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もち米+米ヌカで、なめらか玄米もち!?

岩手県・千葉美恵子

年も押し迫ってまいりました。年末年始はどうしても食生活がみだれがち。そんなときにはこのかんたん玄米もちはいかがでしょうか?これは現代農業2011年1月号の記事です。

もち米と米ヌカを一緒についたオリジナル“玄米もち”。ツルツルなめらか
もち米と米ヌカを一緒についたオリジナル“玄米もち”。ツルツルなめらか

玄米もちは、つぶすのがたいへん

 『現代農業』二〇〇九年十二月号「玄米特集」の玄米もちのつき方の記事を見て、ちょっと驚きました。玄米をいかにつぶしてもちにするか、いろいろと工夫している様子に、「もっと簡単に玄米もちができるのに」と思ったからです。

 じつは私も何年か前に、市販の玄米もちを食べておいしかったので、自分でつくってみようと、精米もち米と同じ方法で玄米をもちつき機にかけたことがあります。しかし、そのときはパラパラと玄米が踊って、ぜんぜんつぶれませんでした。そこで、もう一度蒸し直してついてみたけど、やはりつぶれないで、あきらめた経験があります。

古代米は粉にしてから

 それからしばらくして古代米もちをつくってみようと、もち米に一割ほどの古代米を加えてついてみました。やはり古代米(玄米)がつぶれず、見ためがよくなく、食べてもつぶつぶが違和感となっておいしく食べられなかったのです。

 業者さんがつくっている古代米大福はツルツルシコシコ、ぜんぜんつぶつぶがありません。どうしてつくるんだろうと思っていたある日、道の駅に納品に来た業者さんに尋ねてみたら、「古代米を粉にして使っているようだ」と教えてくれました。

 さっそく製粉所で古代米を粉にしてもらい、もちをついてみたら、私好みのきれいな古代米もちになったのです。

米ヌカを使えばカンタン

 これをヒントに、かつてできなかった玄米もちもつくれると感じました。でも玄米をすべて粉にすると工賃もあるし、ムダではないか――。それよりも、玄米を精米すれば白米と米ヌカになる、それをまた合わせれば……、もとの玄米の形にはならないが、成分は玄米と同じ。これだと思いました。足し算と引き算の原理だ。精米したもち米と米ヌカを一緒につけば、玄米もちになる!!

 考えは的中、なめらかな市販品のような玄米もちのできあがりです。

「全つぶし」はどう?

 自分でもよくできたと満足していたのですが、二〇〇六年に初めて「読者のつどい」(「加工講座」、講師は小池手造り農産加工所の小池芳子先生)に参加したとき、加工品の品評会で、千葉の野口忠司さんがつぶつぶ混じりの古代米もちを出品していました(二〇〇八年一月号、二〇〇九年十二月号など参照)。私は全部つぶすんだけどな、と心の中で思って見ていましたが、小池先生の評価は、「つぶつぶがあると、本物の古代米が入っているとわかっていいんだよ」。あー、なるほどと納得。同時に「全つぶし」の自己満足が一気に崩れ落ちた瞬間でした。

 私の全つぶしのもちはどうなのか? 今だったら「私のやり方はどうなのでしょうか」と聞くことができますが、あのときは初参加で先輩方の立派な加工品と熱気に圧倒されて発言できずに帰ってきたのでした。

二時間足らずで一六〇袋完売

売るときは、このシールを貼る
売るときは、このシールを貼る

 古代米もちは凍みもちに加工して販売していましたが、今は休んでいます。米ヌカを利用した玄米もちは、もともと販売していませんでした。

 そこに玄米特集の記事、再び火がついたのです。各地の人たちが玄米をつぶすために工夫しているんだったら、米ヌカを利用した自分の玄米もちは製品になると思ったのです。

 そこで直売所で売り出すとともに、試食販売会を企画していただきました。玄米もちは、当地ではあまり知られていません。多くの人に味わっていただくことを目的に、ホットプレートを持ち込み、玄米もちを焼いて、お客さんに振る舞いました。「お客がどのように反応するか? もし売れなかったら?」と、とても不安でしたが、焼くのが追いつかないほどで、用意した一二〇袋の製品も二時間足らずで完売でした。

 お客の数人に、どのようにしてつくったかと聞かれましたし、「香ばしくておいしい」「歯切れがよくて食べやすい」などの声もありました。中には「ホットプレートでもちを焼くとは知らなかった」と驚く人もいたりで、あっという間の二時間でした。

 好評だったからもう一度ということで、二回目は一六〇袋用意して、これも二時間足らずで売りきったのです。

米産直のお客さんにも喜ばれた

 この調子だったらお店でもどんどん売れるかと期待したのですが、そうはいきませんでした。要は試食販売会の売り方がよかったからで、サービス心が旺盛な私は、玄米もちを二袋お買い上げいただいた方に、果報だんご用のあんこ(角パック入り)をサービスに付けたのです。それが魅力だったようで、お客の賢さをつくづく感じさせられました。

 それでも当初の目的は達成でき、その後つくった玄米もちも賞味期限内には売ることができました。販売は、もちがよく売れる年末年始を中心に、冬季のみにしました。

 また、年を通して有機玄米を届けているお客様に、ご愛顧のお礼として年末に玄米のしもちを届けて、喜ばれました。

私は「つぶつぶ」よりも、断然「つるつる」派

 二〇一〇年の「読者のつどい」には、全つぶしの玄米もちと古代米もちを出品して、小池先生の批評を仰ぎたいと思い参加したのですが、小池先生の突然のご都合でそれがかなわず、とても残念でした。でも、参加した人たちから、「わざとつぶつぶを残すんだよ」とか、「つぶつぶが好き」「つぶつぶがないのがいい」といろいろな評価をいただきました。

 私の玄米もちのつくり方は、これでいいのかどうかわかりませんが、誰でも簡単につくれると思いますし、私はつぶつぶがないほうが好きなので、このまま続けようと思います。

 健康にいいものを求めるお客さんが多い時代、少しでもその要望に応えられるような商品を提供する喜びも感じています。

玄米もちのつくり方

*月刊『現代農業』2011年1月号(原題:もち米+米ヌカで、なめらか玄米もち!?)より。情報は掲載時のものです。

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