栽培のコツ 2022年 試し読み 10月号 肥料・土づくり 〈ケイ酸新事情〉新・薄井流! オルトケイ酸の葉面散布で剪葉・苗踏みがいらなくなった 2022-09-02 福島・薄井勝利 筆者(85歳)と葉のよく立ったポット成苗(写真はすべて依田賢吾撮影) イネにとってケイ酸は必須栄養であり、多収のためにはイネの要求量(必要量)以上に与える必要があります。しかし、根からは必要以上には吸収されないために、通常は元肥で必要量のみを施すことになります。 しかし私の健康稲作では、骨格肥料としてケイ酸をより重視。高い光合成を達成するため、必要量の100%を根から吸収させたうえで、さらに葉面散布で吸収させ、登熟期の葉の活動を維持することを目標としています。 こちらも以前のナイロンカッターでの剪葉。株元に光を取り入れるのが目的。徒長がなくなり、葉がより立つようになったので必要なくなった 以前やっていた苗踏み。徒長を防止し頑健な茎に仕上げるのが目的だった 散布翌日から葉が直立 まずは育苗期、私は苗代に据え付けてつくるポット成苗です。苗代にはあらかじめ「シリカ21」を坪当たり1kg施し、苗が土中から吸収できるようにしておきます。また、培土には重量比で30%のシリカ21を混用します。 葉を直立させるため、育苗中にもケイ酸を与えます。ケイ酸資材の多くはアルカリ性ですが、イネは酸性作物なので、私は弱酸性で水溶性の「リフレッシュ」を使ってきました。しかし、かん水同時で根に与えていたため、「必要以上には吸収しない」原則により、効果はよくない気がしていました。 近年発売された酸性液体ケイ酸「正珪酸」によって、これが一変しました。ケイ酸が植物に吸収されるためには、水に溶けてメタケイ酸やオルトケイ酸などの小さな分子となる必要があります。リフレッシュのような水溶性ケイ酸資材の場合、溶けてから吸収されるまでに時間がかかります。 一方、正珪酸はすでに水に溶けており、しかも作物が一番吸収しやすいオルトケイ酸に調製されているため速効性があります。これを霧状に葉面散布するとさらに速効性があり、苗の多少の垂れ葉であれば、散布した翌日には直立性が見られるようになります。 ただし、正珪酸だけだと持続性には欠けています。そこで考えたのが、・・・ この記事の続きは2022年10月号をご覧ください 2022年10月号 2022年10月号を注文する 最新号から定期購読する 2022年10月号の試し読み 〈地力チッソを生かす〉地力チッソを測って、肥料代も燃料代も節約できた 〈安くてカンタン お手軽畑診断〉土が健康だとボロボロに!? 畑に埋めたパンツで微生物の量が見えた 〈今さら聞けない安い単肥の話〉カリの話 10月号の読みどころへ戻る 福島の稲作名人・薄井勝利さんには、これまでにもたくさんの記事を書いていただきました。最近の連載は、以下の通りです。 【連載】写真で見る多収イネの姿(全7回と取材ビデオ) 【連載】多収イネの姿とは?(全16回) 【連載】薄井流 実践的肥料の基礎知識(全6回) ◆薄井さんの稲作技術をまとめて読める農業情報サイト「ルーラル電子図書館」のご案内はこちら↓ Tags: ケイ酸