キトサンを浴びると、ウンカが嫌がるイネになる!?フルボ酸散布で、ウジ、ハエが死んだ。苗立枯病で瀕死のニンジンが復活!?作物が内から強くなり、外の土壌環境も改善。不思議な効果の謎に迫る。
執筆者:石田秀樹(北海道美幌町)
『現代農業』2025年6月号
株元のウジが根を食い荒らす
約30haの畑で加工用キャベツ、カボチャ、ダイズ、アズキを栽培しています。
2022年7月上旬のこと。下旬から始まるキャベツの収穫を前に、ウジの被害が目立ってきました。生産組合の6軒の畑を巡回すると、どの圃場にも被害がありました。
ある程度結球している株の根元にウジがいて、根が食い荒らされ、株や葉の色が紫に変色していました。それまでもウジの被害で生育不良になった株はありましたが、ここまで広範囲で発生したのは初めて。圃場にはハエが飛び回っていて、今までにない状況でした。
筆者(48歳)。大地再生農業を取り入れ、省耕起・ミックス緑肥も実践(24年10・12月号、25年3月号)(編)
道内各地でハエが増えてる!?
試験場の方にも見てもらった結果、タネバエとヒメダイコンバエの2種類が寄生していました。ヒメダイコンバエは、釧路や中標津地方でダイコンによく発生するハエらしく、それがオホーツク地方にもやってきたようです。最近は十勝地方でもハエの被害が増えていると聞きます。天候の変化で発生する虫が変わってきたと感じます。
原因は圃場が低地で湿気が多く、5、6月に涼しくて雨が多かったこと。生育が悪く軟弱な苗に寄生したと考えられます。とくに5月初中旬に定植した1、2回目の苗の被害が多くて、その後のステージの苗にはあまり被害が見られなかったからです。
直接かけたらウジが動かなくなった
どう対応しようかと考えていたとき、フルボ酸散布でタマネギのタネバエがいなくなったと聞きました。そこで、防除の際にフルボ酸2000倍、キトサン1000倍を混ぜて、100L/10a散布していきました。これを収穫の終わる10月いっぱいまで、7〜10日に1回程度の間隔でまきました。
キャベツの構造上、根際まで届くとは考えづらいので、被害を受けたステージよりも先のステージの予防になればと散布しました。結果的に、その後ウジの被害は抑えられ、生育旺盛に育ちました。
24年7月7日撮影。奥が5月初旬定植、手前が5月中旬定植のキャベツ。ウジの被害もなく順調に生育
被害の出た株は抜き取り、できるだけ外に持ち出しましたが、試しに株元についたウジにフルボ酸とキトサンを100倍程度に薄めただけの液を散布すると、30分後くらいには動きが止まって死んでいました。何が作用したのか、農薬でもないのに不思議です。
23年、24年は農薬散布時にフルボ酸とキトサンを混ぜる対応を続けて被害は出ていません。また、キャベツとカボチャで肥料を20〜30%ほど減らし、減肥・減農薬栽培を試していますが、品質・収量ともに以前と変わらないと感じます。フルボ酸とキトサンで肥効や農薬の効き目がよくなっているのかなあと思います。
『現代農業』2025年6月号「キトサン&フルボ酸で病害虫に強くなる」コーナーには、以下の記事も掲載されています。
- キトサンで免疫力UP イネの茎が硬くなってウンカがこない 内田武士
- タマネギ軟腐病 キトサン混用で銅剤の薬害なし 森田彰
- キトサンとフルボ酸がウジを抑えるしくみとは? 瀬尾義治
- フルボ酸は選択毒性がある 有用菌を殖やし悪玉菌を駆逐する 鈴木一哉
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