日々の農作業記録の書き込みや、青色・白色申告ができる単年版の日記帳『農家日記』(農文協)。農家にとっての使いやすさを追求した日記帳だが、山梨県の家庭菜園母ちゃん・内藤まつ子さんは「本格農家以外でも使えるんだよ」と、愛用の『農家日記』を編集部まで送ってくれた。
山梨・内藤まつ子さん
カバーを自作してもっと便利に
届いた『農家日記』を見て、まずはその外装に驚いた。白くて見慣れないカバーがかかっているのだ。気になってさっそく内藤さんに理由を尋ねてみた。
「注文した日記が家に届いたら、まずカレンダーの裏紙でカバーを作って補強するのさ。1年間使う日記だから、ボロボロにならないようにね」
カバーの裏にも工夫があるよ、と内藤さん。取り外してみると、ポケットがついていてインデックスシールや付箋が入っていた。
「思いついたことはすぐ日記に書いておきたいんだ。使いたいときにすぐ取り出せると便利だろう?」
二つの欄を使い分けて見返しやすく
『農家日記』は、毎日の記入欄が「日記欄」と「作業・経営メモ」の二つに分かれている。「作業・経営メモ」は作業時間や現金の収支を記録する欄で、各種申告の根拠にできるものだ。
しかし、農家として経営をしているわけではないので申告には使わない内藤さん。別のルールを自分で決めて、二つの欄を使い分けていた。
「『作業・経営メモ』には畑仕事の内容と時間を簡単に、『日記欄』には詳しいやり方と畑以外の記録をつけてるよ。去年の畑仕事の時期を確認するときは、去年つけた日記の『作業・経営メモ』を見ればわかるようにしているんだ」
現金出納帳は店ごとにつける
カバーに忍ばせていたインデックスシールは「現金出納帳」欄に貼られていた。これも基本は農業収入・支出を算出するための欄だが、内藤さんは表の記入項目を書き換えて、日々の買い物の記録を、しかも店ごとにつけている。
「店ごとにつけると、値上がりの有無がすぐわかるだろう? たとえば特売の商品が本当に安くなっているか、確認できるんだ」
読み物記事は先に読んでしまう
日記欄の各月初めには、家庭菜園の工夫や料理のレシピなどの読み物のページ「農家便利帳」がある。季節ごとの話題を載せているが、内藤さんは日記が届いたらとりあえず全部読んでしまうそうだ。
「今すぐ試せるものがあるかもしれないのに、すぐ読まないのはもったいないじゃないか」
実際に試してみたのは「木酢+野草+香辛野菜のアブラムシ除け液」「トウガラシばらまき耕耘で簡単モグラ除け」(ともに『農家日記2024年版』掲載)など。内藤さんの場合、トウガラシではモグラ撃退に至らなかったが、すき込んだ乾燥トウガラシのタネが芽生えてうまいトウガラシが鈴なりになったとのこと。
ほかにも、覚えておきたい料理のレシピや、自分で思いついた畑仕事のひと工夫などを日記のメモ欄に書き残して、自分だけの「農家便利帳」を作っている。
自分でつけた日記は最高の参考書
こうして一年間つけた日記を、内藤さんは翌年以降読み返している。未来の自分に役立つよう、作付けや収穫の時期、使った資材の値段や所感、近所の農家に聞いた畑仕事のコツなどをまとめておくのだ。
「たまに書ききれなくて、溢れた分は別紙に続きを書いて貼りつけているよ。日記も内容も、ふくよかになるけどね」
内藤さんは『農家日記』を使って10年。新聞広告で見かけて、試しに1年使ってみたのが始まりだそうだ。
「菜園の記録はもともとつけていたけど、『農家日記』ってどんなものか気になって買ってみたんだ。そうしたら、工夫を凝らせば本格農家じゃない私でも使えるじゃないか。今後も使っていきたいと思っているよ」
今では「なんでも使えるオールスターな一冊」だと、友達にも勧めている。
農文協編
2025年版の読み物記事は、
- これならできる 家庭菜園12カ月
- 農家が教える 自然な手当て
- 適材適所で大活躍! 草刈り動物の魅力
- 畑の法律相談 よくあるトラブルQ&A
の4本。農作業の記録や青色・白色申告はもちろん、暮らしの記録や家計簿など、使い道は無限大。年末年始のプレゼントにもおすすめです。
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