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〈ケイ酸新事情〉新・薄井流! オルトケイ酸の葉面散布で剪葉・苗踏みがいらなくなった

福島・薄井勝利

筆者(85歳)と葉のよく立ったポット成苗(写真はすべて依田賢吾撮影)

 イネにとってケイ酸は必須栄養であり、多収のためにはイネの要求量(必要量)以上に与える必要があります。しかし、根からは必要以上には吸収されないために、通常は元肥で必要量のみを施すことになります。

 しかし私の健康稲作では、骨格肥料としてケイ酸をより重視。高い光合成を達成するため、必要量の100%を根から吸収させたうえで、さらに葉面散布で吸収させ、登熟期の葉の活動を維持することを目標としています。

こちらも以前のナイロンカッターでの剪葉。株元に光を取り入れるのが目的。徒長がなくなり、葉がより立つようになったので必要なくなった
以前やっていた苗踏み。徒長を防止し頑健な茎に仕上げるのが目的だった

散布翌日から葉が直立

 まずは育苗期、私は苗代に据え付けてつくるポット成苗です。苗代にはあらかじめ「シリカ21」を坪当たり1kg施し、苗が土中から吸収できるようにしておきます。また、培土には重量比で30%のシリカ21を混用します。

 葉を直立させるため、育苗中にもケイ酸を与えます。ケイ酸資材の多くはアルカリ性ですが、イネは酸性作物なので、私は弱酸性で水溶性の「リフレッシュ」を使ってきました。しかし、かん水同時で根に与えていたため、「必要以上には吸収しない」原則により、効果はよくない気がしていました。

 近年発売された酸性液体ケイ酸「正珪酸」によって、これが一変しました。ケイ酸が植物に吸収されるためには、水に溶けてメタケイ酸やオルトケイ酸などの小さな分子となる必要があります。リフレッシュのような水溶性ケイ酸資材の場合、溶けてから吸収されるまでに時間がかかります。

 一方、正珪酸はすでに水に溶けており、しかも作物が一番吸収しやすいオルトケイ酸に調製されているため速効性があります。これを霧状に葉面散布するとさらに速効性があり、苗の多少の垂れ葉であれば、散布した翌日には直立性が見られるようになります。

 ただし、正珪酸だけだと持続性には欠けています。そこで考えたのが、・・・

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現代農業2022年10月号
2022年10月号

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