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〈農業情報サイト「ルーラル電子図書館」をつかいこなす〉冬場のまとめ読みで規模縮小を決めた

山口県宇部市・才木誠

筆者(38歳)。左は妻の祥子

「積読《つんどく》」だった『現代農業』

 山口県宇部市で「まこっこ農園」という屋号で農業をしています。新規就農して12年目となりました。

 現在はハウス15aでミニトマト、スナップエンドウを、露地で白ネギ50aを中心にホウレンソウなどを栽培しています。大学や卒業後の就職先は農業分野だったのですが、作物を実際に栽培したことはほとんどなく、就農後に本を片手に始めました。

 しかし最近は農作業にも慣れ、10年以上購読を続けている『現代農業』もあまり読まなくなっていました。いわゆる「積読」です。

 昨年末、農文協の方から電話があって、「ルーラル電子図書館」を勧められました。ルーラルは就農前から知っていましたが、『現代農業』を購読しているし必要ないと考えていました。しかし、ちょうど次年度の作付け計画や目標を考えていたところだったので使ってみようという気になりました。ここ数年振るわないミニトマトをどう立て直すか頭を悩ませていたのです。

 『現代農業』は、栽培上困った時に読み直します。「そういやあの記事、あの特集になんか書いてあったな」と思い出して読むわけです。しかし記憶は曖昧で、最近は読んでいなかったので、思い出せる記事も古いものばかりでした。ルーラルならキーワードで記事を検索できるし、『農業技術大系』を読めるのも魅力です。ミニトマトの立て直しに役立つと思いました。

まこっこ農園のカラフルミニトマト

「親方」の記事で決断

 申し込んで最初に検索したのは、静岡県伊豆の国市のミニトマト農家、「親方」こと鈴木幸雄さんの記事でした。管理技術の基本的な考え方の記事をいま一度読み込んでみたいと思ったからです。鈴木さんの記事は約10本あり、すべて通して読むことでミニトマトの樹勢の見方や維持の仕方、経営について考え直すことができました。

 その結果、例年10a以上作付けるミニトマトを、今年は5aに減らすことにしました。思い切って規模縮小することにしたのです。また、いつもはミニトマトと並行して他の果菜類をつくることもありましたが、今年はミニトマトのみに絞ることにしました。

 記事を読んで、これまでは収量が上がらないのを面積のせいにして、技術や作業性の向上を疎かにしていたと気付いたのです。面積を半分にする分、しっかり管理して増収し、昨年までと同じかそれ以上の売り上げにするのが目標です。

冬場にまとめ読み

 使い始めたのが、作業が忙しくなる前の冬場だったというのも幸いでした。忙しい時期に課題に直面して対処するのと、時間のある時期に余裕をもってじっくり考えるのとでは、同じミニトマトのためなのに、結論の出し方が違います。

 例えば葉かきの作業。忙しい時は葉かきや誘引や防除など、管理作業のなかで優先順位をつけて、結果、防除を優先して葉かきが遅れてしまうことがあります。葉が混みすぎると、病気が出やすくなり、防除の作業が増えてしまうのです。

 しかし改めて考えると、忙しい時に作業が遅れるなら、作業の遅れる要因を一つでも削ることのほうが大事です。そのために栽培面積を減らし、他の果菜類をやめようと考えたのです。

 鈴木さんの記事はプリントアウトして、ファイルに入れていつでも読めるようにしました。これなら忙しくなっても、さっと記事を読み返すことができます。

 ルーラルによって、今までの「困った時の『現代農業』」という読み方ではなく、経営を見直す、栽培技術をイチから立て直すという目的で初めて読めたと思います。

単行本の著者名で検索

 農業技術は単行本からも学んできました。例えば元宮崎県総合農業試験場・白木己歳さんの『写真・図解 果菜の苗つくり』『キュウリの作業便利帳』など。

 そこで白木さんの名前をルーラルで検索してみると、記事があるわあるわ。『農業技術大系』も含めてなんと100本もヒットしました。

 とてもまだすべては読めませんが、トマトの葉かきの仕方や果菜類の土壌の耕耘方法など、基本的な作業について、サクッと読めてガッテンしてしまう記事がたくさんありました。単行本を読んで気に入った著者を検索してみるのもおすすめです。

 白木さんは『現代農業』で、2004年から05年にかけて「目からウロコ 果菜の作業コツのコツ」という連載もしていて、『写真・図解 果菜の~』はその内容をベースに作られていることがわかりました。ルーラルには単行本何十冊分もの情報があります。

静岡県伊豆の国市の鈴木幸雄さんの記事をファイルして読み直した

『現代農業』で恩人に再会

 ルーラルを使い始めて、『現代農業』も以前のように目を通すようになりました。最近驚いたのは4月号56ページ、接ぎ木特集に出てくる神奈川県厚木市の伊藤洋文さんの記事。

 じつは20年ほど前、学生時代に先代、文明さんの元で数回、農作業を経験させていただいたことがあったのです。当時はただただご迷惑をかけただけでしたが、誌面を通して20年前のことを思い出して、嬉しくなりました。

 ルーラルは自分が学びたい内容を探して使う能動的活用ですが、毎月届く『現代農業』をパラパラ見ていると、思いがけない発見や学びがあります。

 最近、自分の能力を大きく伸ばすには、この意外な発見や気付きのほうが重要だと思うようになりました。『現代農業』で気になったことを、ルーラルで深めるのがいいのかもしれません。

 私はまだ経験が浅いので、先人の挑戦や失敗、知恵とノウハウを手軽に学べるのは本当にありがたいことです。今後とも、全国の素晴らしい農家の活躍が見られることを期待しています。

(山口県宇部市・まこっこ農園)

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*月刊『現代農業』2022年5月号(原題:農業が面白くなるルーラル電子図書館(12)冬場のまとめ読みで規模縮小を決めた

)より。情報は掲載時のものです。