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収穫も簡単 サツマイモのつる上伸栽培

京都・梅景忠夫

園芸用ネットにつるを這わせて上へと育つサツマイモ(品種は鳴門金時)。イモの生育には問題なし

イモづる式収穫から発想転換

 家庭菜園で野菜づくりを楽しんでいます。つるに次々と大きなイモが連なる「イモづる式」の収穫を楽しみに、サツマイモも毎年育ててきました。しかし、つるは他の野菜に覆いかぶさるほど広範囲に伸びるにもかかわらず、つる先で育つイモは細いものばかり。いつも残念な思いをしていました。

 ならばいっそのこと、イモづる式の収穫は諦め、植えたつるの根元あたりのイモだけしっかり収穫すればいいのではと割り切ることにしました。そこで、つるをムダに横に這わせず、園芸用のネットを使って上へと伸ばすつる上伸栽培に挑戦。その際、京都府立大学が紹介していたダイショ(ヤマノイモの一種)をネットに這わせ、緑のカーテンとして育てる方法も後押しになりました。

幅をとらない、手間も不要

 実際にやってみると、収穫するイモは株元だけになりますが、株間を狭くして植えられるので、面積は減っても収量はそれほど変わりませんでした。

 また、生育途中でつるを持ち上げ、一部の不定根を切ることでつるボケを防ぐ「つる返し」という作業も不要になりました。収穫するときは、根元を少し残してハサミで切り、上部の茎葉を網から引き出すように外すだけ。地面に残ったつるを目印にイモを速やかに掘り出せます。

大きなイモがたくさんとれる

 上にまっすぐ育てるので、定植では苗は寝かさず、垂直か少し斜めに傾ける程度で植え付けます。

 つるが伸びたら、最初だけネットの網目二~三つに手で通してやれば、自然に網目をくぐるように上へと伸びていきます。もし横にはみ出したつるがあったら、近くの網目に入れてやります。

 サツマイモのつるはキュウリなどと比べて重量があるため、ネットの支柱は穴あきアングルなど鉄製の丈夫なものを使い、ネット両端だけでなく、中間にも支柱を立てます。

 畑が小さい私には、つる上伸栽培はたいへん効率のいい栽培法です。工夫次第で、垂直に育てたサツマイモが生け垣や緑のカーテンになり、たくさんの収穫も楽しめるでしょう。さあ、みなさんも挑戦してみませんか。(京都府宇治市)

大きく揃ったイモがゴロゴロとれる。これで1ウネ(長さ2.25m)分
つるの片付けも簡単

*月刊『現代農業』2021年5月号(原題:小さい畑に サツマイモのつる上伸栽培)より。情報は掲載時のものです。