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サトちゃんのへの字稲作挑戦記〈2〉踏んづけて踏んづけてずんぐり健苗

↓サトちゃんのへの字稲作挑戦記 第一話はこちら↓

新連載 サトちゃんのへの字稲作挑戦記

福島県北塩原村・佐藤次幸さん

コシヒカリが倒れなかった

耕作 サトちゃん、そろそろ育苗のシーズンだけど、への字稲作の場合は何に気を付けたらいいのかな? 初期生育は抑え気味にっていうから、田植え後の育ちが悪いヒョロ苗でもよさそうな気が……。

サトちゃん お、鋭いね耕作くん。井原豊さんも「活着の悪い苗が、かえってへの字生育をたどって、ある程度収量がとれることがある」って言ってたらしいのよ。でも、悪い苗だと株ごとの分けつ数が、大株小株とバラバラになるから、多収は絶対できないとも言ってた。やっぱり、収量とるには「ずんぐり健苗」だって主張してたってさ。オレがいつも言ってる通りだろ。エネルギーがある苗なら、活着が早くて疎植でも株ごとの茎数がピシッと揃うし、元肥をより節約できる。とくに、への字稲作みたいに穂を大きくつくって収量をとる方法は、最初が肝心。三つ子の魂百までっていうだろ。太い親茎からは太い分けつが出て、最終的に大きな穂にもつながるってわけよ。

 なるほど。最初が抑え気味っていっても、しっかり収量とって、よりコストを減らすには、健苗が重要だってことだね。そういえば、サトちゃんは昔から角材で苗を踏んづけるスパルタ育苗だったけど……。

苗踏みの効果
苗踏みの効果は、徒長抑制、太茎形成、根張り向上、チッソ過多の防止など。踏まれた苗では、植物ホルモンのエチレンが分泌されるからだとされる。への字稲作の提唱者、井原豊さんも板やローラーで苗を踏み、ずんぐりした黄色い苗をつくっていた。

自作のローラーと角材。厚い塩ビ管で作ったためローラーの重さは8kg弱あるが、回転する分角材よりもラクに引っ張れる

この続きは2021年4月号または「ルーラル電子図書館」でご覧ください

*月刊『現代農業』2021年4月号(原題:踏んづけて踏んづけてずんぐり健苗)より。情報は掲載時のものです。

福島県北塩原村在住。「月刊現代農業」(農文協)でおなじみのサトちゃん、『イネつくり作業名人になる』著者。 水田と、ハウスや露地で野菜やハーブを栽培する。「農業には捨てるものがない。すべてが資源」という佐藤さんは、「ムダ」なことが大嫌い。だからイネも自分で育っていけるよう仕組む。畦草は牛のエサ。米も野菜も自分で販売する。自分が食べるものは自分でつくる。発想ゆたかに仕事も暮らしも楽しむサトちゃんを追う。

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著者 井原豊

省力・減農薬・低コスト、しかもコシヒカリなど良食味米を倒さずつくれると大評判の井原流「への字イナ作」。従来のイネつくりとどこがちがうのか。豊富な写真で、生育の特徴とつくり方のポイントをわかりやすく解説。

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