料理にとっても使いやすくなります。

ペーストを使った料理

ビーツカレー

粉チーズをかけるのがポイント。真っ赤な見た目の印象が和らぐ

ビーツ大福

おもちをつく時に混ぜるだけ。ヨモギのペースト入りも加えて3色もち

ビーツパン

生ビーツのすりおろしを加えて、色を損ねないように160℃で焼き上げる。下処理の加熱なしで作れる

下ごしらえ術

1 ペーストにする

 ビーツは生でも加熱しても使えます。ただ、ダイコンなどに比べると加熱に要する時間が長い。とくに寒くなる頃に収穫して冬の間保存したものは硬くなるため、長時間の加熱が必要です。

 そこで、竹串がスッと通るまで蒸したビーツを少量の水と一緒にミキサーでペースト状にしたものを、密封袋で小分けにして冷凍保存しておきます。ミキサーの代わりにすりおろし器ですっても構いません。

 使い方はカレー、うどん、マッシュポテト、おもちをつく時などの仕上げに加えるだけ。アイデア次第で何にでも使えて、ビーツ活用の幅がグンと広がります。

密封袋に入った蒸しビーツ

2 蒸して冷凍する

 十分に蒸したビーツをそのまま密閉袋で冷凍保存するのもおすすめです。色が損なわれることもなく、レンジなどで解凍すればスープやポテトサラダ、パスタやコロッケなどの料理がすぐに作れます。

 蒸さずに、ゆでたり、ホイルに包んでオーブンで焼いたりしても同じように冷凍保存できます。

*月刊『現代農業』2021年12月号(原題:蒸す、ペーストにする ビーツをもっと気軽に楽しむアイデア)より。情報は掲載時のものです。