
農薬じゃないけど効くものってあるよね?――今さら聞けない特定農薬と「非農薬資材」の話
『現代農業』が農薬の特集を始めた理由
『現代農業』の6月号は毎年「減農薬特集」です。
『現代農業』が防除技術を特集するようになったのは1979年のこと。当時、国内の農薬使用量は右肩上がりで、中毒事故や死亡事故も頻発していました。
特集タイトルは「農薬ガイドブック」。病気や害虫の診断法、農薬中毒の応急手当、イネの除草剤選びや薬害の防ぎ方など、当時の農家にとって役立つ内容だったと思います。『現代農業』が農薬の特集を始めた理由は、その号に掲載された「どうしてこんなに農薬代がかさむのか」という記事を読むとよくわかります。

その背景には、農薬取締法の改正があり、安全基準が強化される中で「低毒性農薬」が数多く登場しました。しかし高価であるうえ、従来の農薬と同系統のものが多かったため、害虫が抵抗性を獲得しやすくなり、防除回数が増えた結果、農薬代が農家の経営を圧迫していました。
「非農薬資材」の選び方、使い方
今回は特集の前の記事で、そうした農薬の現状を紹介するとともに、特集では「農薬じゃないけど効くもの」、いわば「非農薬資材」に焦点を当てました。

食酢は「特定農薬」として認められています。化学農薬ではありませんが、国によって、その効果や安全性が認められています。ほかにも特定農薬には重曹や天敵などがありますが、指定されていない資材の中にも、病害虫に効くものはたくさんあります。

例えば米ヌカは、農水省や都道府県の研究者が病気や害虫、雑草への防除効果を認めています。これら「非農薬資材」をずらりと紹介し、選び方や使い方のルールも含めてQ&A形式で解説しました。農薬に頼り切らない防除の一助となれば幸いです。
巻頭特集以外のコーナーも見どころ満載です。タイトルを中心に少しだけご案内します。
🟢続 吸汁ゲリラ・カメムシの叩き方
2024年に続き、2025年もカメムシが大発生。ゲリラ的に圃場にやってくるヤツらから、どう作物を守るのか。相手をじっくり観察して対抗する農家の工夫を紹介します。

近年急増して大問題となっているイネカメムシ。かつては主要な害虫だったにもかかわらず、1950年代以降は農薬の普及などで激減し、長く姿を見せていませんでした。そのため、くわしい生態がほとんどわかっていなかったのですが、ここ数年で少しずつ明らかになってきました。

キトサン&フルボ酸で病害虫に強くなる
キトサンを浴びると、ウンカが嫌がるイネになる!?フルボ酸散布で、ウジ、ハエが死んだ。苗立枯病で瀕死のニンジンが復活!?作物が内から強くなり、外の土壌環境も改善。不思議な効果の謎に迫ります。

🟢切り札剤「グレーシア」に抵抗性をつけさせない
コナガやヨトウ、アザミウマなどによく効く「グレーシア」。しかし、その高い効果に頼りすぎると、すぐに効きづらくなってしまいます。新農薬の登場が少ない今、「切り札剤」の温存は欠かせません。産地の農薬の使い方を紹介します。

そのほかのおすすめタイトル
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- 無農薬ハクサイ畑の予察的防除/酢防除で無農薬のお茶づくり
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