現代農業には、農家ならではの料理が毎月掲載されています。なかには普段めったに手に入らない食材をぜいたくにつかった料理も紹介されています。
今回は、現代農業2023年7月号に掲載された「烏梅(うばい)」について、当時の記事を参考に、煎じて飲んでみました。

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現代農業WEBチームのたじはるです。
夏の暑さも厳しい7月某日、編集部員がなにやら黒くて硬い不思議なものをいただきました。この食材の正体は、「烏梅(うばい)」です。
現代農業2023年7月号で紹介された、「青梅+煙のスゴイ薬!? 段ボールスモーカーでも烏梅が作れた」の著者の鈴木健二さん手作りの貴重な烏梅です。

烏梅とは…?
「日本に梅が烏梅として伝来した当時、烏梅は駆虫剤として利用されていましたが、次第に鎮咳、去痰、解熱、解毒作用など多くの効果が見つかりました。さらに鎮痛効果があることがわかり、鎮痛剤としても使われるようになりました。
烏梅は、草木を燃やした煙で青梅を燻して、煙を吸わせられるだけ吸わせたものです(作り方は、2011年7月号p.322参照)。草や木を燃やして出た煙は、水蒸気のまわりに植物中のミネラルがくっついたもの。これが梅の表面につくと、梅のクエン酸やリンゴ酸などと結合してクエン酸カルシウムなどができ、梅の中に入ります。こうして多くのミネラルを取り込ませたものが烏梅です。私たちはミネラル不足になると痛みを強く感じるようになります。そのため、ミネラルを多く含んだ烏梅が鎮痛剤として使われるようになったのです。」
烏梅を送ってくれた鈴木さん曰く、烏梅を煎じて飲んでいるので「炎天下でも超元気!」とのこと。
烏梅なんて滅多にお目にかかれない、高級品です。せっかくなので、記事に紹介されていた飲み方で、「烏梅ティーパーティー」を開催して、優雅に夏バテを克服しようと思います。

必要なものを揃える

材料(1L分)
- 烏梅 5~10個(今回は濃いめに作りたかったので10個使用)
- 水 2L
これだけです。レッツトライ!
材料を鍋に入れ、水量が半分になるくらいまで煮詰める

中火でぐらぐらと煮詰めます。
たったこれだけ。
10分後

うっすらと烏梅の茶色がでてきました。
40分後

さらに水量が減り、ほんのりと燻製の香りがしてきました。色も濃くなりました。このへんで、そろそろ火を止めて、飲めるくらいの温度になるまで冷まします。
飲んでみる

ポットに注いでみるとあらステキ!きれいな琥珀色です。燻製でつくる烏梅らしい、ほんのりスモーキーな、上品な香りがします。

それでは「烏梅ティーパーティー」のはじまりです。
もうすっかり気分は公爵夫人。自然と所作や言葉の語尾も丁寧になります。

肝心の、お味はどうでしょうか。
一口飲んでみると、ほんのりと青梅の酸味と出汁のような旨味を感じ、疲れた身体に優しくしみわたります。
午後のおやつ時に飲んだのですが、お昼に食べ過ぎたラーメンで重くなった胃がなんだか軽くなったような…?
烏梅の実も食べてみた

「お茶」を存分にたのしんだ後は、実をいただきます。
そのまま食べると、「酸っぱい梅味と、ガツンと煙の味が口に広がる」という話ですが、煎じた後の実はどうでしょうか。

煎じる前よりもずっとマイルド!おまけにタネまでポリポリ食べられる!
大人の味!?
【おまけ】たまにすごく酸っぱい実もある

ものすごく酸っぱい実を引き当てました。
自然のものなので、形も大きさもさまざま。味も少しずつ異なります。そんな自然の食事をたのしめるのも、現代農業メシの醍醐味ですね。
まとめ

いかがでしたか?
わたしは烏梅を初めて食べてみて、なんとなく身体が軽くなったような気がしました。烏梅には身体の痛みをとる効果があるといわれているので、毎日続けていれば長年の肩こりも治るのかも?
そんなスーパーフードの烏梅生活を続けたいですが、本物は貴重でなかなか手に入らず、悔しいです。
「青梅」が手に入る人は、現代農業を参考に、是非烏梅づくりにチャレンジしてみてください。
今回参考にした『現代農業2023年7月号』のくらしコーナー「青梅で万能薬を作る」特集では、烏梅のほかにも、「梅肉エキス」を使った手作り万能薬を紹介しています。
毎年やってくる梅仕事のレパートリーに、烏梅や梅肉エキスを加えてみるのはいかがでしょうか。
今回紹介した、烏梅関連記事は、ルーラル電子図書館よりお調べいただけます。
農家が教える 梅づくし
農文協 編
1,980円 (税込)
黒焼き梅や烏梅などの健康利用法、鮮やかな梅干しや減塩梅干し・カリカリ梅漬けの作り方、梅びしおなどの調味食品、梅おこわや梅干し煮などの各種梅料理、ジャム・ドレッシング・ジュースなどの梅加工品、栽培まで。