
手ぬぐい一本でできる
五年ほど前、白内障の手術で入院したときに同部屋になった人に、手ぬぐいで作った帽子をいただきました。今まで見たことのない帽子で、かぶってみたらとっても具合がいいので、私も見よう見まねで作ってみました。
自分の好きな柄の手ぬぐいで作った帽子をかぶると、とても楽しい気分になります。
この帽子のいいところは、
(1)手ぬぐい一本あればできる
(2)軽くて通気性がよく、吸水性もいい
(3)洗濯がしやすい
(4)つばが長めなので日射しをさえぎる
(5)突然の来客のときでもボサボサ頭がかくせる、
などなど。
作り方も簡単で、初心者でも一時間ほどでできます(図)。手ぬぐいの両端一cmを縫い合わせて輪の状態にする。開口部の片側を九cm幅で折り上げ、内側にゴムを通して縫い付けて、つばを作る。反対側の開口部をバランスよくつまんでとめれば出来上がり。

作り方を教えたり、帽子をもらったり
友だちに頼まれて帽子の作り方を教えたり、帽子をあげたりしています。今では、教えた友だちから帽子をもらうこともあります。
直売所の当番のときにもかぶっていくと、お客様が帽子を見て、「かわいいステキな帽子だね」「作り方を教えて」なんて言われることも。友だちの一人は、旅行に行くたびに好きな柄でこの帽子を作って「世界でただ一つだけの帽子」だと自慢しています。
買い物、自宅、畑でかぶり分け
私も好きな柄でいくつも作り、買い物用、自宅用、畑用とかぶり分けています。
ある暑い日の畑で思いついて作ったのが、手ぬぐい二本を使って作る帽子です。一本で作ると汗がふけませんが、これなら汗がふけます。しかも首や肩の日よけにもなり、かぶったらとても具合がいいのです。もしものケガのときには裂いて使うこともできます。主人は、夏に田んぼにイモチの粉剤をふるときにこれをかぶり、粉が目や首に入らなくていいと愛用しています。
晩秋の頃からは、この手ぬぐい帽子をタオルで作ってかぶっています。雪の降るときや除雪のときには風雪よけにもなり温かいです。

四年ほど前には、当地区のお茶のみサロンで帽子の作り方を教える機会がありました。帽子をかぶって料理を作り、お茶会をしました。最後に自分で作った帽子をみんなでかぶって記念写真を撮りました。

この手ぬぐい帽子は簡単にできて、便利で自分が楽しくなります。

*月刊『現代農業』2013年5月号(原題:お出かけにも 楽しくなる手ぬぐい帽子)より。情報は掲載時のものです。
種まきびとの ちくちくしごと
早川ユミ 著
切るのも縫うのもだいたいで、工作のように楽しくちくちく。洋裁の知識がなくても、畑や台所で役立つ服が型紙なしでつくれます。野良シャツやもんぺ、柿渋染めエプロンから、子ども服や肌着、かばんまで29種掲載。