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〈農業情報サイト「ルーラル電子図書館」をつかいこなす〉ポッドキャストでルーラルを紹介してみた!

長崎県・宮田和晃

現代農業や増刊『季刊地域』のバックナンバー、『農業技術大系』などがインターネット上で見られる「ルーラル電子図書館」。その活用方法を、愛用者に紹介してもらいます――。

リアルな農家トークを発信

ポッドキャスト収録の様子。スマホのアプリ一つで収録・配信が可能。2人でいつもコンテナを挟み、庭先や倉庫などで録音している
ポッドキャスト収録の様子。スマホのアプリ一つで収録・配信が可能。2人でいつもコンテナを挟み、庭先や倉庫などで録音している

 雲仙岳の麓、ジャガイモの産地でもある長崎県雲仙市でジャガイモ4haを軸に、ブロッコリー、タマネギ、水稲などを栽培しています。

 同地区の後輩農家と、今春から「NO TALK,NO FARM.〜雲仙おしゃべり農家のちょっと雑談しゅういRADIO〜」というポッドキャストを始めました。ポッドキャストとは、スマホやパソコンで個人的に配信・視聴できる保存型の音声コンテンツで、すでに多くの農家が独自の番組を配信しています。

 私はもともと、農作業をしながらよくラジオを聴いていました。当時、たまたま地域でのポッドキャスト勉強会に参加したこともあって、しばしば雑談をする後輩と盛り上がり、「自分たちでもちょっとやってみようか」くらいの軽い気持ちで始めました。

 私たちの番組は、自分たちが普段考えていることや感じていること、作物のことや最近気になることなど、リアルな農家・農業の話が中心です。ときには異業種の方をゲストに迎え、方言も強めでトークしています。

 ポッドキャストを始めたことで、改めて深く話を聞いたり、勉強したり、新たなトークのネタやゲストを探したりと、以前よりも情報集めのアンテナを張るようになってきました。

農文協バイク部隊に出演依頼

農文協九州支部の職員2人とのポッドキャスト収録。左端が筆者(42歳)で、手前が相方の野菜農家・元村孝太郎(37歳)
農文協九州支部の職員2人とのポッドキャスト収録。左端が筆者(42歳)で、手前が相方の野菜農家・元村孝太郎(37歳)

 そんな折、以前から『現代農業』や「ルーラル電子図書館」を定期で利用していたこともあり、農文協のバイク部隊が久しぶりに回ってきました。営業と情報集めのために、しばらく近くを回るとのこと。これはポッドキャストのネタにちょうどいいと思い、ダメ元で出演依頼したところ、まさかの出演OK。ゲストに出てもらい、いろいろと話を聞くことができました。

 この回のテーマは「農文協が出してる『現代農業』や『ルーラル電子図書館』って知ってますか?」。まぁ、そのまんまのテーマなんですが……農文協という出版社やバイク部隊の仕事のことから始まり、『現代農業』やルーラルについても、どういうコンテンツなのか、そしてまた実際に職員の方のオススメなども聞いてみました。

 ポッドキャストという、いつでも聞けるコンテンツとして残すことができたので、農家仲間にも紹介しやすくなりました。作業しながらの「ながら聞き」ででも聴いてもらい、少しでも興味を持ってもらえればと思います。

複数作目での農薬検索が便利

 自分の場合、ルーラルはJAの青年部で勧められたのがキッカケで、簡単な営農指導のようなものを期待して使い始めました。現在はもっぱら病害虫の診断などに使っています。畑や倉庫でスマホで見ることが多く、病害虫被害の様子や虫の姿など、実際に写真や図と照らし合わせて確認できるので助かっています。直近だと、シシトウのオオタバコガや白絹病の診断に役立ちました。診断だけではなく、原因や対処法など、詳しい情報を調べるのにも役立っています。ルーラルでチェックした後に、営農指導員や農家仲間にも聞いたりすることでより理解が深まる気がしています。

 最近では、登録農薬を選ぶ際にも使っています。RACコードで系統がわかり、予防剤か治療剤かなども載っており、ローテーションを組む際にはとくに重宝しています。うちはジャガイモとブロッコリーなど同時期に防除する作物があるので、複数の作物を指定し、両者に登録がある農薬を検索できるのも便利だなと思っています(上)。

 なお、ルーラルでは『現代農業』の過去記事も読めるのですが、冊子は冊子で、意図せず目に入ってきた記事からヒントをもらうこともあり、高齢の父も読んでいるので、併せて定期購読しています。

ポッドキャストのネタにも!?

 21年末からは、『現代農業』の兄弟雑誌である『季刊地域』の定期購読も始めました。自分自身も問題意識を持っている不在地主、ごみ処理、継業といった地域の課題について多面的に深掘りし、事例紹介もしてくれるありがたい雑誌です。ルーラルにも収録されていますが、ほとんどは冊子を読みます。やはり、じっくり読みたい場合には紙媒体がしっくりきます。

 最近の特集の中では、「ごみ処理は地方が一歩先を行く」(19年春号、バックナンバーで購入)が気になりました。とくに参考になったのは、葉っぱビジネスで有名な徳島県上勝町の「ゼロ・ウェイスト」(焼却・埋め立てごみをすべてなくす)宣言、その日本一のごみ分別に取り組む現場を取材したレポートです。「瀬戸内の島で暮らす自分にも、やるべきことが多くある」と考えさせられました。

 いろいろな刺激と有用な情報を届けてくれる農文協の出版物とサービスに、これからも大いに期待しています。

https://open.spotify.com/show/1SB1bYDIlGNlcHDKKT1T78
Spotify、anchor、amazonmusic、Googlepodcastなどで無料配信中。上記リンクはSpotify。

●ポッドキャストとは

インターネットで音声(や動画)を配信する仕組みのこと。スマホや音楽プレーヤーなどの機器にダウンロードすれば、好きなときに視聴できる。ブラウザ上での視聴も可能。リアルタイムではないラジオ番組のようなもの。農家による人気番組もある。

*月刊『現代農業』2022年7月号(原題:ポッドキャストでルーラルを紹介してみた!)より。情報は掲載時のものです。

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